日: 2010年6月28日

本日も気力なし

 蒸し暑い。
 徒歩通勤は身体に悪いと諦めて、自転車でスタジオへ。
 午後3時過ぎ、アーロンチェアが引き取られていく。
 この椅子は、我が仕事場にあるもので、もっとも高価なもの。
 小説家デビュー前から12年間使っている。(買いに行ったのが1998年の6月)
 この椅子は、たとえ一日20時間座っていても、少なくとも「お尻が痛くなる」ことはない。
 
 それがついに壊れて、可動部分が動かなくなったので、修理に出すことにしたのだ。
 ちなみに、いま買うと12年間の保証がついているのだけど、僕が買った12年前は、もっと保証期間が短かったので、今回の修理は有償。
 修理代だけで連載小説の1回分の原稿料が飛んでしまうけどやむを得ない。
 さて、椅子がなくなってしまうと実は仕事にならない。
 いきなり開店休業。
 となると、先週あたりからの無気力がついに、本物の無気力になって牙を剥いてきた。
 無気力は小説家にとってたぶん「最大の敵」なので、「牙を剥く」という表現でいいのだ。だれが何と言おうと。
 部屋でコーヒーを淹れる気力も湧かず、Lcamp へ行って、コーヒーを頼む。
 ちょうどアーチストのさかもとゆりさんがいて、店の中島君と3人で、「自分たちがどれほど無気力か」を語り合う。(笑)
 薄暗くなってスタジオに帰る。
 そこからは、椅子がなくてもできることのひとつである、ギターの弦の交換をする。プリアンプの電池も交換する。
 その勢いで、アンプにつないで弾いてみる。
 大きな音を出すと、自分にフィードバックがかかって、魂が活動してくる。
 午後9時前、ギターを弾いたら少し気力がもどったので、帰宅。
 午後11時過ぎ、スターバックスへ仕事に出る。
 午前0時半、美人が店内をゆっくり行き来する。
 まるで女優のように、「みんな、なんでわたしを見ないの?」という空気を纏いながら。
 人間って面白いなあ。