観世流能楽師・岡庭祥大さんからチケットをいただいたので渋谷の観世能楽堂まで能の鑑賞に。
能楽堂のある松濤町は徒歩だと東大駒場キャンパスと渋谷駅のちょうど中間地点あたりにある。
かつて高級な女子学生会館があり、北海道から出てきて上智大学に通っていた女の子を送っていったことがあった。35年くらい前の話だ。(笑)
会館の周囲には防犯カメラが設置されているので、近づいてからお別れのキスなんてしていると、録画されてしまう、という会話をした。(会話だけですってば)
演目は
能 翁(おきな) 関根祥六
舞囃子 高砂(たかさご) 関根祥人
狂言 素袍落(すおうおとし) 山本則俊
舞囃子 熊野 村雨留(ゆや むらさめどめ) 観世清和
能 道成寺(どうじょうじ) 岡庭祥大
休憩を挟んで5時間におよぶ演目のため、僕は狂言「素袍落」から最後までを観た。もったいない気もしたが、心が疲れてしまうと岡庭祥大さんの道成寺までテンションが続かないと思ったのだ。
素袍落は、主人の使いで出た太郎冠者が使い先で酔っぱらってしまう、というシチュエーションを描いた落語の長屋話のような面白い話。太郎冠者が次第に酔っていく様が実に滑稽でよかった。
道成寺は天台宗の道成寺という寺の鐘にまつわる女の怨念を描いたもので、跳び上がって鐘の中に消え、出てくると般若になった女が乱舞するという大曲。
鼓や笛の音色と、声を楽器のようにあやつる鼓方と、静の中に瞬間の動を表現するシテの、緊張感ある駆け引きのインプロビゼーションによる長い長いクレッシェンドのような展開から、それまでの静を一気に打ち破る、怨念の素早い切れのよい大立ち回り、というエンターテインメント性豊かな芸術だった。
僕は今まで能楽堂で能を観ることはほとんどなく、野外の薪能などがほとんどだったけれど、素晴らしい物を観ることができて幸福な時間だった。
鍛えられた体力と体の切れを持ちながら、ほとんどの時間を「静」で満たす能はものすごく不思議な舞台芸術だ。
売店では袴にする反物が売られている。仕立て上がりで139000円。
チケットはA席で15000円だし、古典芸能はお金がかかるなあ。
でも、すべての人がその一生をかけて技を磨いている、そういう演者による、能や狂言や歌舞伎やクラシック音楽がそうそう安くはできないのもわかる。経済原理でこういうものが失われては困るのと同時に、文化を育てるためにこそ、もう少しコストダウンはできないのかとも思う。
会社員だった父がどうしたきっかけか宝生流の謡(うたい)を習っていて、一時、家で練習をしていたり、結婚披露宴で余興として「高砂」なんかを謡っていたりしたのを思い出した。家にあった謡の本は処分してしまったのかな。
午後5時半、能が終了。
夕食は、渋谷の「かつや」でファストフードのカツ丼(520円)を食べる。
妻は明日の仕事のため、都心に泊まり込みで今夜はいない。
静岡にいるヨット仲間が業界団体の旅行で横浜へ来ているということで、その足で横浜までもどる。
途中、電車の中で、pomera を使って連載の構想を練る。
午後7時半から、都橋商店街のHで待機。(1000円)
午後9時前、ツアーから解放された友人Sその他と野毛で合流。
みんな腹一杯なので、Yのテーブル席で余り食べずにワインを飲む。
5人で赤ワイン5本、オードブル2皿。(ひとり2200円)
もう一軒、かなりクセのあるバーNで1杯(1000円)
午前1時半、徒歩で帰宅。
久しぶりによく飲んだ。
(ふだんは呑んでいるようで、かなりセーブしている)
歯も磨かずにバタンキュー。朝までぐっすり。
Yでのんでいるとき、隣のテーブルにいた男1+女3のグループと途中から仲良くなった。
聞けば、神戸で大学時代を過ごした仲間で、男が片思いだった女性と元カノの二人に、いまの彼女を紹介するというイベントだったらしい。
人生はドラマに満ちているね。
午後2時、横浜駅近くで連載の打合せ。
歩いていくのはやや困難な雨なので、電車で。
そごうの4階にある中国茶の店「茶話」にて。
つづいて、美容室「アフェクト」。ホットペッパーで見つけた初めて行く店だ。
カット(1500円)+シャンプー(500円)で2000円。
美容師さんは若くてスキニーなカッコイイ女性。
すごいスピードで櫛とハサミを操る指を鏡越しに見ていると、なんて凛々しいのだろうと思う。その手に惚れる。
その手を見るために、また直ぐに行きたいと思うほど。(笑)
実働40分くらいで売上2000円だけど、美容師という特別な技能があるのに、たいした時給にならないよなあ、と職人のビジネスモデルを考える。
でも、若いうちには安くてひっきりなしに客が来る店で働くというのは腕を磨くにはいいかもしれない。
シャンプーしなければわずか1500円だけど、腕は悪くない。
いろいろ上手にコストを削減しているという感じ。
というわけで、4ヶ月ぶりに髪を切りました。
店を出ると目の前の「横浜家」でラーメン(600円)。
いつも思うのだけど、なんで丼の縁に海苔が並んでいるのだろう。ラーメンに海苔があると特に美味しくなるとも思わないのだけど。
そもそもラーメンに載っている海苔って、どうやって食べるものなのかわからない。ぱりっとしているうちに単独で食べるのか、スープに浸して食べるのか、はたまたかき混ぜてバラバラにしてスープと一緒に飲むのか。
海苔なしでいいから20円安くしてくれればいいのに。
ちょうどいいタイミングで雨が小降りだったので、家まで歩いて帰ってきた。
予報では夜には雨。
でも、出がけに降っていないので傘は持たない。濡れても死にはしない。
と、ハードボイルド(?)に家を出るハードボイルド作家(ほんとか)の阿川大樹である。
午後3時半、家を出る。
渋谷で立ち食い蕎麦、冷やしたぬき。(440円)
飯田橋ホテルメトロポリタンエドモント。
エントランスを入ると、ロビーの椅子にかけていた男がこちらを向いて立ち上がるのが見えた。編集者だ。
約束は午後5時だったが、まだ定刻には15分ほどある。
ティールームへ移動。
ゲラを受け取る。ずっしりと重い。
タイトルの討議。 〈*****-*〉と仮決め。
装丁のデザイナーの件、予定発売日など。
別会社別媒体の連載のスケジュールなどのこと。
午後6時、階上へエスカレータを上がると、知った顔、多数。
推理作家協会新年会。昨年後半はあまり協会のパーティには参加していなかったので久しぶり。
大沢在昌理事長、開会挨拶。
すぐに乾杯。
松村比呂美さんに発見される。ドラマ原作で売れっ子の新津きよみさん(直近では「トライアングル」フジテレビ系火曜夜放送中)も一緒。
松村さんとはいままでネット上でおつきあいだけだったが、実はちょっとしたいきさつでデビュー前の拙作を読んでくださった数少ない読者だったらしいと判明。
新津さんは、とても趣味のいい着物をお召しで凛とした目の人だ。(ちなみに旦那様はやはりミステリー作家の折原一さん)
料理を取っていたら翻訳家の藤田真利子さんに発見され、最近の人権問題についての話など。近くでいい匂いを立てている「フォアグラ丼」を食べながら。お話ししなかったけど、同じテーブルには北村薫さん。
会場にいつもよりも編集者が少ないけれど、景気のせいか。
それでも「お手伝い」の銀座のおねえさま方は大勢。(笑)
ビンゴのMCは石田衣良さん、そして回すのは楡周平さん。プレゼンターは大沢在昌さん。
リーチになったのに、一等・ニンテンドーDSiに届かず。それどころか最後までリーチが増えただけだった。残念。
寿司、蟹しゃぶ、オードブル系も、そこそこ、食べました。
その上、ケーキにコーヒー。
酒は、水割り4杯(リザーブ、チーバスリーガル、オールドパー)、ビール2杯、赤ワイン3杯。
いつもよりも知り合い少なめのため、いつもはできない飲食も楽しめたかな。
コーヒーサーバーのそばで、新津きよみさん、松村比呂美さん、それぞれとツーショット写真に収まる。(あとで、ちゃんと送ってくださいね)
逢坂剛さんの周りにはソフトボール同好会の面々。(逢坂さん、少し前には銀座のおねえさまに取り囲まれていた)
売れっ子携帯小説作家・内藤みかさんとはロボットを動かしているお子さんの話など。
午後8時少し前、辞去して、新宿へ向かう。
もちろんゴールデン街。まずU店、そしてA店、とハシゴ。
ほらみろ、全然、雨なんか降らないじゃないか。
午後1時、母が到着。
実は母親を呼んで2008年度の確定申告の準備。
一年間なんにもしないままだったので、まずは領収書の分類から。
腹が減っては戦ができない。まずはお弁当を食べるところから。(笑)
分類は完了。半日ではその先の仕分けや台紙への糊付けはできない。
もう一度、来てもらうことにして、大戸屋で一緒に夕食。
夕食後は、資料本(マンガ)読み。
14冊、読破したので、いったん終了。
明日には4月発売の本のゲラが来る。
少し暖かい。
自転車でバイク駐車場まで行き、月極料金を払い、せっかくなので近所をバイクで走る。
中央市場をぐるりと回って港の見える丘公園まで行き、中華街までもどってブレンズコーヒーで資料読み(マンガ)。
夕食はタイ米で作ったチャーハンと中華風野菜スープ。
その後は、また資料読み。
少年時代を含めて、人生においてこんなにまとめて漫画を読んだことないかったかもしれない。
漫画のストーリーのリズムを体に刻み込む感じで、あまり考えずにどんどん読む読む読む。
音楽を聴きまくっていると、ギターでアドリブが弾けるようになるのと同じような感じにしたいのだ。
新車 Volkswagen Golf Variant の一ヶ月点検。
ちょうど一ヶ月で1230Kmほど。
午後1時過ぎにディーラーに車を預け、中華街の「青葉」でランチ。(定食700円)
点検の帰り道、若葉町タイ人街にあるマーケットで長粒米(香米)を5Kg購入。3500円。「コシヒカリ」よりも値段が高い。値段がついていないので、タイ人にはもっと安く売っていると思うけど、タイの流儀にあわせて、こちらは日本人なので言い値で買う。
日本人はだれが買っても物の値段はひとつであるべきだと考えるけど、世界的にはものの値段は買う人によって変わるというのが標準。払える人が払えるだけの値段で(納得する値段で)買うというのがむしろ世界標準の値段の決まり方。
3500円でも欲しい、と僕は思ったからそれが適正価格なわけだ。
同じものでも、人によって必要性や価値は変わるから、値段もそれに応じて変わる、という考え方。
その後、ホームセンターとスーパーに寄って、いろいろと調達。
ここで買った米は、同じく5Kgで2230円の「あきたこまち」の無洗米。タイ米の7割の値段。
ここでは、民族や貧富によらず、だれでもこの値段で買うのが流儀。
その他、お買い得は「ひがしまるのうどんだし」(6袋パックが100円)を3つ、とか、ソイジョイがひとつ69円の特売のものを14個とか、その他、もろもろ。
カット1500円の美容室を見つけたのだけど、明日の予約は取れず。金曜日の午後になった。歩いて20分以上かかるところだけど、予報は雨。しょうがないか。
(前回、髪を切ったのは10月1日なので、4ヶ月ぶり)
さっそく、タイ米を炊いて昨日のビーフストロガノフを食べる。
炊いている時から部屋中にタイ米のいい香りが満ちる。
あとは、本日も、仕事のマンガ読み。
ねだめカンタービレ、なんちゃって。(あほ)
昨日は、マンションの管理組合総会が朝9時からあって睡眠時間2時間だったので、寝ましたよ、本日は。
めずらしく午前零時前に就寝して、午前10時まで寝ていました。
午前11時過ぎに、まだ外気温は8度。
こういう日はたぶんプールが空いているだろうと、スポーツクラブへ。
30分ほど水中ウォーキング、泳いだのは100mだけ。
帰宅して、大相撲初場所千秋楽。
朝青龍、見事に優勝。よかったよかった。
決まった瞬間の晴れ晴れとした笑顔の可愛いこと。
朝青龍、好きなんだけど、僕としては、それ以上に「朝青龍をバッシングしている人たちのメンタリティが嫌い」なので、そういう人たちを喜ばせたくない、という気持ちが強い。
午前6時過ぎ就寝。
午前8時過ぎ、起床。
午前9時、マンションの管理組合総会。大規模なマンションなので、それはそれ、いろいろと大変なこともある。
帰宅して昼食を摂り、自転車でポタリング。
そういえばタイヤを交換して以来、ほとんど走っていなかった。
黄金町から若葉町、伊勢佐木町の吉野家で牛丼(並:380円)をたべ、中華街のブレンズコーヒーで、仕事。
外気温は急速に下降。
トイレットペーパーの在庫が危険領域まで減っていたので、帰宅後、改めて徒歩でスーパーまで買い物。
夜は、ひきつづき仕事のマンガ読み。
だが、睡眠時間2時間で猛烈に眠いので、珍しく0時前に就寝。
曇っているが暖かい一日。
暖かい日は、歩くか自転車か、あるいはバイクか、迷うところではある。
結局、crosswalker に履き替えて、歩いてベイクォーターのマクドナルドに出勤。
ここは、新しい店舗なので、無線LANも使えるし、「かざすクーポン」も使える。(だからどうってことはないんだけど)
まずは「見せるクーポン」で、ハンバーガー(100円)+マックナゲット(100円)+コーヒー(100円)=300円。
場所的に微妙に僻地であるため、それほど混雑していないところがいい。
隣の人はパナソニック・レッツノート、斜め右の人は、レノボ(IBM)シンクパッドと、仕事で使うマシンが勢揃い。で、仕事をしているのかと思うと、必ずしもそうでもないように見える。(笑)
こちらは iPod touch で音楽を聞きながら、連載のお勉強のマンガを読んでいたのだけど、どうにも昔の人間なので、この歳で、人前でマンガを読んでいるのが恥ずかしい。仕事なんですって、首からプラカードを提げるわけにもいかないし。(て、そんなことしたら余計に恥ずかしいではないか)
電車の中でDSとかPSPとかはどうだろう。なぜかそっちは大丈夫な気がする。
そんなわけで、パソコンでできる仕事に切り替える。(やれやれ、へんな見栄をはると面倒だ)
すぐに暗くなる。光陰如矢。
Time flies like an arrow. というけど、もちろん光は矢なんかよりもずっとずっと速く飛ぶ。時間も同じか。なんて考え始めると相対性理論の世界になるのでそこまで。
朝青龍戦は、携帯電話のワンセグ機能で見た。ほとんど使わないので、ワンセグがあるかどうかは、機種選定の基準にはならないけど、せっかくあるのだから活用しなくちゃね。
夕食は、妻の特製チキンソテーに、僕のキャベツと人参とベーコンのチリ味のスープ。外食もそうだけど、自分以外の人の作る料理はおいしい。毎日料理しているから自分の味に飽きているんだな。
資料本のマンガをガンガン読む。面白い。
しかし、マンガと小説の決定的な表現方法の違いから、マンガの手法がそのままでは使えないこともすぐにわかってきた。
しかし、ストーリーの展開のリズムを身につけたいところだ。