お知らせです。
月刊FORBES 2009年11月号(最終号)の「喜怒哀楽」というところに、エッセイ「天才に神が与えたもの」が掲載されています。
昨日、オーストリアとハンガリーへの出張を終えて、妻が帰ってきた。
ひとりだと面倒で、あまり料理も作る気がしないこともあり、冷蔵庫は空っぽ。
そろそろ「買い物をせねば」状態。
お酢だとか、めんつゆだとか、ビン物も切れているし、金麦もない。
雨の中、スーパーで食料品を8000円ほど。
あとは、スターバックスへ行ったりして読書。
『脱「ひとり勝ち」文明論』(清水浩 ミシマ社・刊)。
思わず、横に線を引きながら読んでしまいましたよ。
これ、本当に文明論です。しかも、「いま」必要な。
スタジオに出ない一日でした。
連載から書き下ろしに頭を切り換える緩衝の日。
ゆっくり目に出勤。
途中、桜木町の松屋で牛丼(並380円)。
久しぶりに小説を読もうと思い、ちょうど先日、著者本人からいただいた「八月十五日の夜会」(蓮見圭一 新潮社・刊)。
小説らしい小説。
途中、伊勢佐木町へ出て、通帳の記帳。
あと、ガムテープ(580円)。
ローソンストア100で買ったのを使って、荷物を送ろうとしたら、10分ほどで段ボールからテープが剥がれてくる始末。
100円ショップで失敗したことないんだけど。
ちなみにローソンストア100のレギュラーコーヒー(85g 105円)が小口で使い勝手がいいうえに、けっこう美味しい。
午後7時少し前、当の蓮見圭一さんと、T書店T編集長が来訪。
近くの一流のB級中華料理店「聚香園」で食事。
伊勢佐木町を歩いて吉田町まで。
そこで正統派バーにて、午前2時前まで。
小説論、アートについて、などなど、高校生のように語り合った。
と、書いてみて、みんな高校生の頃にそういう話をするものなのだろうか、とふと疑問になる。
僕が高校生の時の話題といえば、政治とアートとセックスのことばかりだったのだけど。
「第三企画室、出動す」 (日経ビジネスオンライン)
アクセスランキング、8月18日午前9時30分現在、アクセス1位。
本文は、こちらからどうぞ。
時々、作品を読んでくださった読者の方からメールをいただくことがある。
「『フェイク・ゲーム』、図書館で借りて読みました。とても面白かったので、次は『D列車でいこう』も借りようと思います」
とまあ、そんなことを書いてくださっていたりする。
これには思わず苦笑してしまう。
もちろん、世に出した作品を多くの読者に読んでいただけるのはうれしいことだ。しかし、一方で、小説家は、本を買ってくださる読者の方からの浄財で生計を立てている。
いくら読んでくださっても、本を買っていただかないと、明日への糧(比喩的表現でなく文字通り「食べ物」のこと)が手に入らないのだ。
僕がデビューする前、とある翻訳家にお目にかかった。
「すみません、××(その方の訳書のタイトル)、買わせていただいたままで、まだ読んでいないのです」
と挨拶の時に恐縮していた。
するとその翻訳家はさらりといったのだ。
「いいんですよ、読むのはいつでも。買ってくだされば、それで生活できますので」
そのときまで僕は勘違いしていた。当たり前のことが頭から抜け落ちていたことに気づかされた。
僕の目の前にいる人は、プロフェッショナルなのだと。
世の中に、何かを書きたい、それを本にして読んでもらいたい、という人は少なからずいる。
たとえば、定年退職して自分史を出版した人は、自分でお金を出してでも本を作り、自己実現の一環として、それを多くの人に読んで欲しいと思っている。
小説家デビューを目指している人にも、ひとりでも多くの人に自分の作品を読んでもらいたいと思っている人は多いだろう。そのために自費出版をする人もいる。
たしかに、プロにとっても、本を出すことは自己実現ではある。
けれど、それは職業を通じての自己実現であるから、「読んで欲しい」というのは「買って読んで欲しい」ということなのだ。
図書館で読まないでくれ、ということではない。
図書館という公共システムがあり、それを十二分に利用するのは推奨されるべきことだ。
たくさんの読者の方が、阿川の本を図書館で読んでくださっているのを知っている。
横浜市立図書館だけで『覇権の標的』は、おそらく数百人の方に貸し出されている。
それはありがたいことだと思っている。
しかし、著者に感想をお寄せいただくときに、図書館でお読みになったとしても、ことさら図書館で読んだことに言及しないでくださると、著者としてはなお心安らかなのである。
阿川の本を図書館で読んでくださっても結構なのです。いや、どういう方法であろうと、ぜひ読んで頂きたい。が、どうか図書館でお読みになったという事実は「阿川には内緒」にしておいて戴きたい。
そして、図書館で阿川の本を読んで面白かったと思って戴けたのならば、できれば、次回は書店にて購入してくださるとありがたく存じる次第です。
本日もあまり枚数が進まない。あと二、三日で連載にもどらなければならないのに。
夜、歌人のHさん来訪。グループで出している歌集を頂戴する。
帰宅したら、小学館から新しい月刊小説誌 Story Box が届いていた。
なんと、文庫サイズ。価格税込500円。
たしかにあの文藝春秋のサイズでは今どき読みにくいし持ち歩きたくない。
若い人は文庫で小説を読む、というのもそうだろう。
ニーズにより近づけているのはたしかだ。
新しいチャレンジなので、これが月刊雑誌であると理解され、うまく書店に並ぶまでに苦労がありそうだけれど、がんばって欲しい。
(分類の上ではふつうの文庫本あつかいなのかな)
思えば、小学館の人から新小説誌の話を聞いたのは、2006年くらいじゃなかったかな。長い長い紆余曲折の後のチャレンジが成功するといいと思う。
妻が旅行から戻ってきたので、久々に夕食を自宅で摂る。
夢の遊眠社の創立メンバーで現在東京芸術劇場(芸術監督が野田秀樹)の副館長・高萩宏さんが「僕と演劇と夢の遊眠社」(日本経済新聞出版社)を上梓したので、出版記念パーティに招かれて行ってきました。
250人ほどの大パーティ。
演劇関係者が中心で小田島雄志さん、扇田昭彦さんなんかも発起人。
野田秀樹も発起人だけど来なかった。(笑)
結構、平均年齢の高いパーティ(笑)
途中、遊眠社初期のメンバーということで、田山涼成、上杉祥三、松浦佐知子、川俣しのぶの俳優陣と並んでステージ立ち、ちょっとスピーチしました。
帰りに電車でさっそく読み始めたけど、けっこう面白い。
演劇を、内容に妥協せずにきちんとペイするビジネスにしたという意味で、夢の遊眠社とプロデューサーだった高萩宏の功績は、やっぱり大きいものだと再確認した次第です。
よい芝居と商業性は対立すると、当時の多くの演劇人は決めつけていたところがあった。
演劇というのは金にならない、とみんなが思いこんでいた中で、はっきりとその点を変革したのは、(友達が書いた本であるということを別にしても)日本の文化史の中でやはり、記録されておくべきことで、その意味で、よい本だと思います。
遊眠社にいたことはやっぱり僕の人生に大きな影響を与えています。
芝居の世界でも、文学座とか、青年座とか、そういう既存のエスタブリッシュメントはあったのだけれど、そのまったく外に、新しく道を創ることができるのだ、ということを実際に体験したことで、僕の人生の選択は自然に広くなった。
目的に到達するために、道を選ぶだけでなく、場合によっては道から造ればいいのだ、と。
遊眠社は、演劇に於けるアントレプレナーシップそのものだった。
あらためて、よい友人に恵まれていい時間を過ごしたのだと、思いました。
何人かの友人たちに久しぶりにあったけど、考え事をしたくて、まっすぐに帰ってきました。
疲れが溜まっていたので、8時間眠った。
けっこう元気になった。寝るっていいね。
スタジオに出て、明日のために、窓ガラスを7枚みがいた。
さらに元気になった。体を動かすっていいね。
ランチは回転寿司。740円。
あんまり美味しい寿司屋じゃなかったけど、僕はきっとさっぱりしたものが食べたかったのだろう。
夜7時、ちかくのシネマ・ジャック&ベティのカフェで檀原照和さんの『消えた横浜娼婦たち』(データハウス)という本の発売記念(?)トークイベント。
(1300円+当日限定特別価格の本1500円)
まさに、黄金町の歴史について資料をたどり、聞き取り取材をした、もう一つの横浜史とでもいうべき話。
檀原さんに初めてお目にかかったのは2007年12月14日だった。いま、ジャック&ベティの経営をしている3人の人たちが「黄金町プロジェクト解散説明会」をジャック&ベティで開いた、その日だ。
その日を境に、僕は黄金町の再開発にどうやって関わっていこうかと考え始めたのだ。それがこの4月から黄金町のスタジオに入居することになったことのすべての始まりだった。
というわけで、檀原さんの本で黄金町の歴史を学び直してみたいと思う。
終了後、ちょっとしたレセプション。(食事代500円+緑茶ペットボトル200円)
午後9時、スタジオに戻り、午前0時半まで仕事。
午後5時半、徳間書店の編集者Tさんが、「フェイク・ゲーム」の見本10部をもって、黄金町のスタジオへ来てくれました。
早いところでは、今週末ぐらいは書店の店頭にならびそうです。
黄金町周辺の「観光ガイド」をしたあと、ふたりで野毛で打ち上げ。
歌舞伎町を一人で生きようとした二人の女がいた。
出自も国籍も違うふたりの人生がクロスしたとき、悲劇は起こった。
書下ろし長編サスペンス
(表紙画像はプロトタイプです)
新刊『フェイク・ゲーム』(徳間書店)の予約受付が始まりました。
e-hon セブン&ワイ 本やタウン yahoo ブックス
実は著者ワタクシ、これを見て、初めて自分の本の販売価格を知りました。