日: 2009年5月15日

千客万来

 スタジオに着いてパソコンのバックアップをとっていると、窓の外に自転車に乗った人が止まってこっちを見ている。
「あっ」
 野毛の某飲み屋のマスターその人である。
「裏へ回って」と言葉でなく動作で促して、裏口から招き入れる。
 時刻は午後1時だが、昨夜から飲んでいて、まだ寝ていないらしい。もちろん酒臭い。酔っぱらって言っていることが80%くらいしか理解できないんだが(笑)、まあ、色々、人生つらいことがあったりするということで。
 ふつうさあ、カウンターに座った客の方が、マスター相手にそういう話をするんじゃないか、飲み代払って……と思うのだが、まあ、いつも聞き役の彼にとってもそういう「ひととき」が必要なんだろう。
 一時間くらい、人生についてとか、人を楽しませるプロのありかたとか、そんな話をひとくさり。
 コーヒー出して飲み代を取らないばかりか(笑)、つい、スタジオに積み上がっていた新刊「フェイク・ゲーム」を一冊あげちゃったぜ、んったく。
 自転車で帰っていったSさん、ひどくふらふらしていたけど、無事だっただろうか。
 ランチに出ようとして、携帯電話を家に忘れてきたことに気づく。
 重要な連絡はメールが基本なので、ふつうなら気にしないところだけど、ちょうどこの時期、毎日連載中なので、電話が入る可能性があり、自転車で家に取りに帰り、インスタントラーメンをつくって食べる。
 おかげでランチ代を節約できた。
 スタジオにもどり、しばらくすると、イチゴの差し入れをもって某女性経営者来訪。コーヒーを淹れようとお湯を沸かしていると、またしても窓の外に見知った顔が!
 一昨年、会社を上場した某ベンチャー企業の専務取締役最高技術責任者。
 会社をサボって(じゃなくて休んだので)遊びに来たそうで。
 大小それぞれのビジネスユニットの日本の経営者3人が、阿川のオフィスに遊びに来ていて、おいおい、日本は大丈夫か。(笑)