月別: 2010年7月

「第三企画室」完結

 午前8時過ぎ、スタジオで目覚める。
 COCO’s の朝バイキングに出かけたら、込んでいて待たされた。
 そうか、世の中は海の日で休みなのだ。
 三連休なのに、ヨットにも乗らず、仕事をしている。
 しかし、それが全然いやではないのが、幸福なこと。
 一晩寝かせた、「第三企画室、出動す」の第64話(最終回)の原稿を、ざっと読みなおして、編集者に送る。
 夕方、帰宅。
 夕食は知人から戴いた浜名湖のうなぎ。
 鰹節を削って味噌汁を作る、つかの間の暮らしの余裕がうれしい。

丸善 ラゾーナ川崎店

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 7月8日の「D列車でいこう」書店回りツアー
 4軒目は、丸善・ラゾーナ川崎店です。
 隣接のカフェで、沢田史郎さんと市川淳一さんとゆっくりお話しすることができました。
 市川さんは、本にたくさんの付箋をつけて読んでくださっていて、「ここのところで感動したんですよ」とページを開いて語ってくださいました。
 音楽や演劇のようなパフォーミングアートと違って、小説の場合、著者は読者が自著で感動する瞬間に立ち会うことができません。
 書いたときとは時間も空間もことなる、どこか知らない場所で、密かに僕の本を読んで心を動かしている読者を、ただ想像の中で思うだけ。
 そんな中、書店員というより前に、本好きの読者である方々とお話しする機会というのは、小説家にとってとても貴重な機会です。
 市川さん、沢田さん、お忙しいところありがとうございました。
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 売り場で市川さんとパチリ。
 丸善ラゾーナ川崎店では、読書案内の冊子を無料で配布しています。
■丸善 ラゾーナ川崎店
〒212-8576
神奈川県川崎市幸区堀川町72-1
ラゾーナ川崎プラザ1階
営業時間 10:00〜22:00
Tel 044-520-1869
Fax 044-520-1870

最終回を書く

 昨年5月から連載を始めた小説「第三企画室、出動す」(日経ビジネスオンライン)も7月いっぱい第64話で最終回を迎える。
 
 いつもそうなのだけど、長編を書いていると、終わりに近づくに従って、「終わらせてしまうのがもったいない」ような気持ちになって、筆が進まなくなる。
 今回も例に漏れず。
 やっと暗くなってから本格的に筆を進めることに。
 というわけで(笑)夕飯は「うな丼 二枚盛り Aセット」。
 吉野家で920円も使ったのは生まれて初めてだ。
 鰻の効果か、その後は順調に進み、午前2時、ついに完結。
 原稿用紙換算の合計枚数888枚。(なんかおめでたいぞ!)
 かなりぐったりなので、そのままスタジオに泊まる。

BOOK EXPRESS ディラ上野店

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7月8日の書店回り3軒目、午前中の最後です。
「人を動かすのはいつだって人の情熱だ!!
 ぐいぐい引き込まれる
 パワフルで緻密な小説、
 最後はほろりと泣かせます」
 と、『D列車でいこう』文庫版の帯にコメントをくださったのは、ここ、
ブックエキスプレスディラ上野店の神谷慶子さん。
 なんと、上の写真の飛び出す絵本みたいな立体ポップは、神谷さんの手作りです。
 ここまで手をかけて作ってくださっている。
 びっくりしたと同時に、これはもうほんとに感動。
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 その神谷さんと並んで、パチリ。
 神谷さん、メガネが似合うなあ。
■BOOK EXPRESS ディラ上野店
住所:〒110-0005 台東区上野7-1-1 JR上野駅構内
(3階 改札内コンコース)
TEL:03-5828-7702 FAX:03-5828-7703
営業時間 8:00~22:30 土日祝 ~21:30

横浜スタジアムで「プロ」を見る

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 午前中、マンション理事会の仕事。
 正午過ぎ、横浜スタジアムへ向かう。
 突然、「炎天下プロ野球を観る」というのをやりたくなった。
 いちばん安い外野自由席は1800円。当日券1000枚との情報。
 みなとみらい駅近くのファミリーマートで試合開始1時間15分前まで買えるのであてにしていたら、そうか、オフィスビルの中なので週末はやっていない。なんたるインコンビニエント。
 というわけで、最寄りのローソンまでもどる。
 ローソンは試合開始1時間前まで買える。
 店の隅を端末を操作して、レジでお金払って、チケットを受け取る。
 ついでに水とかおにぎりとかを仕入れる。
 日本大通り駅で降りて、スタジアムに向かう途中のベーカリーカフェで、朝食。サーモンフライバーガーとアイスコーヒー。
 日陰のテラスで、やっとありつく朝食である。
 どうやら梅雨が明けたらしく、強烈な日差しだが、湿気が少ない。
 麦わら帽子とサングラスとポンプ式の日焼け止めで完全武装だ。
 午後1時半、スタジアム外野自由席へ。
 私設応援団の真っ只中はカンベンなので、バックスクリーン近くのほぼ一番上。
 暑いけど、そらは青いし、広い、気持ちがいい。
 地デジ普及のため、地デジカ君の着ぐるみとともに、原口総務大臣が始球式。ま、だれもそんなのに注目していないけど。
 読売ジャイアンツ対横浜ベイスターズ。
 近ごろ、大リーグの試合しか観ていないので、ほとんど選手の名前を知らない。
 外野自由席はスコアボードを見ることができないので、ほとんど誰が誰やら。
 ま、いっか、誰がやっても野球だし。
 試合は追いつ追われつの好ゲーム。珍しく(笑)ベイスターズの勝ち。
 試合時間3時間40分の長~いし合いでした。でも、たくさん見れてお得かも。(笑)
 いつのまにか、ビールの売り子は100%若い女の子になっている。
 完全に女同士の競争だから、笑顔の作り方、化粧の仕方、視線の合わせ方、身のこなし、時間をかけないやりとり、常連さんの扱い方、これはもう完全な販売のプロフェッショナル。
 おそらく20歳そこそこの女性たちばかりだけど、この年代でこれほどのプロフェッショナルな仕事ぶりを見ることは、ほとんどない。
 野球も面白かったけど、本当にプロフェッショナルな職業人を見たことが、なんといっても、清々しくて気持ちよかった。
 日本もまだまだ棄てたもんじゃない。
 いちばん多くプロ野球を見たのは、いまだにおそらく、父に連れて行ってもらった中日球場だ。
 転勤族で、岐阜や名古屋にいたころ、僕は小学生で、ときどき連れて行ってもらった。
 亡くなる前に、一緒に横浜スタジアムにも来たかったなと、ふと思った。

栄松堂 東京駅一番街店

7月8日書店回り、2店めは、栄松堂書店東京駅一番街店です。
 東京駅という立地から、サラリーマンや鉄道ファンも多く、「鉄道系については日本一」を目標に、ということです。
 店の外にも各方向に『D列車でいこう』のポスター(京王線と東武線の中吊り広告に使われたもの)が貼っていただいています。
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売り場内も、正面の棚に面陳しているだけでなく、写真のように鉄道・乗り物のコーナーにも。
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事務所でサインをする阿川です。大量のスリップが整理されています。
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正面の棚の前で、桐谷奈美さんと。
「ページが進むにつれ、
 止められない面白さ。
 ハラハラドキドキして
 自分もすっかり物語の中にいるのです」
桐谷さんが、電車の中吊り広告にくださったコメントです。
■栄松堂書店 東京駅1番街店
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-9-1 東京駅一番街1F 地下1F
電話 03-6213-0111
営業時間 平日  7:30~21:30
     土・日 9:00~20:00
定 休 日 元旦

ブックストア談 浜松町店

 原稿のあいまに少しずつ、7月8日の書店回りのことを書いていくことにします。
 午前10時半に浜松町の駅で待ち合わせして、真っ先に訪問したのが、ブックストア談・浜松町店。
 「ブックストア談」というのは文教堂グループのお店で、浜松町店は駅から至近の貿易センタービル別館にあります。南口から徒歩1分。
 阿川の生活圏からは離れているので、初めてうかがったお店ですが、広々としていて居心地のいい店舗です。
 羽田行きモノレール乗り場にも近いということで、文庫本がよく売れるそうです。
 出迎えてくださったのは店長代理の前田直希さん、そして取締役で店長の角脇恭一さん。
 売り場を見せていただいた後、事務所にお邪魔して販売用のサイン本にサイン。色紙にもサイン。
 徳間書店からも近いということもあって、著者である阿川以外に編集部から3名、営業から2名と、大所帯でのお邪魔してご迷惑だったかもしれないのですが、暖かく迎えてくださいました。
 さっそくお店のサイトにも掲載してくださっています。
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 事務所を出たところでパチリ。
 向かって阿川の右側が門脇さん、左側が前田さん。
「やりたい仕事はできてるの?
 そこに自分の存在価値を
 見つけ出せる?
 今すぐ走り始めることが
 大切なんだよ、
 と優しく語りかけてくれる小説です。」
 文庫の帯に前田さんがくださったコメントです。
■ブックストア談 浜松町店
〒105-6102
東京都港区浜松町2-4-1
世界貿易センタービル別館2階
03-3437-5540
営業時間 10:00~21:00 (年中無休)

佳境

 夏休みのような日差し。
 暑いので自転車でスタジオへ向かいたかったけど、風が強いので無理。
 まず、月刊連載のエッセイ。
 次に週刊連載「第三企画室、出動す」の原稿。
 まさに佳境。
 フォローしているのが、書店など出版関係の人が多いので、twitter のタイムラインが直木賞芥川賞選考会の話題で埋まっている。
 どちらも読んだことのない作家ばかりだし、自分が候補になっているわけでもないので(笑)、あまり興味がわかないけど、書店の人や出版社の人は当事者なので、いろいろ喧しいのも理解できる。
 自分が小説を書いていると小説を読む時間があまりないので、いつのまにか賞にノミネートされている作家が、知らない人ばかりになっているのだな。
 いわゆる紺屋の白袴?
 午前二時過ぎ、連載の原稿が完成。
 泊まろうかと思ったけど、帰宅することにする。

本格上海料理「揚子江」

 書店回りでも立ち寄った紀伊國屋書店横浜みなとみらい店は、ちょうど家から仕事場の黄金スタジオへ向かう途中の通勤路にある。
 というわけで、ちょっと立ち寄る。
 新刊本のコーナーで伊坂幸太郎さんの本を見ていると、店内を循環している店長の古矢さんに会った。
 昼時だったので、JR桜木町駅の立ち食いそばで、冷やし天ぷらそば(430円)。
 12時過ぎ、スタジオに到着すると、前にトラックが駐まっている。
 午後1時から2時の間、というのが約束時間だったので、僕が遅れたわけじゃない。
 何はともあれ、一日でアーロンチェアが修理を終えて帰ってきた。
 修理代は約4万円。買えば13万円だし、中古でも7万円位するので、仕方のないところ。何より、12年間ヘビーデューティに使って、さらにそれが修理できる、というのが立派なことだと思う。
「第三企画室」もそろそろ大詰めで、ハイライトシーンなので、少し時間をもらって最終回までのイメージを固めることになっている。
 それとは別に完成度8割の原稿を挿絵の木内達朗さん向けに送る。
 6時過ぎまでに区切りがついたので、手じまいして、関内へ向かう。
 途中、有隣堂の伊勢佐木町本店の文庫売り場を確認。
 みなさん、「D列車でいこう」は、2階文庫売り場B9の棚にありますよ~。
 午後7時半少し前、関内弁天通りの本格上海料理「揚子江」へ。
 まもなく徳間書店の編集者TさんとMさん到着。
 Tさんは「D列車でいこう」の親本の産みの親、Mさんは文庫版の担当で徳間の営業を巻き込んでプロモーションをしかけ、発売一週間で「たちまち重版!」への仕掛けをしてくれた立役者。
 出版界の商習慣から、いつも著者は出版社にご馳走になっているで、今回は僕がホストで、ふたりにお礼をする席を設けた。
 重版かかったことだし、僕なりのお財布の範囲で、金に糸目を付けずに(!)こだわりの上海料理。
 シェフの黄さんも、腕を振るって他では食べられない料理を出してくれた。
 昼食を立ち食いそばで済ませても、こういうお金の使い方ができる程度には、小説家業をやっていけているささやかな幸福を勝手に噛みしめる夜であった。(笑)
 編集者二人と別れた後、ずっと不義理をしている馬車道の飲み屋に顔を出して帰る。

行ってらっしゃい、アーロンチェア

 午前8時、起床。
 朝食は、阪東橋の COCO’s の朝バイキング(650円+消費税)。
 午前10時半、修理のためにアーロンチェアが運び出されていく。
 臨時の椅子で、仕事を続ける。
 朝しっかり食べたので、昼食は、たぬきそば。
 午後9時、帰宅。
 ちょうど妻も帰ってきたところで、二人とも空腹だったので、家の近所の大戸屋へ。
 鉄火丼(790円)。
 椅子が違ったり、スタジオで寝泊まりしたりで、ちょっと腰痛。