月別: 2009年5月

珍しい職業

 久々にヨット。
 天候が崩れるという予報だったが、風も適度にあり、実際は絶好のヨット日和。
 セーリングを終えてもどったハーバーで珍しい職業の人にあった。
 女流棋士(囲碁の方)。
 小説家もそれほどは多くないけれど、僕の周りにはゴロゴロいる。(て、当たり前か)
 プロ棋士は相当に少ない。プロの基準が小説家よりも明確だし。
 一流の人はいい顔をしている。自分の顔。
 早めに帰宅し、すぐに自転車でスタジオへ。
 午後6時から、近隣のスタジオにて「劇団山縣家」の公演「ちゃぶ台カフェライブ」を見る。芝居を見るのは何年かぶりのような気がする。
 毎日、充実している。

読書の日again

 新津きよみさんの 「ひとり」、読了。
 独特のクセのある文章。きらいじゃない。
 サスペンスの運びについては、「なるほどこう来たか」と。
 都橋の某飲み屋Hのママ、来訪。
 飲み友だちがお買上げの『フェイク・ゲーム』にサインして欲しいとの伝令でした。
 横浜橋商店街に立ち寄っておかずを買って帰る。

読書という贅沢

 スタジオにて、読書。
 読んでいるのは新津きよみ『ひとり』(角川ホラー文庫)。
 だいぶ前に、作者ご本人から贈って戴いたもの。書くのが忙しいと、本、とりわけ小説が読めない。
 座椅子に座って音楽を聴きながらひとりのスタジオで本を読む。
 幸福な時間。
 出てくるときは雨だったのでバスだったが、帰宅時は歩き。

映画「すべては海になる」

 友人の山田あかねさんの原作脚本監督の映画が発表になりました。
      「すべては海になる」
         佐藤江梨子 柳楽優弥 ダブル主演
         2010年新春 新宿バルト9・梅田ブルク7 他全国ロードショー
 
 実はこの映画に『フェイク・ゲーム』を立ち読みしている書店の客として(笑)、僕も登場します。
 4月に空調の切れた深夜の書店で冬のコートを着ての撮影は暑かった。
 公開はまだ少し先ですが、いまのうちに原作を読むのもお薦め。(いい小説です)
 当日は、撮影のあいまに、山田監督に主演女優の佐藤江梨子さんを紹介してもらって、『D列車でいこう』をプレゼントしたのでありました。

髪を切る

 髪を切りに行く。横浜駅東口の美容室。
 いつもなら歩いて行く距離。けれども、問題は今日は雨。傘はある。
 この美容室は3回目。初めて違う美容師さん。
 ちょっとハサミに勢いがない。不得手なオーダーだったみたい。
 でも、シャンプーはいつもの人より丁寧で上手かな。
 終わったあと、妻と待ち合わせて、そごうの食堂街でランチ。
 メガネの新調につきあう代わりに、向こうの奢りだ。(笑)
 フレームが決まり、検眼に入ったところで、僕は京急で黄金町のスタジオへ。
 本日も事務的なことをコツコツ、コツコツ。
 帰りもまだ雨なのでバスで帰宅。
 夕食後は、そろそろ創作モードに復帰する準備がてら、ビデオで映画「涙そうそう」を観る。
 実は、次に予定されている長編は沖縄が舞台になるので、そのビルドアップも兼ねている。
 僕がよく知っている場所がものすごくたくさん出て来ていました。
 ここに写っている店、もうなくなってしまったんだよなあ、などと小さな感傷にひたったりして。(笑)
 

黄金町の仲間たち

黄金町エリアに入居中のアーティスト
Artists in Town

  このエリアで一緒に活動している仲間です

平穏な1日

 まず家で洗濯。
 スタジオに出てきて、6月に開催するイベントの準備作業。
 10人ほどの作家/詩人/翻訳家/マンガ家/科学者が参加してくれるので、広報活動もしっかりやらなくては。
 遅い昼食に横浜橋の「酔来軒」に行ったのだけど、あえなく「準備中」。
 前回、行ったときは定休日。なかなかこの店で食事を摂ることができない。
 淡々と各種事務的なことを積み重ねていく。
 幸い雨が上がっているので、改めて横浜橋商店街に行き、夕食の買い物。
 午後7時30分のサッカー「日本xチリ」になんとか間に合った。
 原稿を書かないと、体感的にはほとんど疲れない。
(ま、そんなことはないはずなんですが)

推理作家協会賞のパーティ

 銀行でお金を降ろして午後2時過ぎにスタジオ。
 午後3時からは黄金町エリアマネージメントセンターの連絡会。つまり、この地区の施設に入居しているアーチストの月に一度の会議。
 始まる直前に、電話の着信に気づく。
 いない間に友人が訪ねてきて、近くの喫茶店にいるらしい。
 会議が終わるまで待っていてもらうことにする。
 3時半過ぎ、近くで待っていた友人がスタジオにやってくる。なんとびっくり女性同伴……と思ったら、15年くらい会っていなかった会社員時代の仲間。
 サボテンだのプリザーブドフラワーだのエノテカのワインだの、事務所開所祝いとして頂戴する。ありがとうございます。さっそく飾らせてもらいました。ワインは自宅で飲ませていただきます。
 午後5時には都内に向かわなくてはならなかったので、それまで1時間あまり歓談。旧交ってやつだ。楽しかった。
 なんだかんだで、予定のことはさっぱりできなかったけど、まあ、人生だからそんなもんだ。
 二人を送り出し、午後5時過ぎ、黄金町から京浜急行で新橋に向かう。
 第一ホテルにて、推理作家協会賞贈呈式パーティ。
 ふだんはほとんど食べ物を摂らないのだけど、知り合いがいつもより少なかったので、途中、摂食モードに切り換え、刺身、寿司、ステーキ、その他、デザートまで、そこそこ食べる。
 食べてみると、けっこう美味しいではないか。(笑)
 書評家のYさんを見つけたので話しかけると、すでに『フェイク・ゲーム』を読んで戴いていた。ありがとうございます。
 貴重な感想なども聞けました。内容は内緒。
 あとは、いつものように知り合いの編集者や、ソフトボール仲間たちと、雑談。
 宴たけなわの頃、角川書店の編集者Tさんから、二次会のお誘い。
 今回の受賞者のうち、柳広司さんと曽根圭介さんが、角川からの受賞ということで、銀座に宴席が設けられているという。
 受賞のお二方を直接存じ上げなかったので、行っていいものか迷ったけれど、せっかくのお誘いなのでお邪魔することにした。
 今回は受賞者が多く、近隣4箇所で、それぞれの宴席が開かれているらしい。
 二次会が始まると、なんと司会の編集T氏から、マイクでひとこと言えと。
 柳さん曽根さんには壇上の高いところからの初対面の挨拶となる。恐縮至極。おめでとうございます。
 一方、スピーチを仰せつかったおかげで、僕の顔と名前が一致していなかったであろう編集者の何人かと話す機会ができた。Tさんの配慮のおかげである。
 文芸の世界は、編集者同士が仲良しで、業界全体で作家を育てるという伝統になっている。なので、角川書店のパーティにも他の出版社の編集者もふつうに参加している。
 やがて、近隣の別会場をこなしてきた協会の重鎮たちが会場に現れる。
 新しく理事長になった東野圭吾さん、逢坂剛さん、石田衣良さん、などなど、次々にスピーチ。
 午後10時をまわったところで、こちらはそろそろ辞去。
 2日連続の東京だったが、いや、なんともめまぐるしい一日だった。

築地で鰻

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 家の大掃除、ごく一部(笑)。
 午後2時のバスで黄金町のスタジオへ。
 スタジオBでは、劇団山縣家が公開稽古をしている。
 元劇団員としては、発声のしっかりした張りつめた声を聞くのが懐かしい。
 午後5時前、黄金町駅から築地へ向かう。
 S出版社のご接待で老舗鰻店Mにてごちそうになる。毒入り餃子事件以来、スーパーで中国産の鰻をかうのがせいぜいの阿川家では、鰻はすっかりご無沙汰なのでした。だからというのではなく、ほんとに美味。
 次は銀座の新潟系和食のお店で酒。
 鰻でいっぱいの腹にもう食べ物は入らない。
 午後10時過ぎ、編集者と別れてひとり地下鉄で新宿三丁目。歌舞伎町の本を書いていて、歌舞伎町にこないわけにはいかない。(笑)
 久しぶりにゴールデン街のA店で終電まで過ごす。ゴールデン街に来ていながら、ハシゴもせず朝までいることもなく、終電で帰ってしまうのは、ちょっと文化の破壊(笑)なのだけれど。
 というわけで、羽田空港以外の東京都は、今月はじめてなのでした。
 鰻まで食べてしまったので、いよいよ、次の書き下ろしの執筆にかからねばならぬ。
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贅沢な一日

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 昼の間、黄金町のアーチスト仲間・増田拓史さんの企画したイベント「そうだ、美術館にいこう!」で、横浜美術館へ行きました。
 金氏徹平展です。いわゆる現代アート。
 これがすごくいいんですね。
 楽しい。いつまで見ていても飽きない。
 美術館が全体が不思議の国に成った感じです。
 金氏さんは、三十才。横浜美術館の企画展が個展になったアーチストでは最年少だそうです。
 もう会期はほとんど終わりなんですが、展示場へふらりと出てきては、現場で作品を修正したりしているそうです。
 今日も居ました。
 ちょっとだけ話をしました。
 イベントの方は、参加者が美術館の元館長を含む学芸員たちと、ゆるゆると見て回った後、自分の気に入った作品を決め、あとぜ全員でその場所に言って、参加者がなぜこの作品がいいか、というのを学芸員になったつもりで、解説する、という一種のワークショップでした。
 それぞれいろいろな見方があって、とても新鮮で、たのしかったなあ。
 終わったのが午後四時で、美術館に至近の自宅に戻ってご飯を食べて、それからスタジオに出勤。
 今日は、カフェも休みで、建物全体に誰もいないので、自分の仕事場で大きな音で音楽かけて、こまごまとした用事を済ませています。
 なんだか、贅沢な人生を送っている感じ。
 昨年、本が出なかったし、まだ新刊の印税も連載のギャラも入金していないので、過去20年で一番お金がないのだけど、ものすごく豊かな気持ち。