日: 2007年5月21日

コザのミュージシャンと池波志乃

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 事務的なことがあって集中できないので、池波志乃さんのエッセイ集「食物のある風景」(徳間書店)を読んでいた。
 打合せの時に編集者からこの本の話を聞いていて、あとから送ってもらったものだ。
 ところがなんでこの本を送ってくれたか、という理由を忘れてしまっていて、それで、たまたまなんとなく書棚から手にとって今日になって読んだわけだ。
 志乃さんが育った下町の食文化の話ではじまっている上品なエッセイを静かに読んでいるうちに、志乃さんがいま半分は沖縄に住んでいるということがわかってきて、「ああそうだ、沖縄が舞台の小説を書いている」とTさんに話をしたので池波志乃さんの話になったのだと思い出してきた。
 で、途中、志乃さんが女優をやめていまは社長になっているという話が出てきて、なんとそれは沖縄のミュージシャンを売り出すためだということで、それでもって、そのミュージシャンとはB-Tripperだということがわかった。
 そのバンドのボーカル&ギタリストが武川勝太というのだけど、僕は彼がコザでやっていたバーに行ったことがあったし、前回、コザにいったときにも2回、彼の演奏を聴いたのだった。
 バーをやめたのは本土で音楽の仕事をするようになったからだと聞いていて、なんと、それが池波志乃さんの仕業だったということなのか。
 コザのミュージシャンの世界はとっても横のつながりが強くて、狭い世界といえば狭い世界ではあるのだけど、それにしても、徳間書店を経由して、こういう風につながるとは思ってもいなかった。
 で、その沖縄が舞台の僕の小説だけど、また版元都合で延びて来年4月以降の発売になってしまった。 これに取りかかるつもりで、他の仕事の営業していなかったので、年内に少なくとももう1冊出したいという予定が急にピンチになってしまった。

動物自由化楽団

 おかげで、今日は朝型です。
 午後になって、やっとシャワーを浴びてさっぱりして、Napster につないで、たまたまみつけたALOというバンドの “Roses and Clover” というアルバムを聴く。
 力の抜けたいいバンドだなあ。
 レコーディングもシンプルで楽器の音がそのまま出ています。だから単純なのにビビッドで、自分がバンドで演奏しているときに聴いている音に近いです。
(すみません、僕はローリングストーンズを聴きに行っても、舞台を背にして観客席を見て、自分が演奏している気分にひたるし、クラシックの演奏会では指揮者になったつもりで聴いていたりします)
 日本ではこういうバンドはデビューしにくいなあ。日本人のセンスでいうところの「売り」がないのです。でも、すごくいいわけ。
 
 拙著『D列車でいこう』で出てくるバンドコンテストの優勝者の演奏が実はこういうイメージです。
 ALOってなんだろうと調べてみたら “Animal Liberation Orchestra” だそうで。
 僕は今日初めて知ったのですが、このバンド有名なんでしょうか。