「本の雑誌」 2007上半期ベスト1

「本の雑誌」8月号の特集「2007上半期ベスト1」において、阿川大樹の『D列車でいこう』が エンターテインメント・ベスト10 にランキングされました。

本日届いた本

 夜の来訪者 プリーストリー・作 安藤貞雄・訳 岩波文庫 560円
 変わる商店街 中沢孝夫・著 岩波新書 700円
 地域再生の経済学 神野直彦・著 中公新書 680円
 まちづくりの実践 田村明・著 岩波新書 700円
 日本「地下経済」白書 門倉貴史・著 祥伝社黄金文庫 571円
「夜のオンナ」はいくら稼ぐか? 門倉貴史・著 角川oneテーマ文庫 686円
  以上、値段は本体価格。

週刊ブックレビュー

 24日朝の放送は出かけていて見ることができなかったので、帰宅後、深夜の再放送で見た。
 著者近影(笑)と経歴がしばらく映し出されたのは、とってもこそばゆいぞ。
 内容は、司会・藤沢周(作家)、中江有里(女優・脚本家)の2人と伊佐山ひろ子 (女優)、逢坂剛 (作家)、吉田伸子 (書評家)の5人が『D列車でいこう』をよってたかって批評、というか誉めてくれる番組になっておりました。
 ちょっとネタバレもあったけど。(特に逢坂剛さん)
 逢坂剛さんが、小さな不満を口にしたとき、拙著を「おすすめの1冊」に選んでくれた吉田伸子さんが、「そこがいいんじゃないですか」といって反論してくれて、その瞬間に中江有里さんがうんうんとうなずく瞬間をカメラがしっかり切り取っていて、それが番組としてのハイライトシーンかな。
「吉田さんは、面白い本を見つけてくる天才ですね」という逢坂剛さんの開口一番がなかなかいいキャッチコピーになってました。
 朝の放送から不在の間、複数の人が amazon の売上順位をウォッチしてくれていて、それをまとめてエクセルの表に入力して、「週刊ブックレビューによる amazon の反応」という資料ができたので、編集者にメールで送っておく。
 僕はベースが理科系なので、こういうデータを見るのが大好き。
 最高位は25日午前0時20分ごろに記録した63位のようです。
「レイモンド・チャンドラー+村上春樹」という超強力コンビと抜きつ抜かれつのデッドヒートを繰り広げていたようすが、数字としてすごく面白かった。
 いや、チャンドラーといえば、ハードボイルドの金字塔のような作家だし、村上春樹といえば「村上チルドレン」と呼ばれる一群の作家まで産み出した日本文学界の寵児だし、一時的にせよ、そういう作家の本と売上順位で並ぶなんてのは、デビュー2作目のかけだし作家としては、すごいことであります。(まあ、時間と共に水を空けられることは目に見えてはいるけどさ)
 NHK「週刊ブックレビュー」のサイトは こちら

なぜジュンク堂で売れるのか

 池袋へ。
 というのも『D列車でいこう』の販売POSデータで池袋ジュンク堂が目立って売れ行きがいい。(て、たいしたこたあないんだが)
 池袋はなぜか他の書店も割といい。こういう風に数字に何かが出ると、がぜん理科系心が刺激されて、その原因を調べたくなるのだ。今後の販売拡張のヒントがそこにあるかもしれないし。
 というわけで、夕方、家を出て池袋へ。
 さっそくジュンク堂へ行くと、まず、1階レジ前の新刊の棚に3冊並べて入っている。つぎに3階文芸書の新刊コーナーに面出しで、そしてミステリーの著者50音順の棚に2冊並べて、と、3箇所で売られている。単純に売り場面積の問題なのか。
 ジュンク堂という書店、レジはレジで大きな病院の会計カウンターみたいにずらりと並んだところにひっきりなしに客が来ている。なんでもそろう品揃えが魅力なのだけど、しかし、ジュンク堂の店員さんは、よく動いて売り場を見ている。大きいだけでなく、本を売ることに対する情熱のちがいを感じる。
 池袋駅に戻る途中、吉野家で牛丼を食べて新宿へ。
 紀伊國屋本店では、経済小説の棚に平積。
 でも、ここの経済小説の棚は棚自体ブラインドになっていて場所が悪いんだよなあ。本当は「エンターテインメント」に置いてもらう方が売れると思うんだけど。
 ジュンク堂も紀伊國屋も、夕方の混雑時間帯だったので、店員さんに挨拶するのは遠慮しておく。書店員は売るのが仕事だからその本番中に著者がじゃまするのはマズイと思うのだ。
 あとは、ゴールデン街のなじみの店に2軒ほど立ち寄って飲んだり喋ったり。
 ただいまのところ、ゴールデン街に1軒だけ『D列車でいこう』のポスターが貼ってある店があります。さあ、どなたか探してみませんか?(笑)
 終電少し前に帰宅。

コザのミュージシャンと池波志乃

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 事務的なことがあって集中できないので、池波志乃さんのエッセイ集「食物のある風景」(徳間書店)を読んでいた。
 打合せの時に編集者からこの本の話を聞いていて、あとから送ってもらったものだ。
 ところがなんでこの本を送ってくれたか、という理由を忘れてしまっていて、それで、たまたまなんとなく書棚から手にとって今日になって読んだわけだ。
 志乃さんが育った下町の食文化の話ではじまっている上品なエッセイを静かに読んでいるうちに、志乃さんがいま半分は沖縄に住んでいるということがわかってきて、「ああそうだ、沖縄が舞台の小説を書いている」とTさんに話をしたので池波志乃さんの話になったのだと思い出してきた。
 で、途中、志乃さんが女優をやめていまは社長になっているという話が出てきて、なんとそれは沖縄のミュージシャンを売り出すためだということで、それでもって、そのミュージシャンとはB-Tripperだということがわかった。
 そのバンドのボーカル&ギタリストが武川勝太というのだけど、僕は彼がコザでやっていたバーに行ったことがあったし、前回、コザにいったときにも2回、彼の演奏を聴いたのだった。
 バーをやめたのは本土で音楽の仕事をするようになったからだと聞いていて、なんと、それが池波志乃さんの仕業だったということなのか。
 コザのミュージシャンの世界はとっても横のつながりが強くて、狭い世界といえば狭い世界ではあるのだけど、それにしても、徳間書店を経由して、こういう風につながるとは思ってもいなかった。
 で、その沖縄が舞台の僕の小説だけど、また版元都合で延びて来年4月以降の発売になってしまった。 これに取りかかるつもりで、他の仕事の営業していなかったので、年内に少なくとももう1冊出したいという予定が急にピンチになってしまった。

今週のアメリカウォッチング

“State of Denial, Bob Woodward”
 注文しました。
 僕が買うまでランキングが「なし」だったので、日本のアマゾンで最初に注文した人になったみたい。(だからなんなんだ)
 “Bush at War” , “Plan of Atack” につづく、ワシントンポストの記者 Bob Woodward の第三部です。 (ウォーターゲート事件のスクープでピューリッツァー賞を獲っている人)
 でも、いつ読むんだ。
 読まないうちにペーペーバックがでちゃうような気がする。
 ヒラリー・クリントンの自伝 “Living HIstory” もハードカバーで買ったんだけどねえ。
 映画 “United 93” の原作の元になった本だとおもう “Let’s Roll!” もハードカバーで買ったんだけど、よまないうちに映画までできちゃった。アメリカでは DVD も出ている。

「みんなの意見」は案外正しい

本日、amazon から届いた本。これも執筆資料です。
「みんなの意見」は案外正しい
  ジェームズ・スロウィッキー(著)
  小高尚子(訳)
  角川書店 1600円
ブルー・オーシャン戦略
  W・チャン・キム レネ・モボルニュ (著)
  有賀裕子 (訳)
  ランダムハウス講談社 1900円

今日、届いた本

執筆資料
“Six Degrees”
The Sience Of A Connected Age
Duncan J. Watts
W W Norton & Co
 地球上のあらゆる人があいだに6人を隔ててつながっているという、いわゆる「Small World 理論」の原典。
「ロングテールの法則」
菅谷義博
東洋経済新報社
 売れないもののたくさんの集まりが売れるものを凌駕する、というインターネット時代の考え方。