diary

Google Books から日本は除外。またガラパゴス化

 google 書籍電子化が、日本を除外することになってしまった。
 日本文芸家協会は反対をしていたみたいだけど、僕は賛成だった。
 google で電子化してくれて、売れたら63%印税をくれる、という条件だ。
 拒否したければ、拒否できる。
 ただし、期限までに拒否しなければ、了解したとみなす。
 最後の一行は、たしかに、一方的なやり方だけど、悪い条件じゃない。
 本来、出版社が横断的にやるべきことを、google がやってくれている。
 本が売れないなら、電子書籍にして絶版なしにしたほうが、みんな幸せで絶対に儲かる。なのに、反対する出版人がいる。
 わけがわからない。
 すでに絶版になっている本も、読めるようになる。
 読者も著者も、みんなハッピーな話だ。
 
 こうやって日本はまたガラパゴス化の道を歩み、構造不況の出版界は新しいビジネスチャンスをみすみす失ってしまった。

座りんぼう

「立ちん坊」といえば、街角に立っている娼婦のことである。
 阿川のスタジオの前の大岡川を渡ってすぐの若葉町あたりには、日によってかなりの「立ちん坊」がいるのだけど、先日、見かけたのは座りんぼう。
「オニイサン、一万円。オマンコもできるよ」
 地べたにしゃがんだまま、こっちまで聞こえる大きな声で道行く人に話しかけている。
 周囲に聞こえる大声で誘われたら恥ずかしくて「客」になりにくいよなあ。
 一万円払って彼女と何かしたいかなあ。
 あんな大きな声で商売して、警察に捕まらないのかなあ。
 まあ、人それぞれってことですね。
 川のこっち側も、野毛に向かっていくと小規模なホテル街があって、そのあたりのごく狭い一角に、女装の男娼が立っている。
 黒いゴシック系ロングドレスで太っている人。
 華奢で、必ず黒いストッキングを履いている人。
 この二人はよくいるんだけど、このあいだは、毛糸の帽子を被った「普段着のシャンソン歌手」風の長身の人。
 そういえば、ホモセクシュアルと言えばフランスは本場だし。
 まあ、人それぞれってことですね。

「野田秀樹」(白水社)

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「野田秀樹」(内田洋一 白水社)が届く。
 僕の所にも取材が来て、僕の話した「夢の遊眠社」創立の頃のことが実名入りで書かれている。
 時間ができたらゆっくり読もう。
 小説を書くようになって、執筆資料本以外になかなか本が読めない。
 下は、本に載っていた旗揚げ公演のチラシ。音楽に僕の名前が本名で載っている。
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 昼食は、サービス券が3枚溜まっていたので、吉野家の牛丼(並)をタダで食べることができた。
 なんかうれしい。(笑)
 しかも、今日のは牛肉の盛りもよくて、味も濃いめで美味しかったような気がする。
 無理せず、午前0時過ぎに仕事を切り上げる。

鳩山総理大臣の所信表明演説

 鳩山総理大臣所信表明演説の最後の一文。
「ぜひとも一緒に、新しい日本をつくっていこうではありませんか。」
 これが民主主義の基本ですね。
 政治家が、こういう当たり前のことを言うことが実に少ない。
 民主党政権について、政策については賛成できかねることがたくさんあるけれど、とりあえず、この一点で、鳩山所信表明を評価しておきたいと思います。
 僕の知る限り、合衆国大統領は、つねに we を主語にして語ります。
 具体的なことは別途法案として編み上げていくべきことですが、政治には、まず第一に理想が必要。
 理想が現実からどんなに遠くても、理想は高くなくてはいけないし、その距離があるからこそ、どういう筋道をつくっていくかが重要になる。理想があってこそ。順序というものを考えることができる。
 日本をつくるのは、政治家でも官僚でもなく、国民であるのに、一緒に作るという政治家が少なく、自分が国を作るときちんと意識している国民も少ない、という日本の民主主義。
 少しでもよくなるといいですね。

本日のオヤジギャグ

「北朝鮮が唄う戦闘機つかってるってね」
「よく知ってるな、初音ミグだろ」

加藤和彦とザ・フォーク・クルセダーズ

 初めてギターを手にしたのは、小学校6年生の頃だった。
(11歳の時だからなんと43年前だ)
 まもなく同級生のバンドでグループサウンズのコピーをやっていた。
 中学一年のとき、川口の「ゴーゴー喫茶」(死語)で開催されたバンドコンテストに出た。
 演奏曲は、周りはみんな大人で、リズム&ブルースとか、ジミヘンなんかだった。
 僕らだけがグループサウンズで子供だったもんだから「審査員特別賞」をもらったのを覚えている。
 中学の文化祭に出ようと教室で練習していると、学校でも派手めのグループの女の子たちが入って来て、後ろの方で踊っていた。
「そうか、バンドをやると女が寄ってくるのだ」
 とまあ、ローティーンにして、そんなことがわかったのだった。
 だからといって、もてたわけじゃないけど。
 とにかく、学校で唯一のバンドだった。
 フォーク・クルセダーズの「帰って来たヨッパライ」がブームになったのはその頃だ。
 僕は、家にあったオープンリールのテープレコーダーを倍速で動かし、さっそくマネしてつくってみた。これはけっこううまくできた。
 3年生の時は、世の中がフォークブームに変わっていた。
 僕は「ザ・トーイチ」という名前のフォークグループを結成して、PPMの曲だとか、フォークルの「イムジン河」なんかをステージで演奏した。
 高石ともやとか岡林信康なんかも歌っていたと思う。
 そういえば、オリジナル曲「何故」(笑)というのも、同じステージで歌った。
 これは僕の初めてのオリジナル曲だ。
 つまり、フォーク・クルセダーズは、僕が同時代に聴き、唄い、そして、音楽を創るということに関して、感化された時期の代表的なグループだった。
 加藤和彦は、いつも、自分の音楽にチャレンジしていた人だった。
 彼は流行を創ることはあっても、流行を追うことはなかった。
 それが、多くの人々を惹きつけたのだと思う。

「月刊FORBES」にエッセイ掲載

お知らせです。
 月刊FORBES 2009年11月号(最終号)の「喜怒哀楽」というところに、エッセイ「天才に神が与えたもの」が掲載されています。

飾り窓トークスタジオ(終了しました)

  2009年9月22日(祝) 飾り窓トークスタジオ (ライブイベント)
    パーソナリティ
      井上真花 (podcaster)
      阿川大樹 (小説家)
    ゲスト  岩田瑞穂
      #1 start 13:30 –
      #2     14:30 –
      #3     15:30 –

『脱「ひとり勝ち」文明論』(清水 浩)

 昨日、オーストリアとハンガリーへの出張を終えて、妻が帰ってきた。
 ひとりだと面倒で、あまり料理も作る気がしないこともあり、冷蔵庫は空っぽ。
 そろそろ「買い物をせねば」状態。
 お酢だとか、めんつゆだとか、ビン物も切れているし、金麦もない。
 雨の中、スーパーで食料品を8000円ほど。
 あとは、スターバックスへ行ったりして読書。
『脱「ひとり勝ち」文明論』(清水浩 ミシマ社・刊)。
 思わず、横に線を引きながら読んでしまいましたよ。
 これ、本当に文明論です。しかも、「いま」必要な。
 スタジオに出ない一日でした。

『八月十五日の夜会』蓮見圭一 新潮社

 連載から書き下ろしに頭を切り換える緩衝の日。
 ゆっくり目に出勤。
 途中、桜木町の松屋で牛丼(並380円)。
 久しぶりに小説を読もうと思い、ちょうど先日、著者本人からいただいた「八月十五日の夜会」(蓮見圭一 新潮社・刊)。
 小説らしい小説。
 途中、伊勢佐木町へ出て、通帳の記帳。
 あと、ガムテープ(580円)。
 ローソンストア100で買ったのを使って、荷物を送ろうとしたら、10分ほどで段ボールからテープが剥がれてくる始末。
 100円ショップで失敗したことないんだけど。
 ちなみにローソンストア100のレギュラーコーヒー(85g 105円)が小口で使い勝手がいいうえに、けっこう美味しい。
 午後7時少し前、当の蓮見圭一さんと、T書店T編集長が来訪。
 近くの一流のB級中華料理店「聚香園」で食事。
 伊勢佐木町を歩いて吉田町まで。
 そこで正統派バーにて、午前2時前まで。
 小説論、アートについて、などなど、高校生のように語り合った。
 と、書いてみて、みんな高校生の頃にそういう話をするものなのだろうか、とふと疑問になる。
 僕が高校生の時の話題といえば、政治とアートとセックスのことばかりだったのだけど。