月別: 2008年11月

新宿でOB/OG会

 午前11時目覚めた。
 午後1時に新宿で会合がある。
 インターネットで調べると12時ちょうどに最寄り駅で乗ればいい。
 これから中華料理の宴会なので朝食は省いて、ゆっくりシャワーを浴びて出ればいい。
 予定通り11時50分に家を出た……つもりだった。
「いってらっしゃい、時間は大丈夫?」
「12時ちょうどの電車に乗ればいい」
「え? 1時でしょ」
 ……。
 腕時計を見るとまもなく1時である。宴会の開始時間も1時。
 とにかく駅へ急ぐ。
 ラッキー! エスカレータを降りると、ちょうど電車が入ってくる。
 横浜駅で湘南新宿ラインに乗換だ。ホームに上がると、ちょうど電車が入ってくる。またしてもラッキー!
 しかし、問題がある。あまりにもスムーズに電車に乗れてしまった。1時間ほど遅刻することを参加者に伝えたいのだが、電車に乗っているので電話ができない。わかっているのは電話番号だけで相手の携帯アドレスは不明。
 席を立ってドアの辺りで小声で電話しようかな、と思うと車掌のアナウンス。
「社内では携帯電話をマナーモードに切り換え、通話はご遠慮ください」
 おっとっと、機先を制されてしまったぜ。
 そのまま遅刻時間を時々刻々更新しながら電車は走る。
(呼び出し音がうるさいというのはわかるが、電車の車内で隣同士喋るのはよくて同じ声の大きさでも電話で喋るのが迷惑だ、という理屈がわからない。僕にとっては携帯電話の会話より、オバサンたちの車内の会話のほうがよっぽど迷惑だけどなあ)
 新宿駅到着1時37分。
 ホームに降りてやっと電話。
 町に出ると、僕が走るために道路に交通規制が敷かれている……わけではなく歩行者天国だった。
 歩行者天国も珍しくないからか、多くの人は歩道を歩いている。僕は車道を野口みずきのように走って会場に駆けつけようと思ったけれど、まあ、ちょっと早足の時速6.5kmくらいで、会場に到着。
 というわけで、本日は、高校演劇部のOB/OG会である。
 何十年ぶりだろう。
 昨日も法事で中華だったので、中華二連チャンだが、中華料理は好物なので毎日でもかまわない。心配なのは体脂肪とサイフだけ(笑)。
 演劇部の会合なので、女優さんもいれば映画監督もいる。もちろんふつうの職業の人もいる。卒業年度で昭和47年から平成7年と、上下の幅は広いが僕より少し下の学年が中心。
 一緒に芝居を作ったというのは皆にとってかなり強烈な共同体験なので、当時の話になると、みな眼がきらきらする。
 4時半に1次会終了。
 なかなか二次会の場所が開いていないが、幸いほどなく居場所が見つかる。
 ちなみに、現在時刻を間違えていた理由は、目覚まし時計の時刻が50分遅れていたこと。
 午前11時に起きたつもりが、実際は11時50分だったらしい。その時点で5分で家を飛び出さないと間に合わなかったのだ。
 起きた時間が11時だと思いこんでいるから、その先、「時」のところには目が行かず「分」のところだけを見て出かける準備をしていた。
 でも、自己紹介タイムに間に合ったので大過なし。
 そう、料理も十分残っていたしね。(笑)

法事

 午前9時半から、鶴見の総持寺で法事。
 伯父、叔父、祖母の一周忌、三回忌、17回忌。
 鳴り物を含め、僧侶13名の儀式が2回、お墓の前で点眼式(改装したお墓を validate する宗教上の手続き)と供養。
 12時半から、鶴見駅前の中華料理店で会食。
 明日も、中華で飲む予定。
 28日から12月3日まで6日連続、怒濤の飲み食いが始まる。

花園神社の見世物小屋

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 新宿花園神社の三の酉。
 いつもの屋台で焼き物を突っつきながら燗酒を飲んで下地ができたところで、トイレをすませて「見せ物小屋」。
 お代は見てのお帰り800円。
 入ると、坊主頭に「せんとくん」みたいに鹿の角を生やした男性が、いろいろな芸をしている。
 手品だったり、火のついた蝋燭を口に入れたり、細いチェーンを鼻の穴から入れて口から出して、その先にバケツをぶら下げたり。
 むかし土居まさるのいテレビジョッキーで白いギターをもらうためにシロウトがやっていた、ちょっとイタイ芸である。
 何かひとつやるたびに左から右へ「詰めてください」と客を動かす。
 入口から出口への一方通行を促すわけだ。
「ちゃんと20分に一回は蛇女必ず出ますから、騙されたと怒らないでくださいね」
 いうまでもなく、ここのハイライトは生きた蛇を食べる「蛇女」。
 それの間をつなぐのが、「珍しくて古い芸」をする男性芸人「珍古(ちんこ)くん」
 人体の縦切り標本が出てきたのも、たしかに珍しくて古い。
 いよいよ、蛇女「小雪さん」の登場。
 山口小夜子みたいなおかっぱ頭。赤い着物。年齢は28歳(後の調査による)。
「こういうところはだいたい家族でやっているんですが、小雪さん、家族じゃなくて若い人が入ってくれました。小雪さんがやめたら、この見せ物小屋はもうなくなってしまうんです」と珍古くんのMCが入る。
 たしかに庶民的な伝統文化(?)だよ、無くなって欲しくはない、と思わせる。
 小雪さん、まず、手始めにロウソクを使って前に火を噴く芸。ゴジラみたいなもん。
(僕の知り合いにもこの芸をやる人います)
 で、いよいよ蛇を食べるのだけど、小振りのアオダイショウ。
「すみません、これ一匹5000円もするんで、さっき頭を食べてしまったんですが、未だ動いているやつでやらせてください」
 と珍古くんがいう。
 貧乏くさいのもまあこの小屋の個性である。(笑)
 たしかに、本物のようではあり、小雪さんは、それを頭の方から食べる。
 細い骨が砕ける音がするところが地味目のハイライト。
 小雪さんは、その間も、ずっと表情を変えない。
 惚れた女の職業が花園神社の蛇女だったら切ないよな、なんて気がする。全体に漂っているイタイ空気がなんともいえず場末のストリップみたいな感じで、珍古くんはいわばストリップ小屋でコントをやっているビートたけしといった役どころなのである。
 小雪さんはひっこみ「河童のミイラ」が見せられたところで、出口に近づく。出口に年配の女性が二人いて、木戸銭800円を払って外へ出た。
 祭のあいだじゅう、珍古くんは1時間に3回、鼻の穴にチェーンを通し、小雪さんは蛇の骨をこりこりと砕きながら食べ続けるのだ。

酉の市

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 花園神社の酉の市。三の酉に再出陣。
 花園神社の三の酉といえば寒いに決まっている。縁日を見て回ってお参りするのではなく、ここのお酉さまは、「屋台で酒を飲む」のが楽しみ方。つまり、冬空の下、野外で呑むわけなのだ。
 が、本日、さいわい暖かい夜ではないか。
 楽しみ方のコツは、まず先に「お清め」つまりお参りは後回しにして先に呑むこと。でないと遅くなるほど込んで席が無くなる。(笑)
 みんなそれぞれ行く店が決まっている。店の名前は知らないが、場所は決まっているのである。
 というわけで、お気に入りの店でお清め開始だ。(笑)
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 海老やアユなどを焼いている。でも、焼き方がいい加減でしかも値段は結構高い。ちなみに、この海老1200円。
 なので、こういうのは見て楽しむだけで、厚揚げとかエリンギとか薩摩揚げとか、そういうのを食べながら呑む。
 ここの燗酒は200mlのカップ酒をそのまま温めているので、こちらは良心的だ。(ふつうの飲み屋は清酒一合といいつつ、肉厚で小振りなとっくりに7酌も入っているかいないかだったりするし)
 場所が場所だから、そうそう長居はできない。
 体が温まったところで、いよいよお参り。
 いつも、お願いすることは「それぞれの人が自分らしく生きられますように」。
 ちょっと手抜きだけれど、結局、人生はそれに尽きる。
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「ベルク」は新宿文化

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 二日続けてプール。
 昨日より明らかに楽。体は正直だ。
 ただし、疲れは残っているので控えめに。
 空いていて自分のペースで泳げたので、200m一本。
 夕方から新宿へ出かける。
 とりあえず駅構内(ルミネエスト)の「ベルク」でビール。
 この店、安くて上質のサービスを提供し、雰囲気からして新宿文化の薫り高いところなのだけど、オーナーが変わったルミネに立ち退きを迫られている。立ち退き反対の署名はどんどん集まる。社会的運動にまで発展しつつある。
 新宿でベルクに立ち退けというのは、銀座でいえば鳩居堂や三越やソニービルや和光、大阪でいえば通天閣、ニューヨークでいえば自由の女神、浅草でいえば雷門や神谷バー、同じ新宿で他の例を挙げれば紀伊國屋本店に立ち退けといっているようなもの。
 ようするに文化の破壊だ。
 ルミネエストは、ファッションビルに飲食店はいらないという。「もっとお洒落にしたい」ということなのだろうが、ルミネに入っている「洋品店」たちよりも、「ベルク」のほうがずっと粋だしファッショナブルだ。
 金太郎飴のようにどこもかわらない洋服屋を集めただけのビルよりも、ベルクがあるだけで魅力的な場所になることがわからないらしい。
 来年早々、新宿を舞台にした長編を発表する予定の阿川大樹は誇りをもって、そして、新宿への最大の愛をもって、「ベルク」を応援します。
                           ベルクを守る署名は こちら

家庭生活

 ひとつ山を越えて、身の回りのことに手が回るようになった。
 昨日は、台所に積み上がっていた、牛乳パック28個、ティッシュペーパーの箱11個、その他紙の箱30個くらい、を分解して畳んでリサイクルゴミに出す。
 畳むとわずかな体積だけど、箱のまま積み上がっていると食材を保管するスペースの前に壁ができ、さらにはたびたび地滑り的崩壊がくるわけで。
 わかっていても、夫婦それぞれ体力気力の限界まで仕事をしているので、なかなか手がつかないのだ。
 ふつうに捨ててしまえばスッキリするだろうと、なんど誘惑に駆られたことだろう。
 でも、再生できるとわかりきっているものをなかなかぞんざいに捨てられない。
 本日になって、こんどは家のあちこちにある段ボールを壊して畳んでゴミ置き場へ。
 あとは読書とか ipod touch に新しいアプリを入れてみたり。
 インタネットラジオを聴くアプリ Fly Cast をいれて、サンフランシスコのジャズステーションを聴きながら、家を歩き回っていると、すっかりアメリカにいる気分になる。なかなか快適。
 午後には、マンションのメンテナンスに職人さんが代わる代わるやって来た。建築会社(ゼネコン)は対応が悪いけど、実際に作業をする職人さんはとっても感じがいいし、みんな腕がいい。
 子供がいたら、職人にしたかったな、なんてちょっと思う。
「ぼうず、おめえはおっきくなったらでえくになるんだぞ」
 なんていって育てたら、ほんとになってくれたかも。
 夕食前に久々のプール。
 筋力が落ちているのを実感。むろん腹も出ている。

清々しくバイクで走る

 仕事が一段落なので、バイクで母親のご機嫌伺い。
 いつもながら、バイクの駐車場代を払いに行くついでにバイクに乗る、というなんだか本末転倒な行動パターンだ。
 まあ、元気そうでなにより。
 帰り道、スーパーに寄って夕食の買い出し。
*最近いただいた本

野毛で呑む

 プロットを編集者に送り終わって、仕事モードの頭をクールダウンしようと、バスで野毛へ出る。
 さまよう気力がないので、いつもの「華」に直行。
 実は調べものに協力してもらったお礼がてらである。
 まだまだ食べきれない松坂のコシヒカリ2kgほどを袋に詰めて。
 美味しい餃子をつまみにサントリー角の水割り。
 カウンターの人やママとなんやかやと楽しく話ながらゆっくり酔いが回ってリラックス。
 と、偶然やって来たのが知り合いのK書店の編集者ふたりと作家のH氏。
 零時前に店を出て、もう一軒行きましょうとなり、どこへ入ろうかと彷徨していて見つけたのが「疲れたおじさんの店 カントリー」。
 たしかに疲れているし、おじさんだし、まさにキャッチコピーに引き込まれてカウンターの人となる。
 マスターは、セーターにオーバーオール、頭にはカーボーイハットと、まさにカントリーな格好なのだけど、実はカントリーミュージックに詳しいわけではないのだそうで、それでも店の名前からカントリー好きな人が自然に集まってくるので、音楽に関しては「お客さんに教わっている」のだと。
 それがほんとかどうかは別にして、まあ、ゆるゆるなところが心地よい。

長編プロット 仕上げ

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 昨日、湯河原から午後4時前に帰宅。
 そのまま執筆モードに突入です。
 第4作目か、第5作目になるはずの長編のプロット(あらすじ)づくり。
 昨日起きたのは朝5時だったので、できあがったこの時刻午後7時現在未だ起きてます。
 38時間か。全然、眠くない。(笑)
 やっとさっき、できあがったあらずじ(原稿用紙70枚)を編集者に送ったところ。
 そろそろ寝るか、酒でも飲みに行くか。
 このまま午後10時くらいまで起きていた方が、この先、体調管理が楽なような気が。

銀婚式

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 ついにうちの夫婦も結婚25周年。
 思えばあっという間だったなあ。
 新婚旅行に行った奥湯河原の「加満田」に25年ぶりになる銀婚旅行。
 文人の泊まる宿として有名です。
 部屋は「若竹」といい、10畳に8畳の次の間。小さいけど温泉のお風呂も。
 25年前は「川蝉」でした。
 25年の間に女将は孫嫁に代替わり。
 現在の「るりこ女将」は18年目で、湯河原の「おかみの会」の会長。
 前の女将が亡くなった時の葬儀委員長は水上勉氏だったそうです。
 新婚旅行の時のアルバムをもっていったのですが、25年間で庭の木々は大きく伸び、地球温暖化のせいなのか紅葉は遅くなりました。
 
 25年前の僕はエンジニアでしたが、いまは文人の末席にいます。(笑)
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 食べてしまえば跡形もなくなくなってしまう料理をこれほど美しく作る日本という国って、すごいと思います。
 25年ぶりの老舗旅館は25年分そのまま古くなっています。
 建物も生き物。
 柱も建具も25年分、木が痩せてきています。
 部屋のちょっとした調度も、いま作り替えれば何百万円もかかってしまうそうです。
 古くなっても捨てられない、捨てない。
 朽ちてゆくのを見つめていく。
 そんなありようが、旅館というサービス業として理解されなくなったときに、このすばらしい旅館はもしかしたらなくなってしまうかもしれない。長くつづけて欲しい。
 25年前の写真を、女将と番頭さん(ご主人?)に見せて、昔話をしました。
 帰り際、以前に泊まった「川蝉」をみせてくださり、「祝・銀婚式」と書かれたのしのついた輪島塗の夫婦箸を戴きました。
 25年前は、恥ずかしくて新婚旅行だといいませんでした。いまは、恥ずかしくて小説家だとは言えずに帰ってきました。(笑)
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photos with Canon EOS20D / EF24mm f2.8