月別: 2007年6月

大学のクラス会

 今年も前半が終了してしまった。人生短いなあ。
 午前8時過ぎ、寝る前にバイクの駐車場の更新手続き。
 午後4時から、品川で大学のクラス会。
 頭のいい人ばっかりだし、用語の定義がしっかりしたところから会話ができるので、3時間話をすると、ふつうの6時間分くらいの話ができるので、すごく気持ちがいい。
 使う言葉に曖昧さがないんだよね。
 言葉がもつ意味が人によって違うと、議論はさまざまな誤解すれ違いを解く作業に費やされてしまうのだけど、そうでなければ、本質的な議論だけすることができる。それがすごく気持ちがいいのだ。
 柳沢厚生労働大臣が女性を「産む機械」に例えて問題になったけれど、政策論議で事象をモデル化して考えるときに「機械」に例えることと、人格をもつ女性を機械のように思っていることとは、100%まったく関係ないのだけど、ああいう紛糾が生じてしまう。
 それは、一般の会話と専門的な議論に於ける語彙のもつ意味の拡がりや定義のちがいが原因で、一般の人の前で「機械」といってしまえば、違う意味にとられてしまっても仕方がないという意味で柳沢大臣の発言は不適切だったけれど、それで国会の時間の無駄が起きたのは、その語彙の範囲のちがいをわかっていながら、混乱を煽った人たちのせいだった。どっちが国民のためにマイナスなんだよ、と思うわけだ。
 国会で専門的な用語の使い方ができないのは、議論の効率からすれば不幸だけれど、民主主義というのは最善を求めるシステムではなくて、独裁や暴走に対するリスクヘッジのシステムであることを考えれば、国会では日常で使われる意味で言葉を使わなくてはいけないのもまた当然ということなのだろう。
 というわけで、充実した会話ができたので、1次会で満足して帰る。
 宴会なのに午後9時前に帰宅したら、妻が驚いていた。(笑)

鮎川哲也賞の山口芳宏さんと

 横浜駅近くで、某社編集と書き下ろしの打合せ。
 のち、みなとみらいで、最近、鮎川哲也賞(推理小説の賞のひとつ)を受賞した山口芳宏さんと飲む。
 山口さんは10年以上前からの小説仲間。
 彼の新作アイデアの検証にちょっと情報提供。
 その他、小説の書き方や構造について、小説家の業界話、経済のプランニング、などいろいろと同業でないと話ができないことをたくさん話しているうちに、午後11時半。5時間以上話し込んでいた。

なんとなく休養日

 妻につきあってデパートへ。
 リハビリは休診なので、帰ってからプールへ行くつもりだったけど、なんとなく疲れが出てだらだら休む。
 夜は、執筆でない仕事を少し。

顔が険しい人

 電車の中や町で人とすれ違って、どうしてみんな不機嫌な顔をして歩いているんだろうって思っていた。
 ところが、今日、険しい顔をして歩いている自分ふとに気がついた。
 歩くと脚が痛くなるから、どうしても顔に力が入るのだ。
 みんな不機嫌な顔をしているということは、みんな、心や体にこんな風に苦痛を抱えて生きているのかなあ。よくわからないけど。
 リハビリに行くと少し楽になるけど、リハビリまで歩いていくのが辛いので、自転車を止める場所があるかどうか確かめるために、歩いて整形外科へいって近所を確認。1週間分の薬。
 冷蔵庫がかなり空になっていたので、帰りにスーパーに寄って買い物。
 びんちょうまぐろの大きなサクが出ていたので、夕食は半分使って「びんちょう東丼」。
■「本の雑誌」2007年7月号 p.46-47
   「新刊めったくたガイド」(北上次郎)に『D列車でいこう』登場

推理作家協会賞贈呈式

 夕方から新橋へ。
 第一ホテルで推理作家協会賞贈呈式+パーティ。
 その前に、「本の雑誌」を買おうと思ったら新橋の書店2店とも売り切れ。パーティ参加者が買ってしまったのかも。(笑)
 脚の痛みがかなりひどくて、パーティ会場でスピーチを聴きながらウィスキーの水割りで痛み止めを追加ドーピング(スピーチ長くて贈呈式55分もあった)
 乾杯が終わって少ししたところで徳間のT編集長といっしょに、まず、『D列車でいこう』を読んで「面白かった」といってくれているという書評家のNさんのところに挨拶にいったら、なんだソフトボールをいっしょにやっていて、お互いに顔と名前が一致していなかったと判明。で、ふと横を見れば、なんと、となりに週刊ブックレビューで「おすすめの1冊」に取り上げてくれた吉田伸子さん。
 つぎにはおなじくブックレビューで誉めてくれた逢坂剛さんに挨拶。
「おお、会ったことありましたよねえ」
「ソフトボールご一緒してますから」
 て、やっぱり、顔は知っていても僕が阿川大樹だとは知らないわけだ。(笑)
 新発見は10年くらい前、某女性作家のパーティで名刺交換していた女性編集者が僕の担当編集長の上司だったことが判明。きゃ、知らずに新刊の案内なんかメールしていた。はずかしぃ。(昔の名刺だったので、所属が同じに見えなかった)
 1998年から知っているA出版のBさんが、向こうからやってきて、立ち話。
 最初にBさんに会ったのはサントリーミステリー大賞の候補になっているときに朝日カルチャーセンターで「ミステリーの書き方」みたいな講座を彼がやっていたので参加したのだった。(別にミステリーの書き方を勉強したかったからではなくA出版の編集者にコネを作るために参加したわけで、講師が作家だったら参加しなかった)
 で、その講座で、彼は「僕だったら2作目くらいまで様子を見ますかね」と新人作家とのつきあいかたについて語っていたのをよく覚えている。
 その後、様々な文芸系のパーティでBさんを見かけるたびに、ひとことふたこと会話をしたり年賀状を送ったり、忘れられないようにしつつ、都合10回やそこらは会っている。もちろん著作も全部送っている。
 で、昨晩、ついに彼の方から僕の処にやってきて、「こんど飯でも喰いましょうよ。いつでもいいですから」と耳打ちして去っていった。ほらね、ちゃんと9年前にいったように2作目までようすを見ていたわけだ。
 それとは別に、ブックレビュー放送を知って放映に先だってアクセスしてきたC社のD編集者とも立ち話で、近々、会って話をすることになった。
 そんなこんなで、営業的なことがほぼ片が付いたのが午後8時少し前。
 そこで、久しぶりにパーティでいっしょになった先輩作家のすがやみつるさん(現在早稲田大学の社会人学生で学業が忙しそうなので飲みの誘いを遠慮していた)と、新宿ゴールデン街へ移動。
 バー3軒と途中ラーメン屋1軒。
 久々に、始発まで飲んで、心すっきり。

週刊ブックレビュー

 24日朝の放送は出かけていて見ることができなかったので、帰宅後、深夜の再放送で見た。
 著者近影(笑)と経歴がしばらく映し出されたのは、とってもこそばゆいぞ。
 内容は、司会・藤沢周(作家)、中江有里(女優・脚本家)の2人と伊佐山ひろ子 (女優)、逢坂剛 (作家)、吉田伸子 (書評家)の5人が『D列車でいこう』をよってたかって批評、というか誉めてくれる番組になっておりました。
 ちょっとネタバレもあったけど。(特に逢坂剛さん)
 逢坂剛さんが、小さな不満を口にしたとき、拙著を「おすすめの1冊」に選んでくれた吉田伸子さんが、「そこがいいんじゃないですか」といって反論してくれて、その瞬間に中江有里さんがうんうんとうなずく瞬間をカメラがしっかり切り取っていて、それが番組としてのハイライトシーンかな。
「吉田さんは、面白い本を見つけてくる天才ですね」という逢坂剛さんの開口一番がなかなかいいキャッチコピーになってました。
 朝の放送から不在の間、複数の人が amazon の売上順位をウォッチしてくれていて、それをまとめてエクセルの表に入力して、「週刊ブックレビューによる amazon の反応」という資料ができたので、編集者にメールで送っておく。
 僕はベースが理科系なので、こういうデータを見るのが大好き。
 最高位は25日午前0時20分ごろに記録した63位のようです。
「レイモンド・チャンドラー+村上春樹」という超強力コンビと抜きつ抜かれつのデッドヒートを繰り広げていたようすが、数字としてすごく面白かった。
 いや、チャンドラーといえば、ハードボイルドの金字塔のような作家だし、村上春樹といえば「村上チルドレン」と呼ばれる一群の作家まで産み出した日本文学界の寵児だし、一時的にせよ、そういう作家の本と売上順位で並ぶなんてのは、デビュー2作目のかけだし作家としては、すごいことであります。(まあ、時間と共に水を空けられることは目に見えてはいるけどさ)
 NHK「週刊ブックレビュー」のサイトは こちら

歌手 小林淳子

 午後6時半をまわったところで、「なかの芸能劇場」へ。
 友人の中でもっとも芸術家肌であり(笑)、最年長の女友達(再笑)でもある小林淳子さんのコンサート。
 昨年9月に4年のブランクからライブ活動を再開して、9ヶ月を経て同じユニットで二度目のライブ。淳子さんの音楽はジャンルの定義が難しく、ほとんどの歌のタイトルはシャンソンなのだけれど、バックのベースとピアノは完全にジャズなので、フォーマットはジャズと言っていい。高音の囁きと、太く存在感のある低音が特徴。
 シャンソン歌手のほとんどは様式化ファッション化していて歌がひどく下手なので、淳子さんをシャンソン歌手とは紹介したくない感じなのだ。どうしても何かキーワードで記述するとすれば、シャンソンのナンバーを唄うジャズシンガーとでも言うべきか。
 昨年9月の演奏は、ブランクのあとの迷いや硬さがあったけれど、今回は伸び伸びとステージにいて、バックとの緊張感もあって、すごくいい演奏になっている。
 久々に音楽を聴いて涙が出た。
 60歳を超えているはずなのに、ステージの上で、深く切れたスカートのスリットからのぞく脚からさらにその上を想像したいと思わせるる「女」でいるというもスゴイ。
 休憩を挟んで2時間のステージは、きちんと作り込まれた高い音楽性と瞬時の共鳴による即興性の両輪で支えられていて、ほとんどダレることがなかった。

ハードな1日のはじまり

 NHK BS-2「週刊ブックレビュー」で『D列車でいこう』が取り上げられる日なのだが、番組が始まると同時に家を出て、新横浜のスポーツ医科学センターへ向かう。
 同所会議室にてワールドカップの時のボランティアで組織した団体「よこはま2002」の年次総会、ひきつづいて近所で懇親会。
 午後2時終了後、まず、渋谷へ向かう。
『D列車でいこう』について、途中、メールで amazon で106位まで上がっているという情報が入る。
 ブックファーストへ行って、文芸担当のSさんに「週刊ブックレビュー」放送の件を報告。(この時点で阿川は番組をみていないのだが)
 ありがたいことに、5月に訪ねたときのサイン入りのポップをつけて平積にしてもらっていた。
 中野に午後4時過ぎに到着。
 サンロードの梅本で立ち食い。冷やしかき揚げそば(360円)。おいしいなあ。同じくサンロードの MIYAMA で、休憩。コーヒー(420円)を飲みながら読書。
 総会、懇親会ではカメラマンをしていたので、朝からずっと立ちっぱなし。疲労困憊だった。
 少し元気になったところで、「あおい書店」へ。
 文芸担当の店員さんはおやすみ、ということで、名刺に「週刊ブックレビュー」のことをメモ書きしておいてくる。
 Veloce で、もう一度、休憩。コーヒー170円。

フットサルは問題なし

 久々にフットサル。
 5分も歩くと足が痛くなるのに、1時間半ほどフットサルをするのはまるで平気なのだ。ようするに少しでも前屈みの姿勢ならばなんともない。
 動きが悪いのは、能力の問題だろう。(苦笑)

リハビリ

リハビリへいった。(自分のための記録で失礼)