楽しいことを不謹慎だというのはやめよう。
辛いときこそ、楽しいことが大切だ。
肉体と心のどちらも大事。
普通に暮らす。自粛はしない。
基本的な経済が小さくなってしまっては復興のための経済力を失う。
被害を受けていない人は今まで通りに暮らし、今まで通りにお金を使おう。
それが被災者を救うことになる。
批判は後にしよう。
防災体制、行政の対応、政府の責任、そもそもの原発の是非、いろいろ言いたいことはあるだろう。
でも、そういうことはいまは後回しでいい。
大事なことは、人の命を救うこと、助かった人が少しでも心安らかに暮らせること。
安全なところにいる人は、そのために何ができるか、それを考えよう。
犯人捜しをしても、人を助けることはできない。
午後2時過ぎ、地震。
かなり強い。体験したことのない揺れ。そして長い。
途中で強くなるのか弱くなるのか判断に迷う。
スタジオは京浜急行の高架下である。崩れたらひとたまりもない。
机の下に潜ろうと思ったが IKEA の安物の机にそれほど強度があるとは思えないので、コンクリートの柱(鉄道高架の柱そのものが部屋の中に露出している)に身を寄せる。
これで崩れても人間一人分の空間が残るのではないかと。
(そこから助け出してもらえるかどうかはまた別の話だが。)
窓の外では電柱がしなっている。
揺れが収まってすぐに twitter につなぐ。
通常、テレビより twitter の方が情報が早い。
(そもそもスタジオではテレビはないしワンセグも映らない)
震度5強。
外へ出ると大岡川の水がたっぷんたっぷんと揺れている。
満潮は夜9時。
津波警報が出ている。
東北で震度7の報告。
最初M7.9、やがて、8.4、最終的にM8.8に修正される。
(その後、さらにM9に修正)
明らかに大変なことが起きているが、なかなか情報は入ってこない。
家は高層マンションなので、大きな揺れになる可能性がある。
(制震構造なので通常はむしろあまり揺れないのだけど)
電話は通じない。
虫の知らせで自転車で出勤していたので、すぐさま帰宅する。
みなとみらいにはビルから地上へ避難してきた会社員風の人たちで溢れている。
マンションのエレベータはもちろん動いていない。
1階のロビーに人が沢山いる。
一般居住用のマンションのエレベータの復旧順位は低い。待っていれば動くというものではない。
こちらはさっさと非常階段を登る。
自宅に着くと、まったく被害はなかった。
テレビを見ると、東北のどこかの町に津波が押し寄せているようすが、ヘリコプターからの映像で生中継されている。
陸の上を漁船が流れている。見る間に車が飲み込まれていく。
道路の上を走る車の行く先にも津波が迫っていく。
人が死ぬ瞬間を、しかも、次々と死ぬ瞬間を、生で見た。
前日は休んでしまった接骨院に行く都合もあり、パソコンを点けっぱなしにしてきたこともあり、もういちど黄金町の仕事場に向かう。
夕方、だが、すでに帰宅を始めている人が多い。
町が異様な雰囲気だ。
黄金町に戻った後、一息ついて、整骨院へ。
整骨院の人も交通がなくて帰宅できないので診療所に泊まるという。
午後9時過ぎ、スタジオを出て帰宅。
主な道路は大渋滞。
桜木町の駅ではタクシー乗り場に長蛇の列。
待っていればタクシーが来るというわけではない。そもそも道路が麻痺している。
大方の人は自宅まで20-30km程度だと思うけど、タクシーに2時間待つくらいなら歩いてしまえばいいのに、と思う。
都内から横浜まで、タクシー代がもったいないので歩いて帰って来たことは何度もあるが、けっこう楽しいよ。
たぶん、電車で移動する距離は歩けないと頭の中で決めつけているんじゃないだろうか。
ゲラをチェックしなければならないのだけど、テレビを見ているとまるで仕事が手に着かない。
昨日、出版社から3月2日付けの重版通知が到着。
「D列車でいこう」(徳間文庫)は、おかげさまで5刷になりました。
読者の皆様、書店の皆様、ありがとうございます。
午前中、新刊のゲラが届くのを自宅で待機。
ゲラを持って散歩がてら山下町の横浜中税務署まで、確定申告の書類を持参。
ランチは、中華街入り口前のカフェ・ラ・ボエーム。
料理を待っている間にゲラをめくっていたところに編集者から電話。
新刊のタイトルについて。
「30分だけ時間ください」
少し話してから考える時間をもらう。
オードブル3品、サラダ、ドリンクバーがついて、カルボナーラが980円。
パスタは量もしっかりあって大満足。
西洋料理にしてはオードブルが塩分高めかな。
サーバーがオードブルとサラダを先にもってくるのを忘れて、パスタが来てから慌ててもってきたのはあまり気にならなかった。
空間的にゆったりしていたからだと思う。
食事の後は、タイトルについて決心をするため山下公園へ。
いい天気だなあ。
ベンチに座って編集者に電話してタイトルを決める。
そこからたっぷり歩いて、黄金町のスタジオへ出勤。
ゲラ読みの合間に整骨院。
だらだらやっていたら午後11時を過ぎてしまった。
野毛三陽にて、餃子とビール。
いままで興味がなかったので、顔なんて見なかったけど、知らぬ間に替わっていた中国人のアルバイトの女の子がずいぶん美しいではないか。
色白で、若い頃のあべ静江さんみたい。
目覚めるとものすごい勢いで雪が降っている。
確定申告の書類を税務署へもっていこうと思っていた予定はさっさとキャンセル。
午後、雪も止んだのでスタジオへ出る。
主な目的は、整骨院へ行くこと。(笑)
肩の調子は少しずつよくなっている感じ。
右手は一進一退かな。仕事をしないと楽だけど。
夕方、母親から電話で居間の電気がつかなくなったと。
ようすを聞くところでは器具が壊れているようす。
家に余っている器具を妻に確認してもらい、車で拾ってもらって母の家へ。
思った通り、器具が断線していた模様。
スーパー文化堂へ立ち寄って食料品を買い自宅で夕食。
(写真は本文とは関係ありません)
土曜日で整骨院が午後2時までなので、自転車で出勤。
午後1時、整骨院。やっぱり混んでる。
昼食は真金町「いちばん」でマグロぶつ定食。550円はお買い得。
見かけは乱雑だが、内容充実。
マグロぶつ切りに、ほぼ同量のツナの和え物、茶碗蒸しがついて、お椀はワタリガニの味噌汁。おかずが充実しているのでごはん全部食べちまったぜ。
名刺読み取りソフトを試しているところに、徳間書店の営業のKさんが家族とサイクリング姿で窓の外に。
Kさんファミリー4名さま、紅茶で簡単なおもてなし。
Kさんとは昨晩、徳間のパーティで会ったばかりだけど、奥さまとは初めて。もちろん、お子さん二人も。
Kさんを見送った後は、7月の黄金町落語会についてプロデューサーの室津文枝さんと会場の「試聴室その2」の根津さんと打合せ。
いったん散会して、後片付けをして、室津さんのアトリエで、今日届いたばかりの織機を見せてもらう。
室津さんは糸を手で紡ぐところから初めて布を織る文字通りの「織姫」。
ウォルナットで精巧に作られた手織機は、とても美しく、根気のいる繰り返し作業が苦手な僕でさえ、布を織ってみようと思わせられるオーラをもっている。
その後、日ノ出町へ出て、羊肉串「京味居」へ。
羊料理の専門店だが、うまい、安い。
次はすぐ隣のジャズ喫茶「リンデン」へ。
これがまたウルトラ昭和な空間なのだった。
(ちなみに室津さんは、野毛の超有名ジャズバー「ダウンビート」の従業員だったことのあるジャズおたくで落語おたく)
スープだけ飲んで出勤。
パソコンでバッチ処理を動かしてから整骨院へ。
低周波治療のちマッサージ。
筋肉がほぐれてきている実感はあるが、痛いものはあいかわらず痛い。
昼食は横浜橋商店街の裏、真金町の三河屋食堂で、煮魚定食(子持ちガレイ)800円。
カウンターで日雇い労働者の人たち4人の会話を聞く。
マイクロバスで連れて行かれて一日四千円。
帰りは最寄り駅までバスで、そこからの交通費は支給されない。
「文句があるなら事務所へ来い」と言われた。
という話。不景気は厳しい。
でも、経常利益でいうと日給四千円でも小説家よりは割がいい。
決算書を国税庁の画面で打ち込む。
申告用紙作成完了。プリントアウトして提出するだけ。
これで、月曜にゲラが出てくるまで2日半、自由の身だ。
午後4時前、帰宅。
すぐに着替えて、都内へ。
午後6時、東京會舘で徳間書店主催の「大藪春彦賞、日本SF大賞 贈賞式とパーティ」。
お世話になっている徳間の人に何人か会って挨拶。
推理作家協会の事務局の人に会って、ソフトボール同好会の帽子のお金を払う。
料理がなかなか美味しいので、そこそこホッピング。
ローストビーフよりオムレツが美味しいと人気があって列が長い。
空いてきたので並んでみようと思ったら、フロア担当の人がオムレツをもってきてくれた。ラッキー。
自分が直木賞を取ったときの東京會舘のパーティでは食べられないから今のうちにね。(笑)
午後8時にお開きになり、すがやさんと恒例の新宿ゴールデン街へ。
終電より少し早く店を出る。
ひな祭り。と書いても意味のある言葉にならないなあ。
それらしいことをしているわけでなし。
夕方、再び、整骨院へ。
低周波治療、のち、マッサージ。
前日より柔らかくなっているとのこと。
午後11時、決算書ができた。
野毛の新上海で蒸し鶏とビール。
本日のテーマは、整骨院へ行くこと。
昨年11月にオートバイの転倒で痛めた左肩の痛みがいつまでも取れない。
仕事のせいか、右の手首が腱鞘炎で痛い。右手ではフライパンや鍋やノートパソコンがもてない。
折れた3本の肋骨はいまではなんでもないけど、関節はやはり治りが遅い。
仕事場から近い整骨院が柔道整復師がやっているところで健康保険がきく。
海外の要人が黄金町を訪ねてきて、その対応を少し。
行ってみると、7台のベッドが満床で3人ほど待っている人がいる。
明るく活気のあるところ。
問診票を書いて、初診の会話。
肩と腕のマッサージ、低周波治療、キネシオテーピング。
楽になったが、確定申告の伝票を打ち込んでいるとすぐに手首が痛くなる。
仕事はしなくてはならないので、一方的に悪くしないで回復のフェーズを入れることは重要だ。