黄金町はオープンスタジオ。
午後1時過ぎ、ツアーの人たちが来訪。
説明が終わった後、ふだん非公開のもと「ちょんの間」の建物の内部を見る。
売春が行われていた当時のまま残っている。
壁にはタイの国王の肖像。神棚。
カウンターには業務用の箱のコンドーム。
部屋には布団が敷いたまま、そこに住んでいた女性の靴や私服、コスプレ用と見られる衣装などもそのまま。
ものすごい数のぬいぐるみがあった。
「手入れ」があったときのままの状態そのままだ。
建物の構造はまるで忍者屋敷で、隣の家とドア一枚で繋がっている。
取り締まりを想定した独特の様式だ。
昭和史の歴史的遺産ともいえる。
スタジオにもどって原稿の続き。
最後のレタッチをのぞいて完成したので、縦書きのプリトアウトをつくって本日は終了。
服飾デザイナーの伊東純子さんのアトリエへ。
アーチストの小林孝一郎さん、オハイオ州コロンバスから来ている女性、などとともに、零時過ぎまで飲んで話す。
阿川大樹です。
ここは、横浜市に生まれた人なら「あの町には行ってはいけない」と言われて育った町、黒澤明の『天国と地獄』では麻薬の町として描かれ、わずか数年前まで200軒を越す違法売春飲食店(いわゆる「ちょんの間」)が立ち並んでいた黄金町です。
いま、拙著『D列車で行こう』(徳間書店)さながらに、町の再生を賭けて、地域と行政がアーチストのアトリエとしての利用を軸に、新しい町おこしをはじめています。
阿川大樹は「黄金町ストーリースタジオ by 阿川大樹」と銘打って、京浜急行のガード下に作られた真新しいスタジオの入居者の一人として、執筆の拠点を置くことになりました。
大きな窓の外には大岡川の水面と桜並木、反対側には老朽化した店舗で営業を続ける古い飲食店が見えます。
新住民による新たな息吹と昭和の残像、怪しいものと健全なもの、古いものと新しいものが、清濁混交しつつ存在しています。
希有にして不思議な黄金町地域へ、横浜方面へお越しの節は、ぜひお訪ねください。
(参考URL)
黄金町エリアマネージメントセンター
http://www.koganecho.net/
ヨコハマ経済新聞
http://www.hamakei.com/column/135/
ほんの少し前のようす
http://www2.tba.t-com.ne.jp/oldyokohama/kogane.htm
http://erowriter.at.infoseek.co.jp/kanagawa_koganecho/kanagawa_koganecho.html
新住民によるマイクロビジネス群
http://koganecho.sakura.tv/
阿川のスタジオのようす
http://ameblo.jp/koganechobazaar/entry-10245841527.html
阿川大樹公式サイト へ