昨日、エンジンのかからなくなったバイク。
(あ、まだお読みでない方は、昨日の日記を先にお読みください)
どこのバイク屋に出せばいいか。どうせなら近くに信頼できる店をつくっておきたい。
なんて、考えながらいくつか候補を調べて今日自転車で店の前まで行こうと、ネットで下調べをして、雨がふったりやんだりのタイミングを計っていた。
そういうときに閃きがやってくるのだ。
昨日の情景。
走り出してまもなく、信号からの発進でエンスト。
ちょっとアイドリングが低いかな。
次の信号で停止して、アイドリング調整のスクリューを回しているときに青になって、後ろに車がいたのであわてて走り出さなくては、と思ってふたたびエンスト。
そのときに始動ボタンをなぜか右手でなくとっさに左手で操作した。
その時の数秒間のことが克明に目に浮かんだのだ。
そのあと、まるでエンジンがかかる気配が絶えてしまったというのが昨日の顛末。
始動ボタンを左手で操作するのはすごく困難なはず。だって、アクセルを握った右手の親指の位置にあるのだから。
いつもとちがってエンジンがかからない。操作の上でいつもとがうのはこの左手だ。もしかしたらエンジンがかからない原因はこの左手にあるかもしれない。
それにあまりにもエンジンが無反応すぎる気がした。
自分の閃きを確かめるために、三度、バイクを止めてある場所まで行ってきた。
いつものように愛車の左側に立つ。
ハンドルに目を落とした瞬間、ああこれでエンジンがかかると確信し安堵した。
わくわくした気分でエンジンキーを挿し、チョークレバーを引く。
いつもより手順一つだけ長い儀式。
始動スイッチを押す前に、ちかくの赤いスイッチを押した。
そこでスターターを押すと、何ごともなかったようにエンジンは始動した。
そうなのだ。
バイクはどこも故障していなかった。完璧に機能している。
緊急エンジン停止スイッチ(キルスイッチ)が正しく機能して、エンジンがかからなくなっていたのだった。おれの左手がおれに内緒で彼に命令したとおりに。
まるでアホや。
バイク屋に行って、レッカーの軽トラックが来てから気づいたら大恥を書くところだった。
同じことが30年くらい前、Honda Wing GL-400 に乗っていたときに一度だけあった。ツーリングの途中で休憩からもどってきたらエンジンがうんともすんともいわなくなっていた。
三〇分以上、あれこれチェックして、最後にキルスイッチに気づいた。
駐車中にだれかが悪戯して押してあったのだった。
そのときのことがふと閃き、それから昨日のことを詳細に思い出してみようと思ったのだ。
ちゃん、ちゃん。
というわけで、改めて雨の合間を縫って、駐車場に入れに行きました。
その後まもなく、雷鳴轟き、集中豪雨。