日: 2009年8月2日

「僕と演劇と夢の遊眠社」

 夢の遊眠社の創立メンバーで現在東京芸術劇場(芸術監督が野田秀樹)の副館長・高萩宏さんが「僕と演劇と夢の遊眠社」(日本経済新聞出版社)を上梓したので、出版記念パーティに招かれて行ってきました。
 250人ほどの大パーティ。
 演劇関係者が中心で小田島雄志さん、扇田昭彦さんなんかも発起人。
 野田秀樹も発起人だけど来なかった。(笑)
 結構、平均年齢の高いパーティ(笑)
 途中、遊眠社初期のメンバーということで、田山涼成、上杉祥三、松浦佐知子、川俣しのぶの俳優陣と並んでステージ立ち、ちょっとスピーチしました。
 帰りに電車でさっそく読み始めたけど、けっこう面白い。
 演劇を、内容に妥協せずにきちんとペイするビジネスにしたという意味で、夢の遊眠社とプロデューサーだった高萩宏の功績は、やっぱり大きいものだと再確認した次第です。
 よい芝居と商業性は対立すると、当時の多くの演劇人は決めつけていたところがあった。
 演劇というのは金にならない、とみんなが思いこんでいた中で、はっきりとその点を変革したのは、(友達が書いた本であるということを別にしても)日本の文化史の中でやはり、記録されておくべきことで、その意味で、よい本だと思います。
 遊眠社にいたことはやっぱり僕の人生に大きな影響を与えています。
 芝居の世界でも、文学座とか、青年座とか、そういう既存のエスタブリッシュメントはあったのだけれど、そのまったく外に、新しく道を創ることができるのだ、ということを実際に体験したことで、僕の人生の選択は自然に広くなった。
 目的に到達するために、道を選ぶだけでなく、場合によっては道から造ればいいのだ、と。
 遊眠社は、演劇に於けるアントレプレナーシップそのものだった。
 あらためて、よい友人に恵まれていい時間を過ごしたのだと、思いました。
 何人かの友人たちに久しぶりにあったけど、考え事をしたくて、まっすぐに帰ってきました。