ソニーが iPod の周辺機器に参入するらしい。
平たくいえば、iPod が接続できるオーディオ機器を発売するということだ。
ベータ、メモリースティック、ブルーレイ。
ソニーの衰退は「自分の規格のユーザーへの押しつけ」の歴史によるものだった。
新しいものを産み出すことと、それをユーザーに押しつけることはおなじじゃない。新しいものを産み出すことはリスペクトされることだけれど、ソニーは他のそういう人へのリスペクトがなかった。ユーザーへの親切心も持ち合わせていなかった。
よいものを提供することで支持されようとするのではなく、囲い込むことで、ユーザーの自由を奪うことで、自分のポジションを作ろうとしていた。
そんなソニーだったから、ユーザーが離れていったのだ。
相互運用性、相互接続性、互換性、それらこそが時代に(つまりユーザーに)もっとも必要な、欠くことのできない「性能」なのだから。
iPod のよさに対して、謙虚になれたことはソニーの大きな進歩だと思う。
ウォークマンは、コンパクトカセットテープというオープンな規格の中で画期的な商品をだして成功したではないか。それがソニーだったのに、いつから独自規格の囲いこみに走る会社になってしまったのだ。
(多かれ少なかれニンテンドーの成功に影響されたのだと思うけれど)
とにかくソニーがユーザー無視の囲い込み戦略から脱皮してきているのを喜びたいと思う。