diary2006

スプマンテ

 妻が年内の仕事を終えて帰宅。
 慰労のため、ローストビーフとスプマンテ(フランスのシャパンに相当するイタリアのスパークリングワイン)で乾杯。

老夫婦のような一日

 事務的な用事のために二時間睡眠で午前11時半に起床。
 西口で用事を済ませたのが午後二時半。
 夫婦して地下街の狭い店で「きしめん」を食べる。窮屈だが味はよし。味はよいが窮屈で豊かな気持ちにならないとも言える。
 家にもどろうと東口「そごう」に入ったところで、ふと「とらや」の茶寮があるのを思い出し、「季節の羊羹と抹茶グラッセ」。
 抹茶も羊羹も実に上品な味。文化の香りだなあ。
(抹茶グラッセというのは、ようするに抹茶を点てて氷に上に注いだもの)
 店員もいい感じだし、客たちもみな上品。実は、この茶寮は穴場なのだ。
 無料で出てくる麦茶も、煎茶も、これまたとても美味しいのですね。
 きしめんのあと、純和風の小さな贅沢。
「老夫婦のようだね」
 などといいながら、過ごした時間だった。
 帰宅後は、籠もって原稿書き。まだまだ集中力は出ず、なぞっている感じだけど、予感としてはもう少ししたら「来る」と思う。
 翌午前4時、早めに(笑)就寝。

Canon LBP3410 レーザープリンタ

 Canon LBP3410 が我が家に登場。
 ネットワーク対応だし、速いし、両面印刷対応。
(ブラザーの廉価版はお役ご免)
 両面印刷は推敲するのに外へ持ち出すとき、重さが半分いになって助かる。
 ただし、A4用紙横の設定で縦書き、というレイアウトで印刷すると、上綴じになっちゃう。ちょっとめくりにくいので、A4縦で縦書き2段組、あたりのフォーマットを作った方がいいかなと。
 最近、公募原稿を書かないので提出用に印刷することはほとんどなくなったけれど、推敲にはやっぱり印刷することが多い。
 家庭内LANがルーターの下にまたルーターとか、ルーター3台とHUB1台と、過去の行きがかり上、ちょっとややこしいので、設定に時間がかかっちまったい。
(たまにしかやらないことはすっかりやり方を忘れてる)

銀座のクラブ

 一件打合せを済ませて、推理作家協会ソフトボール同好会の忘年会へ。
 一次会の会場である銀座の居酒屋にて25名ほど。定刻に到着すると、まだ数名。某店のママ(着物)と従業員A(サンタクロース姿)もいる。
 会費6000円。居酒屋にしてはいいお値段だけど、まあ、社交ですから。
 10分ほどの間にほとんど揃い乾杯。発声は剛爺こと逢坂剛さん。
 喫煙席だとY氏とT書店M編集女史が近くになるとほぼ決まっている。周囲もほぼ編集者。
 あとはがやがやタダの飲み会。
 途中、成績発表と表彰。個人別成績表も配布される。僕は1日(3試合)しか出ていないので規定打席に達せず。10打数4安打の4割だけど、首位打者は8割打っているからこのまま4割でも中位だ。
 終了20分ほど前になって、対角線上を移動してA嬢がとなりにやってくる。いままであまり話をしたことがなかったのだけれど、来年から就職なのであと三日で店を卒業とのことで、「最後だからお店に来て」とじっと目を見て言われると断れない。(笑)
 銀座の街をサンタの格好をして居酒屋までやってきているわけだし。
 実は彼女は本当の意味でちゃんとした銀座の女ではない。気の配り方も全然なってない。まあ、けれど、そういう素のところがソフトボール仲間と考えれば悪くはないわけで、みんなに可愛がられている。
 で、僕を1名新規獲得すると、当然、他の常連さんたちをも軒並み押さえにかかる。なんと都合15名ほど獲得。打率6割。たいしたもんである。(残りはおそらく麻雀へ行ったと思われる)
 しかし彼女には痛い失策があった。
 いざ、一次会の店を出てそこから店に電話を入れると、3席しか空いていないというのだ。(つまり、プロとして、彼女はもっと早い時期に人数を押さえて、ママに電話して席を空けておいてもらうべきだった、ということだ)
 残念ながら、彼女の営業努力は、最後の詰めの甘さで、一転して3名獲得(打率1割少々)という残念な結果になった。
 銀座遊びのマナーとしては、営業努力には報いるべし、という不文律があり(ほんとか)、ジェントルマンである推理作家3人は、A嬢の店へ。
 僕を含めた残りは、漁夫の利を得た形のD店へ。
 超有名な料亭Kのあるビルの3Fのその店の扉をくぐると、こちらは客はだれもいなくて、女性たち7人ほどがみんなミニスカートのサンタクロース姿。おいおい、ここは銀座だ錦糸町じゃないんだ、と思わないでもないが(笑)、まあ、お祭りですから。
 女性たちもサンタ姿は今日が初日ということで、着慣れていなくて恥ずかしがっている。この店に来るのは初めてだが、ふだんから、そういう露出度の店ではないことだけは確か。
 さて、わいわい飲みながらも、取材に入ってしまうのは小説家の性。
 自然に、女性たちの働きぶり、気配りのようすなどの観察に入る。
 タバコをとって口にもっていくまでにちゃんと脇からライターが出てくるか、その動きがスムーズであるか、飲み物への気配り、話への割り込み方、テーブル全体のようすを把握できているか、入れ替わりのタイミング、新しく他の客がきたときの対応、席の外し方、トイレから出てきたときのおしぼりの出し方、など。個人プレーもチームプレーもどちらも重要。
 このD店の女性たちは完璧な銀座の女である。
 居酒屋の一次会に営業に来るという努力をしていたA嬢もカワイイしがんばっているけれど、ちょっとプロとして格が違う感じ。
(今週のミニスカサンタの衣装をのぞけば)D店はさすが銀座。
 飲み物は単なるウィスキーの水割りで、どうということのないオードブルしか出ないけれど、客はこの従業員のホスピタリティにお金を払うわけだ。
 もちろん、それぞれタイプはちがうがみんな美人だしスタイルもすばらしいけれど、それはある意味で最低限の資質であって、それだけで銀座の女にはなれない。
 ホテルオークラの接客もすばらしいけれど、やっぱり銀座のクラブもすばらしい。こういう「いい仕事」を見ていると、それだけでこちらも豊かな気持ちになる。
 だからといって、馬鹿話をして酒を飲んでいるだけなんだけどね。
 午後10時前、別の店の従業員であるさっきのA嬢が3名を連れてD店にやってくる。一応、3名はA嬢の顔を立てた上で、みなに合流というわけ。A嬢の方は、自分の店を中座してD店に「わたしがお客さんを連れてきた」という形をつくる。
 しばらく飲んでA嬢は店にもどる。
 午後10時過ぎ、K氏とY氏が先に帰る。
 まちがいなくA嬢の店へ行ったはず。あうんの呼吸である。(営業努力には報いるべし、「顔を立てる」という遊び方)
 この時点でA嬢の打率は2割に回復したはずだ。
 このあたりの不文律をみなが守って遊んでいるあたり、お茶の作法のようで感動的だ。銀座は客も一流でなくてはならない。
 さて、こちらは執筆追い込み中だから、電車のあるうちに帰らなくてはならない。こういうのを文字通り「野暮用」という。
 ここで問題は会計をどうすればいいのか。なにしろ、推理作家協会の会合から流れて銀座の店へ来たのは初めてなので、こちらは誰が金を出すしきたりになっているのか、このグループの不文律がわかっていない。
 だからといって「先に帰りますからいくらでしょうか」などと言ってその場で金のやりとりをするなんて野暮なことは、いやしくもこの店ではできない。
 思案の末、カウンターの方でM女史が従業員と話しているのを確認して、トイレに立ち、帰りにおしぼりを受け取りながら、彼女にそっと耳打ちして聞く。
「ここは出版社の方で割ってもちますから、そのかわり、お店の方にまたきてあげてください」
 これまた美しい答え。男前なべらんめえ女性編集者だがみごとだ。タダで飲んだ分を別の機会に改めて使えというわけだ。金は天下の回りもの。
(彼女は、お店に推理作家協会の会合の予定などを教えたりもしていて、その情報によって、ホテルであろうと居酒屋であろうと、協会のパーティには「銀座のおねえさん」たちがいつのまにか混じっているわけだ)
 さて、店には、K書店、T書店、B秋、K社、などが揃っている。心おきなく会計は確認できた不文律にまかせることにする。彼らが使った金の元を取りたければ、僕に執筆依頼をすればいいわけだ。(笑)
 ヨットに乗っていて、何も言わずともメンバーみんなが動いてスムーズに船が動いたときの快感はなにものにも代えがたいけれど、銀座遊びもそれにとてもにている。
 もう少し本が出ないと、自腹でたびたび銀座遊びをするというわけにはいかないけれど、今夜は「美しい日本の文化」に触れた夜だった。
 どっちにしても、接待とか奢りとか、他人の金で銀座で遊ぶということ自体、ほんとうは野暮なんだよな。遊びは自腹でするべきこと。

ヨットもお休み

 メンバーが揃わず、ひとりで船を出すほど熱意もないので、ヨットはお休み。
 昼過ぎに起きてきて、自転車で外出。部屋でストレッチ。
 ゆっくりでも体調を回復させなくては。30日にはフットサルだから。

近所の飲み屋の忘年会

 近所の飲み屋の常連の忘年会。
 ふだん食事を出さない店なので、食べ物はみなの持ち寄り。
 僕は、小岩井のスモークチーズ、いかの塩辛、イワシの薩摩揚げ、をもっていきました。
 定刻の6時に遅れて到着すると、すでに常連さんたちがほぼ勢揃い。カラオケの入るスナックというのは本来完全に僕の守備範囲の外なんだけど、この店は、普通の会社員との接点として大切にしている。
 年代もちょうど定年後か団塊の世代の人たちが中心。
 みなひとかどの仕事をして、定年になっていたり定年間際だったりの人が多い。僕は若輩者で小説家という珍しい職業なので、可愛がってもらっている。行き始めて十年くらいにはなるが、一月に一度行くか行かないか。ありがたいことにそれでも常連扱いしてもらっている。
 会社員だった頃、割と出世が早くてプロジェクトも社長直属みたいなものだった。その社長にしても僕より若かったから、僕には年長者に可愛がってもらう、という経験に乏しい。なので、この店の人間関係はとても新鮮。
 団塊の世代とかその上といえば、高度成長の担い手であると同時に、今の日本の駄目な部分を作った世代(笑)なんだけど、たまたまここのお客さんたちは、擦れていないし優秀だった人たちで、気持ちよくつきあえる。
 優秀な人のもつ余裕とか、優秀な人の純粋さとか、サラリーマンという言葉にあまり含まれないと思われがちなキャラクタをもっている人たち。 とにかく、この店には愚痴を言う客がいないのだ。(そのかわりにチイママが毒舌全開だったりして、それをみんなニコニコしながら聞いている)
 僕はカラオケが好きではないので、そもそもカラオケのある店には入らないけど、その僕がこの店だけでは年に何回かカラオケを唄う。
 本日は、「雨上がりの夜空に」(RCサクセション)と「長崎は今日も雨だった」(内山田宏とクールファイブ)。
 タイトルからすれば逆の順番の方がよかったかな。(笑)
 これ以上いらないというほど、生ウニを食べ、極上の大トロを4切も食べ、カニも食べた。全部、参加者の持ち寄り。僕がもっていったのは質素なものばかりだから、エビ鯛ってやつだ。(エビですらないか)
 それでさんざん飲んで3400円でした。
 10時半で辞去して、酒を冷ましてから仕事。翌午前八時過ぎ就寝。

自転車

 身体が重い。いや、測定すると実際に体重が増えている。
 お風呂マット上のヒップホップダンスだけでは骨格筋率が上がらないので、自転車で外へ。
 といっても、買い物を兼ねて。
「セキチュウ」でボディーソープとか。
 あとは、地味ぃに仕事。

エンジンがかからない

 いまひとつ集中力が足らない。
 まあ、少しずつでも手を動かしていると、頭も動いてくるはず。

国立競技場とゴールデン街

 友人のつてで FIFA Club World Cup の準決勝を観戦に。
 腹ごしらえに吉野家の牛丼が食べたくなり、わざわざ代々木で途中下車。(代々木駅は改札から吉野家までが至近距離)
 ところが、行ってみると牛丼は午前11時から午後3時までしか販売されていない。なあんだ。しかたがないのでならびの「かつや」でカツ丼を注文するも、店が人手不足で出てくるまでに15分。ううむ、これはファストフードではないな。というわけで、電車賃を130円余計に投じた牛丼作戦は不発に。
 さて、国立競技場のある千駄ヶ谷に早めについてカフェで仕事……のはずが、キックオフ2時間以上前だというのに駅前は人でいっぱい。
 なあるほど、東京体育館で「オレンジレンジ」のコンサートらしいのだ。
 かなりの雨の中、空いている店を求めて代々木方向へ10分ほど歩く。コンビニでカサの在庫をみるとまだ十分にあるし500円もするので、とりあえず買わずに出て、向かいのコーヒーショップに飛び込む。
 コーヒーが420円もするが、客は僕ひとりでゆっくり仕事ができた。
 待ち合わせの7時の10分前に店を出ると、雨は止んでいる。買わなくて正解。
 体育館の前で待ち合わせのKさんとそのお友達に合流。
 チケットはカテゴリー1の招待券。つまり18000円相当ということ。
 遠回りをさせられたのと荷物チェックで、席に着いたのは前半キックオフ直後。赤いユニフォームと白いユニフォームが戦っているのだが、どっちがどっちのチームだかわからない。
 1点目が入ったところで、そっちが「インテルナシオナル」だと判明。そうだったのか。僕ら3人は逆だと思って、意外にもブラジルが押されているではないか、なんて思っていた。
 それにしても、スコアボードに映像は映さなくてもいい。ずっとメンバー表を出しておいて欲しいのだけど。映像はゴールのリプレイのときだけでいい。
 終了後、しばらく出陣していなかった新宿ゴールデン街へ。
 なじみの店で飲んでいるところ、11時半ごろ、友人のダンサーがクラスの生徒さんを連れて合流。しばらく飲んだところで別の店へ移動して、お好み焼きを食べて、またもどり、またつづき。
 二人が帰った後、午前3時、歌舞伎町界隈の定点観測に出る。
 夕方の雨で出鼻をくじかれたのだろう、比較的人が少ない。
 歌舞伎町セントラルロードの24時間営業のマクドナルドへ。
 近くの席の大柄の黒人(会話からナイジェリア人だと判明)2名はいつもいるらしい。これも常連風のブラジル日系人のような感じの老人が男女数人、バラバラでいる。何をしている人だろう。
 午前4時を過ぎると勤務を終えたと思われる「おひとりさま」の男女を中心に、ほぼ店内が一杯になる。
 かなり眠いので、品川経由の始発で帰る。午前5時45分に帰宅すると、妻は徹夜で仕事中。まだ起きていた。
 しばし団欒してから就寝。爆睡。

立教大学と体脂肪計

 朝から立教大学へ。
 翻訳家でファッションコラムニストの実川元子さんの授業のお手伝い。女子大生8人ほどの前でインタビューを受けて話をする。
 終了後、学生街のお店でランチ。
 
 よいこはまっすぐ帰宅。
 amazon から、オムロン「カラダスキャン」が届く。体重、体脂肪率、内臓脂肪率、骨格筋率、基礎代謝、身体年齢、などが一挙に測定できるすぐれもの。(ヨドバシよりもかなり安かった)
 風呂場の脱衣所にあるアナログなヘルスメーターもついにお役ご免。最初に勤めた会社の上司が結婚祝いに送ってくれたものだけど、23年間、律儀に動いてくれました。
 よりいっそう体調管理に気をつけるぞ、という心構えで、妻への早めのクリスマスプレゼントという名目で、自分も使おうという魂胆。Je suis content.
 初回測定値は、とりあえず内緒。(笑)
 本日の「捨てキャン」
 椅子一脚、コピー機、布団2枚、プリンターなどを粗大ゴミに。