土曜日といっても勤め人でない阿川にはとりたててふだんと変わらないのだけれど、みなとみらいで何か野外コンサートが行われているらしく、騒がしい一日だった。
近所の歯医者へ。
歯列矯正をしているあいだ、一般歯科も下北沢まで行っていたので、ここは4年ぶりだ。
下側だけ歯石をとってクリーニング。上は次回。
下北沢の歯科衛生士の歯石取りが超絶技巧かつ不屈の闘魂的な技だったので、ここのはなんだかあっさりしていて物足りない。それじゃあ、歯周ポケットの内部までスケーラー(歯石を除去する歯科用具)入ってないじゃないの。とまあ。
半年先には、また下北沢行こうと思った。
同じ職業でも、そのクオリティにはずいぶんと差がある。(あ、小説家もだ)
友人からメールが来て、横浜へ来る用事があるから参考文献(マンガだ)わたそうか、という提案。
6時前、ランドマークタワー1階の「アンナミラーズ」でおちあって「シャンペンシャワー」全6巻(かわみなみ)を受け取る。
他の時間はもちろん執筆。
先週に引き続いて、妻の付き添いで相模原の北里大学病院へ。
床についたのが午前4時すぎで、起きたのが7時前。睡眠時間3時間以下なので、行きの運転は妻。僕は食欲もなく顔を洗って荷物をもって助手席で出発。
午前9時、病院の玄関で妻が降り、僕が乗り継いで駐車場に車を入れ、食堂で「黒糖サンドセット」という朝食。黒砂糖の入ったパンを使った玉子サンドにちょっとした生野菜、それにベーコン風味のカボチャスープ、コーヒー、で550円也。
あとは午前中を、寝にくい待合室の椅子で座ったまま寝て過ごす。なにしろ、400ml採血したあとの帰りの運転をするために付き添ってきたわけで、それまでに睡眠不足を解消しておかなくてはならない。
午前11時45分。
午前中の検査や診療が終わった妻と合流して、8階の展望食堂でカツカレー。トンカツが立派すぎて美味しくない。食べ切れずに残してしまった。お百姓さん、ゴメンナサイ。
トンカツ定食ではないので、カツカレーのカツは薄っぺらくないとだめ、豚肉の味がしっかりしてはだめなのだ。しかも、カツにしっかりカレールーをかけてしまうと、衣がカレーを吸って、ご飯が残ってしまう。
ようするに、このカツカレー、つくっている人が自分のつくるカツカレーを食べていない証拠。
これ、プロの仕事としてだめじゃん。937円。
(あとで1階の職員食堂を調査したらカツカレーは660円でカツも「ちゃんと貧相で」美味しそう)
午後は採血だが、前の患者さんがずれ込んでいるとかで、始まりが1時間以上遅れると。
妻を置いて、睡眠の続きをとるために駐車場へ。エンジンをかけ、エアコンをかけて、助手席で眠る。
読書ネタも、執筆のためのパソコンももってきたが、ひたすら、睡眠時間の帳尻を合わせただけだった。こんなことなら、事前に家で睡眠を取ってでてきたほうが、昼間の間、執筆できて効率が良かったわけだが、すべては後の祭りだ。先に立たないから後悔というのだな。
売り先が決まった小説に着手。
いきなり、のっけから、なかなか筆が進む。いい感じ。21枚まで。
横浜駅近く、オバサマ系エレガンスを備えたティールームにて、出版社編集長と会う。
『覇権の標的』はどのように面白かったか(笑)という編集者の観点からのヨイショからスタート。
頃合いを見て、昨日つくった作品リストを見せながら、こちらからああでもない、こうでもない。
で、プロットができていて売り先が決まっていなかった2本のうち1本、お買い上げ決定!
まあ、本文はこれから書くので、どうなるかわかりませんが、順調にいけば11月には刊行できるのではないでしょうか。
『覇権の標的』を読んで、気に入ってくれて、プロットのさわりだけ読んで、「これで企画書は通しておきますので執筆にかかってください」ということで。
できていないこれから書く小説を、阿川を見込んで注文していただいたわけで、初めてプロの小説家になった気がしましたよ。
(分量にして原稿用紙85枚のあらすじはできているけど、見せたのはその最初の25枚分)
いままでは、誰にも頼まれもしない小説ばかり空振り覚悟で書いて、持ち込みなり、公募文学賞に応募したりしていたわけで、結果としてそれが本になっても、いまひとつプロだという実感はなかったのです。
注文を受けて初めてプロだという、そういう感じ。
とりあえず、年内2冊が目標なので、最低でももう1冊受注を決めなくては。
我が家のバルコニーから花火鑑賞。
直線距離で300m、目の前に打ち上げ船台から上空まで視野いっぱいの花火。
以前には、ゲストをたくさん招待したりしていたのだけれど、心と時間の余裕がないので、ただ、自分たちで見るだけ。
日本の誇るエンターテインメント。
2日午後、某出版社編集長と会うので、改めて自分の作品リスト作り。
書き上げてある長編が5本、詳細プロットまでできている長編が2本。売り物になりそうな短編4本。
10年ほどの成果なので、もっと書けていてもいいと思うけど、その間には、特定の出版社ととことんつきあって、新設の文学賞の第一回受賞者になるはず(つまり阿川をデビューさせるために賞をつくろうというはなしもあった)だったのに、プロジェクトのちゃぶ台が一気にひっくり返ってしまったり、などなど、それはもう長い長い紆余曲折があったので、まあ、結果として、こんなもんだったわけだ。
さっさとダメ出しがあれば、次に着手するんだけど、なにかと年単位で引っ張られることが二回もあったりして、結局、遠回りになったりしている。
リストアップに、タイトル、枚数、主人公、舞台となる場所、ごく短い内容説明、などをエクセルの表にしてみた。
われながら多彩なストーリーたちだと思う。
模索しつづけているからこそ多彩にならざるを得なかったともいえるし、同じ路線で書き続けることを拒否してきたともいえる。
ただ、これから阿川大樹がどこへいくのか、自分でもまるでわからない。
