日: 2007年11月4日

猛獣。近寄るな危険  不機嫌な目覚め

 頭が朝まで小説モードなので、ヨットもおやすみ。
 ところが寝ていたら母親から電話。携帯電話の充電ができなくなって「電池交換」のアラームが出ているのだと。
 すでに4年6ヶ月経過している機種なので、電池も寿命。
 それはいいのだが、だからって、寝ているところにかけてくる緊急事態じゃないだろ。
「今日はヨットにいっていると思って」
 そう思うのになんで家にかけてくるわけ?
(ようするにどんな内容にせよ、エラーメッセージがでるとパニックを起こしてしまうわけだ)
「**さん(妻の名)は起きていると思って」
 どういう根拠で起きていると思うのか。妻も朝4時まで仕事をしていて、寝たのは朝になってからだ。
「ずいぶんかけないように遠慮しているのよ」
 10回遠慮すれば1回くらいは無遠慮なことをしてもいいとか、そういうものじゃないだろう。
 何百回遠慮しても、それはたった一度の無遠慮でぶちこわしになる。
 すべきことは遠慮ではなく、相手の状況を正確に判断することだ。日曜の朝10時に、夜型の息子の家に電話したら何が起きるか、大人なら判断がつく。
「世間の常識なら起きている時間だし……」
 あんたが相手にしているのは世間ではなく、世の中でたった一人の自分の長男なのだ。世間の常識を基準にするのが間違っている。世間で1億人が起きていても、たったひとりあなたの息子が寝ていればそれはアウトなのだ。
「メールはしたんだけど」
 メールしたのなら、読めばその時点で返事をするさ。そのためのメールだ。返事がないということは、寝ているとか運転中だとかヨットで海へ出ているとか死んでしまったとか、どういう理由にせよ、あなたの相手ができない状況だということだ。そういうときに電話しても何も解決しない。何かのじゃまをして息子に怒鳴られるのが関の山だ。
 こと、携帯電話の電池のことのように実務的な問題であればなおさら、メールで解決しないのに電話で解決することはほとんど期待できない。
 そんなこんなできわめて不機嫌に一日が始まる。
 まあ、母親も執筆モードの息子に電話してしまったのは、本人の判断ミスとはいえ、運が悪かった。
 小説を書いているときには、他人への配慮とか、そういうことはいっさいしない。イヤナヤツだヒドイヤツだと思われようと、そんなことより、ワガママを通すことにしている。「いい人」であることはなにかしら自分を抑圧することなので、「いい人」であることをやめて、いわば社会的人格を崩壊させている状態だ。
 猛獣。近寄るな危険。
 あとは、そのまま引きこもって、小説。