いつものように公園へ出たら人が多い。そうか土曜日なんだ。
みなとみらいの “Blenz Coffee”は、逆に少し空いている。
平日は、僕のようにパソコンを持ってきている人とか、ノートを開いて勉強している人が多くて、最近けっこう流行っているのだ。
疲れたところで、大戸屋で「ロースとんかつ定食」(660円+税)。ここは安くてきれいで美味しい。いい店だなあ。
夕方家にいると、珍しく電車で仕事に出ていた妻が駅に戻ってきたので車でピックアップ。
そのまま横浜Fマリノスの練習場「マリノスタウン」にあるレストラン IVI へ。
ながいあいだ夫婦ともにめちゃめちゃいそがしくて、家でも食事というより栄養だけは考えてある「エサ」を摂っている感じだったし、今日に至ってはそれをつくる気力すら惜しいので、手を抜いてお金で解決するためにやってきたのだ。
3500円のコースがけっこうよくて大正解。今日は食事に恵まれている。
実は、夏の花火の時、オープン間もないマリノスタウンのサッカー場の夜間照明が眩しくてマンションからの花火見物に差し障りがあるので、「消していただけませんでしょうか」と、このレストランに電話をかけて丁重にお願いしたことがあった。そしたらすぐに消してくれたのだ。
食事後に店長が席にやってきたので、その話をしたら、電話に出たのがまさにその店長でよく覚えていたので、改めて花火の日のお礼を言った。
向こうは向こうで、近所に住んでいる人からレストランがどのように見えているかというのを知りたがっていて、経営の話とか、見せ方とか、そんな話をしたりして。
帰宅後は、ふたりとも仕事。
写真は、昼間、散歩の時に撮影した「マリノスタウン」。
子どもの頃、家にコロンビアの電蓄があって、SPレコードがいくつかあった。
ベートーベン 交響曲第6番「田園」 ブルーノ・ワルター ウィーンフィル
ベートーベン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 演奏家は記憶にない
これらは5枚組でそれぞれ一曲だった。 一曲聴き終わるのに何度もかけ替えるの。
その他に、モーツアルトの40番、41番なんかがあった。
レコードが回りながらアームが揺れるのが面白くて、盤面を見ながらよく聞いていた。
あるとき、この田園を聞きたくなって、探したらCDで発売されていた。なんと1936年の録音だ。
CDなのにスクラッチノイズがあるし、もちろんモノラルだし音は悪い。
仕事のBGMにワルターの田園を久しぶりにかけてみた。
最初「音が悪いなあ」とまず思うのだけれど、ずっと聞いているとそんなことは関係なくなっていつのまにか引き込まれているのだ。
ときどき不思議な懐かしさを感じる。どの田園ともちがう、幼少の記憶の奥にある田園だとしみじみ思う。意識しないでものすごく細部が魂の中に刻まれているのだと思う。
やがて、小学校4年で大阪の豊中に引っ越して、そこで初めてLPレコードのクラシックを買ってもらう。
カラヤン・ベルリンフィルの「運命・未完成」。
これも同じモノラルの電蓄で散々聴いた。なにしろ、他にほとんどレコードがなかったから、毎日家に帰ると裏表をそれぞれ二回ぐらい聴いていた時期がある。
たぶん、あらゆるレコードやCDのなかで、いちばん繰り返し聞いた曲だと思う。その前もあとも、これほど聴いた曲はない。
まだ家にあるけれど、擦り切れていて、音がシャアシャアいうし、針の重いモノラル電蓄で何度も聞いたせいで、ステレオ録音のはずなのに、音はほとんどモノラルになってしまっている。