新橋の第一ホテル東京にて、日本推理作家協会賞贈呈式とパーティ。
早めに出て出先で原稿を書くつもりが、いつもとちがう格好をしようと思うと、ワイシャツがどうの、ベルトはどこにしまったっけ、と結局ぎりぎりになったので、珍しくノートパソコンを持たずに手ぶらで家を出る。
本日、お出かけの iPod は、スガシカオと宇多田ヒカル。
入口ですがやみつるさんと合流。
パーティでは次々にいろいろな人を紹介してもらう。駆けだし作家にとって、パーティは営業の場なので、料理を食べているヒマはない。が、すがやさんまで料理が食べられないのは申し訳ないけど、ここはすっかりお世話になることにする。
オンラインでは十数年の知り合いでもある鈴木輝一郎さんにも初めて会う。修業時代にいろいろ教えてもらった人でもある。
「名刺たくさんもってます? 作品のストックありますね」
「もちろん!」
というわけで、輝一郎さんにつれられて、まずは、理事長の大沢在昌さんに挨拶。
田中光二さんと話しをしているとすぐ横にいる北方謙三さんの葉巻が匂ってくる。
ソフトボールでいっしょだった人たちともあらためて名刺交換。
宮部みゆきさんを遠くで見たり、あれ? やたら女性に囲まれているのは東野圭吾さん? などと、ミーハーしたり。
というわけで、料理は一皿、お酒も4杯ぐらいは飲みましたが、編集者、作家、合わせて二十五人ほど名刺交換しました。
ところで、こういう文壇系パーティには必ず銀座のきれいなおねえさんたちがたくさんいて、立ち話しているところへ、カウンターからお酒を持ってきてくれたりする。
それはもうかなりきれい。もちろん彼女たちはそれぞれに営業に来ているわけだ。協会の重鎮がたくさんお金を使っている証でもある(笑)。
彼女たちは別の意味で人を選別する能力に長けている。いわゆる職業的直感というやつ。観察していると実は瞬間瞬間に「客になるか」つまり「成功しているか」または「成功しそうか」を判定するための視線を配っている。そこで視線の動きを見ていると、彼女たちの視線の止まり方で、彼女たちの直感がなにを悟ったかがわかる。
そんななか、本日の収穫としてかなりうれしかったのは、僕への視線が「成功しそう」判定の視線だったということ。
彼女たちの人を見る目=直感が正しかったことを、僕も結果で示したいものだ。(笑) だからって、特別そういうお店に行きたいってわけじゃないけれどね。
終了後は、すがやみつるさんと、新宿ゴールデン街へ。
でも、よゐこは電車のあるうちに帰りましたとさ。
16本セットの原稿をなんとか納品。
10本ぐらいまでは順調だったけれど、残り6本はかなり苦しんだ。1本ならとても簡単だけれど、似た原稿を16本書くのは160倍ぐらいたいへん。
サッカーは、イタリア対オーストラリア。
後半ロスタイムでPK勝ち。これぞ劣勢での勝ち方のお手本。さすがイタリア。
いまの日本には到底できない試合運びだった。
頭の切替に読書。
「隠蔽捜査」(今野敏 新潮社) 吉川英治新人文学賞受賞作。
テーマの設定が拙著「覇権の標的」と共通するところがあると思った。
さあて、いったん寝ましょうか。