「立ちん坊」といえば、街角に立っている娼婦のことである。
阿川のスタジオの前の大岡川を渡ってすぐの若葉町あたりには、日によってかなりの「立ちん坊」がいるのだけど、先日、見かけたのは座りんぼう。
「オニイサン、一万円。オマンコもできるよ」
地べたにしゃがんだまま、こっちまで聞こえる大きな声で道行く人に話しかけている。
周囲に聞こえる大声で誘われたら恥ずかしくて「客」になりにくいよなあ。
一万円払って彼女と何かしたいかなあ。
あんな大きな声で商売して、警察に捕まらないのかなあ。
まあ、人それぞれってことですね。
川のこっち側も、野毛に向かっていくと小規模なホテル街があって、そのあたりのごく狭い一角に、女装の男娼が立っている。
黒いゴシック系ロングドレスで太っている人。
華奢で、必ず黒いストッキングを履いている人。
この二人はよくいるんだけど、このあいだは、毛糸の帽子を被った「普段着のシャンソン歌手」風の長身の人。
そういえば、ホモセクシュアルと言えばフランスは本場だし。
まあ、人それぞれってことですね。