日: 2012年8月16日

イタリア生活、よいところ悪いところ

イタリア(ベネチア)にほぼ3ヶ月住んでみて、気づいた所をまとめて見た。
【イタリアの生活のよいところ】
 食材がだいたい日本の値段の4分の1、種類も豊富で美味しい。
 ワインが1リットル200円くらい。
 食材などは量り売りなので無駄が出ない。
 包装が簡単なのでゴミがあまり出ない。
 個人商店が多く物を買うのが楽しい。
 広場があって地域のコミュニティがある。
 近所の音や声がよく聞こえる。
 電話やネットも安い。
 文化や芸術も天こ盛り、値段も安い。
 人々がのんびりしている。
 暮らし方の種類がいろいろで、他人に干渉しない。
 完璧なサービスを仕事を期待するあまりに、そうでないことに苛立ったり、他人の出来の悪さをあげつらったり、そういうピリピリした空気がない。
 ちょうどよい加減にいい加減。
【イタリア生活のよくない(?)ところ】
 壊れたものはなかなか治らない。
 色々いい加減。
 いちいち長い行列ができる。
 列が短いからといって時間がかからないかどうかはわからない。
 (自分の番が来たら必要な時間をたっぷりとりたいから、窓口で長く時間を使う人がいても互いに許す)
 近所の音や声がよく聞こえる。
 (迷惑をかけないように息をひそめて暮らすのではなく、お互いに迷惑かけ合い許し合う暮らし)
 商店の営業時間がまちまちで昼休みもあるので、個別に営業時間を知っていないと買い物ができない。
 夜中には何も買えない。(コンビニはない)
 公的機関の情報がしばしば間違っている。
 掲示や公式サイトではなくいちいち人を辿って確かめていかないと正確な情報、必要な情報が手に入らない。
 (「わかんなかったら聞けよ」方式:情報の基本は口伝?)
 (現場にマニュアルもないから、訊いて担当者がわからないとき、担当者は知っている誰かに順番に聞いて回る。だから窓口でやたら時間がかかったりする)
 (はなからものごとを文書で周知徹底しようと思っていないみたい)
 お店も話をしないと欲しい物が出てこない。
 (まさかないだろうと思って訊いてみると、びっくり、奥から出てきたりする)
 でも、すべて最初からそういうものだと思っていれば、特に問題でもないから、悪いところはとりたててないともいえる。
 ようするに、ものごとを最短距離で効率的にやろう、などという野望を持たなければ、何も問題はない。
「完璧」はいろいろ高くつくから、完璧を目指そうと思っていない社会。
「いい加減」といってもずるいのではなくて、「お互いに不十分」なのを許し合っているからフェア。
(こっちはちゃんとしているんだから、そっちもちゃんとしろ、と迫ったりしない)
 その結果として、とても暮らしやすい社会ができている。
ちなみに、
 電気料金は日本の1.5倍くらい。
 一人当たりGDPは日本の7割くらい。
 原発をやめて高い電気料金になって、GDPが7割くらいまで下がった日本の暮らしを考えたとき、十分、幸福に暮らせるんだよ、というロールモデルになっているかもしれない。(もちろんそう簡単には比較できないのだけれど)
 どっちにしろ、いまの日本にいるよりずっと暮らしやすい。
 できれば日本に帰りたくない。