13日の金曜日。
青山「ブルーノート東京」で、ダイアン・シュアのライブ。
彼女の歌を初めて聴いたのは、20年くらい前、コンコード・ジャスフェスティバル(カリフォルニア)だった。
そのころから、ずっと安定したパフォーマンスを保っている。
当時に比べると、ピアノはずっと進歩してきていて、とっくに弾き語りのレベルを超えて、ジャズピアニストであるといっていい。今日も、ベース、ドラム、ギターに彼女自身のピアノを加えたカルテットで、いい感じだった。
彼女は全盲なのだけど、だれも彼女のことを「盲目の歌手」などとはいわない。だって、目が見えるとか見えないとかは関係ないから。スティービー・ワンダーもそうだけど。
上質の時間が過ごせてシアワセ。
実力はすごいのに、ダイアン・シュアは日本ではそれほど有名ではない。
そのせいか、音楽を名前ではなく「自分自身の耳で聴く人」たちが集まっている感じ。女性一人で来ている人もけっこういて、なんか自立したカッコイイ女性が多かった。
途中の手拍子でも聴衆のレベルがわかる。アフタービートに完璧にみんな揃っていて歯切れがいい。しかも、ドラムがディレイをいれてもシンコペーションしても、手拍子はぴったり安定して刻んでいて、ぶれることがない。音楽をわかっている人だってことだ。
それにしても、表参道の駅からブルーノートまで、10分ほど歩くのが辛かった。途中のドトールでひとやすみ。帰りは渋谷までタクシー。
「本の雑誌」8月号の特集「2007上半期ベスト1」において、阿川大樹の『D列車でいこう』が エンターテインメント・ベスト10 にランキングされました。