日: 2011年2月8日

大相撲八百長事件

 国の方では大相撲を国技とする規定はない。
 国技館で開催することであたかも国技であるかのようにうまくミスディレクションに成功しているのだけど、そのロジックでいくとプロレス各団体も両国国技館で興行を行っているからみんな国技なんじゃないか。
 と、ツイッターで書いたら「ロボコンもやってる」と教えてもらった。ロボコンなら胸を張って国技にしたいよね。
 僕は相撲を見るのが好きだ。スピードと迫力があって面白いからね。
 八百長があろうとなかろうと、結果として面白い。
 大相撲は興行だから、僕はそれでかまわないと思う。
 土俵は社会的公正さという正義を実現する場所ではなく、見ている人を楽しませる場所だ。
 過去の事件を振り返ってみると、大相撲が八百長を続けてきたことはほとんど明らかなことだ。
 八百長なのにこんなに面白いのは、力士が鍛練を積んで、強さとスピードを身につけているからだ。
 それはダンサーや役者がフィクションを演じるために鍛練を重ねているのと同じことだ。
 八百長をやっているのを承知で僕は相撲が好きだ。
 でも、インチキで薄っぺらな伝統とか品格だとかを口にする相撲協会は大嫌いだ。
 彼らが日本の伝統や品格を語ると日本が汚れるような気がする。
 日本の伝統は相撲協会が標榜しているものよりも何百倍も素晴らしい。

世の中、みんなが思うほど悪くない

 実際は減っているのに「少年非行は増えている」と回答する人が7割いるという。
 こういう基本的事実関係を正しく伝えていないマスメディアは責任を感じて欲しいな。
 世の中はみんなが思うほど悪くない。
 犯罪は減っている。
 ずるいことをする人は少数だ。
 みんな真面目に胸を張って生きている。
 テレビや新聞はそれを伝えない。
「犬が人間を噛んでもニュースにならない、人間が犬を噛んだらニュースになる」と言われていた。
 でも、犬が人間を噛むニュースがまったく流れないと、人々は犬が人間を噛むことを忘れてしまうのだ。
 ほとんどの人は正直で善良なのに、世の中悪い奴ばかりで、正直者は馬鹿を見る、と少なからぬ人が思いこんでいないか。
 それはメディアのせいだ。
 だから僕は、善良な人が真っ当に生きて成功していく物語を書く。