日: 2009年7月7日

満月の七夕

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 コザ滞在もいよいよ最後である。
 今回は夏の沖縄の町暮らしが取材テーマだった。
 当たり前だけど、やっぱり部隊になる場所にいて書くというのは、とても自然でストレスがない。
(バリ島で暗躍するテロ組織とか、ニューカレドニアのニッケル鉱山開発による自然破壊とか、そんなテーマもいいなあ。これをお読みの編集さん、よろしくご検討ください)
 どうしてもインプット過剰で、書くスピードは出ないけど、どんどん頭の中が濃密になっていく。小説を書いていて楽しい時間はいくつかあるけれど、このような時間もそう。(たいていの時間は楽しいというより辛いですけど)
 滞在している部屋は東向きなので、太陽が昇ってくると、開けている窓から差し込む朝日を顔に受けて目を覚ます。体内時計が強烈にリセットされる瞬間だ。
 で、二度寝。
 本日は午前8時過ぎに起床。
 同室の人が旅立っていったので、また一人に戻った。
 僕の部屋は二段ベッドがふたつなので、最大キャパは4名。土曜日には実際に4人だった。寝る部屋にはほとんど居ないので、特別に荷物が多くない限り、実は個室でも相部屋でもあまり関係ない。
 強烈な太陽が照りつけ、雲がもくもくと空に育っている。
 間もなく帰るのでしなくてもいいのだけど、天気のいい日の洗濯は娯楽として楽しいので、本日も朝一番の楽しみとして洗濯。
 シャツもパンツも二枚あれば毎日洗いざらしを着て生きていけるという南国生活だ。
 干した後は、ウェンディーズへ出て、冷房のあるところで朝食と仕事。
(ウェンディーズバーガーセット 620円 高いなあ!)
 冷房などなくてもじっとしていると過ごせるのだけど、ノートパソコンが発する熱がぎりぎりの限界を超えさせるので、部屋では本は読めても執筆はできない。
 ところで、沖縄の人(特に女性)は、日中、日傘でなく雨傘を差して歩いている。スコールの多い沖縄ではこれは合理的。自由な発想で素敵。
 考えてみれば、そもそも、なんで専用の日傘でなくてはならないのか。
 透明のビニール傘では日傘の用を為さないから沖縄ではペケだ。(笑)
(なぜ、黒いビニールの傘ってないんだろう)
 更にいえば、この地では、雨に濡れてもたいしたことにはならない。太陽光線の方がよっぽど危険。
 いったん家に戻ってから、昼食がてら「オーシャン」へ移動。
 外は灼熱の日差しである。これはスゴイ、強烈至極。
 大きなグラスに入ったコーヒーを飲み干すまで、暑さからリカバリーできなかった。
 カウンターでしばらく原稿を書いて、空腹になったところで「焼き飯」。
 エッセイを書き上げ、午後6時を回ったところで島酒。
 途中、昭和45年のコザ騒動の話など。(NHKーBSで、セイン・カミュがコザ騒動に関して訪れたのが、何を隠そうこの「オーシャン」である、店主のシンガーソングライター・ヤッシーも番組に登場している)
(3点合計で900円)
 家へ戻ると、カレーの匂い。
 今日から新しく宿泊の女性(スリムで豪快な54歳)がカレーを作っていた。
 長期滞在のH君(25歳)とともにご相伴に与る。
 午後9時半、外出。「オーシャン」へ。
 今回の旅行中、夜に行くのは初めて。
 純文学を書いているTさんが飲んでいて、小説とか戯曲の話とか。
(沖縄は芥川賞作家をたくさん生んでいる純文学の国である)
 午後11時、「SHUN」へ。
 客はだれもいなくて、マスターが一人でギターを弾いていた。
 この店はライブバーではなく、ただの飲み屋だが、ギターが6本、ドラムが1セットある。
 コザではこういう店は珍しくない。実はこの日記に出てくる「リンリン」にも「オーシャン」にもPA装置が完備されていて楽器もある。
 そこで、突発的にプロアマ入り交じってセッションが始まったりする。
 僕もちょっと弾く。
 午前1時過ぎ、帰宅。
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