午前5時半ころ、目が醒めてしまったので、そのまま起きることにする。
まずは岸壁に上がって、人目につかないところ(といっても、向かいには釣り人がいるけど)で海に向かって立ち小便。よくぞ男に生まれけり。
仕事の道具ももってきてはいるけど、まあ、やめておく。
コーヒーを淹れて見たけど、粉が湿気っていて不味かったのでやめて、紅茶にする。
共同オーナーの相方はまだ寝ているので、先にコンビニへ行って朝食を買って来ておく。ドリップのコーヒーは売っていない。
ちなみにこのコンビニ、このご時世にタバコも売っていない。対面販売でタバコを売っている店は他にもないので、三崎港ではタスポがないとタバコが調達できない。
これじゃ遠洋マグロ漁船の船員は怒るよね。
といっても、現在、実は、三崎にはあまりマグロは上がってこない。
三崎近辺で売っているマグロ、食堂で食わせるマグロは、東京築地や横浜の南部市場あたりで仕入れた物の方が多いといわれている。
三崎港に観光に来てマグロのさくを買うのはあまり意味がないので止めた方がいいです。当然、東京のスーパーと比べても安くもないし。
どうせ買うなら地魚の方がお薦め。お土産アイテムでいうならシジミの佃煮とか。
コンビニの袋を提げてもどると、ちょうど相棒が目が醒ましたので、買ってきたインスタントコーヒーを飲んでだらだら。
なんとなく食事もして歯を磨いてギターを弾いて、観光物産センターでトイレを借りて……。
とまあ、それでも午前8時半にはすることも無くなったし、周りの船もあらかた出て行ったので、こちらも出航。
風速8m/秒前後の風で、剣崎までは風向きがちょうどよくてあっというま。その間にセールを縮めておいたが、剣崎を回って観音崎へ向かうのには、真っ正面からの風でしかも向かい潮なので、ジブセールは降ろしてしまって機走に切り替える。
その間に空は雲ひとつない快晴になる。が、風が強くて波に突っ込むと、バウ(船首)から飛沫が上がりキャビンを襲ってくる。
そうなんです。ヨットは快晴でも風が強ければ濡れるわけです。
眼鏡が飛沫を受け止めて強い風でそれが直ぐに乾くので、塩を吹いて前が見にくい。
あたりも濡れては乾きの繰り返しで、塩でシャリシャリしている。
観音崎を越えてから、ふたたびジブセールをあげて帆走にもどす。
午後1時過ぎ、ホームポートにもどる。およそ4時間半の航海。
1時間ほどで片付けを済ませ、あとは続々帰ってくる船のクルーたちと雑談したりして、のんびり時間を過ごし、午後4時頃帰路につく。