日: 2020年2月2日

趣味の楽しみ方

 高校生の頃始めたアマチュア無線、途中永らく中断していたのだけど、一昨年、改めて昔のコールサインで再開局した。いわゆるカムバックハムだ。
 新しい無線機やアンテナを買ったりしてるが、いかんせん、実際に電波を出して交信する時間が無い。
 むしろ、次にどの無線機を買うか、とか、運用するときに快適に運用できるシステム作りとか、アンテナの調整とか、そういうことが楽しい。

 本日は、届いた部品をオートバイに取りつけてアンテナを設置する工事。
 後ろにアンテナ基台をつけて、内部に同軸ケーブルを通して、ハンドルの所まで引っ張ってくる。
 簡単な作業だと思ったが、手間を省いて、狭いところにカバーを外さずにケーブルを通そうとしたら、先端が変な隙間に入り込んだらしく、ひっぱても抜けず、にっちもさっちも行かない状態になる。あわやガソリンタンクまで外さなければならないところまでいった。
 幸いそこそこのところで解決して、無事にアンテナの設置は完了。
 測定器を持ってきて、SWRが低くなるようにカウンターポイズを調整して、思った以上にすばらしい数値に調整できた。
 20分ほどの作業だと思ったのが1時間以上かかったけど、その間、楽しかったので、トラブルがあって得をした感じ。そう、趣味というのはそういうものだ。
 そして、アンテナがついたけれど、それで電波を出したりはしなかった。

 ツーリングは一人で行くのが基本で、グループツーリングはしないので、走りながら交信する気はないけれど、ちょっと見晴らしのいいところに駐めて、誰かを呼んでみることができるようにしようということだ。
 実際に、そういうことをするかどうかは分からないけれど、やろうと思ったらできる、という仕組みを実現するところが楽しいわけ。

 あまりにも楽しかったのので、居間に写真用三脚で小型のロッドアンテナを立てて、カウンターポイズをつけたときの特性を測りながら長さや方向の調整をした。
 次には、短波帯用のアンテナチューナーにつけるためのカウンターポイズ作り。
 片側に圧着端子、反対側にギボシをつけた短いケーブルを作り、その先にギボシでつなぐ、さまざまな長さのカウンターポイズを制作。一部の物には蓑虫クリップをつくって、ヨットのマストやライフラインの繋げるようにした。金属製の巻き尺に繋げば、簡単に長さを変えられるカウンターポイズにもなる。
 そういえば、ここで想定しているアンテナチューナー CAT-10 も3年前に買って、一度も使っていない。僕にとって「使う」とは、この機材に電波を通すことではなく、「この機材のためのケーブルを制作する」ということだったりするわけだ。

 使わないのにお金と時間をかけるのは無駄だと思う人もいるかもしれないけど、趣味というのは何を楽しむか人それぞれで、使う時間ではなく、使えるようにする時間を楽しみ、そのために機材を買って揃える、という楽しみ。
 ある人は、「何を買うか考えるところに時間を使うのが楽しみで、買った後にそれを使うなんて時間の無駄だ、そんなことには時間を使わず、次ぎに何を買うか考えるのに使う」という。
 僕も実際、それに近い。買ったけど、使ったことのない無線機やアンテナがある。