日: 2010年4月30日

いすみ鉄道に行ってきた

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 千葉県に、いすみ鉄道という鉄道がある。
 ここで自腹で700万円支払って運転士になりたい人を募集している。
 3年前に書いた拙著『D列車でいこう』(徳間書店)と同じアイデアだ。
 いすみ鉄道の経営陣が『D列車でいこう』を読んだかどうかは知らないけれど、どちらにしても小説に書いてあることが現実に起こっているわけだ。
 というわけで、いすみ鉄道を訪ねてみた。
 4月30日、連休中といえば連休中ともいえる平日。
 午前7時過ぎに横浜を GB250 で出発。
 午前9時、アクアライン経由でいすみ鉄道大多喜駅に到着。
 この駅はちょうど上下線がすれちがう場所になっているので、線路も2本とホームも2つ。
 それに操車場にもう1トラック。
 ボランティアの人が咲かせているらしい草花とか、なんとなく一所懸命な空気をまとった田舎の駅だ。
 列車はワンマンで運行されているので、改札はなく、ホームへは自由に出入りできるのだけど、「撮影などの目的でホームへ出入りする場合は入場券をかってください」と書かれている。
 経営の苦しい鉄道に少しでも協力しようということで、さっそく入場券(170円)を買って駅構内に入った。
 運よく、間もなく両方向から列車が入って来て、ゆっくり時間をかけてすれ違っていく姿を見ることができた。
 ポイントは手動らしく、列車が通過するのに合わせて、駅舎から作業着を着た人が出てきて、線路に立って操作していた。
 卓上カレンダー(300円)を買い、メッセージカード(1枚100円)に『D列車でいこう』の宣伝を書いた。
 ゆっくり時間を過ごしても時刻はまだ午前10時。
 駅前に食堂のようなところがあって、「閉門」という札がかかっているけど、人がいて入口は開いている。
 午前11時オープンなのだそうだけど、無理を言って「かき揚げそば」(530円)を食べさせてもらった。
 今度はゆっくり時間をとって、列車にも乗ってみよう。
 午後12時30分、横浜に帰着。
 天気はよかったけど、けっこう空気は冷たくて、身体が冷えた。
 首都高の交通量の多いところもあったけれど、まったく渋滞には出会わなかった。
 いったん自宅に寄ったあと、仕事場へ出る。
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連載小説「第三企画室、出動す」一周年

 昨年の5月11日から始まった「第三企画室、出動す」が連載1周年を迎えた。
 小説の連載は阿川大樹として初めてで、しかも、周期が週刊というヘビーな(当社比)連載ができるだろうか、と不安もあったけれど、編集担当者のサポートのおかげで、一年間で第52話まで迎えることができたのは感慨深い。
 すでに分量でいえば400字詰め原稿用紙換算で700枚になっている。
 その間、日経ビジネスオンラインという経済記事中心のメディアで、異色であるフィクションコンテンツであるにもかかわらず、読者のみなさんから愛想を尽かされることもなく、むしろ、固い支持をいただいてた。
 根が理科系なので数字があると分析してしまうわけだけど、第52話は掲載日のアクセス順位が2位、本日金曜現在の週刊ランキングでも8位と、著者も驚く検討ぶり。
 掲載日である火曜日の順位だけでなく、水曜日木曜日金曜日になっても20位以内に残っているということは、たとえ他の記事を先に読んでも、「第三企画室」は、あとからでも忘れず読んでくださっているということで、著者としては本当にうれしい限りだ。
 さらにいえば、午前0時掲載のコンテンツが、午前2時や午前9時台にアクセス3位以内になることが多い。午前0時の掲載を待って真っ先に読んでくださる読者や、オフィスに出勤してすぐに読んでくださる読者もまたたくさんいる、ということだ。
 
 本当ににありがとうございます。
 作者としては、少なくとも読者のみなさんのお仕事の妨げにならず、望むらくは、なにかしらの糧になってくれればと願うばかりだ。
 毎週小説の〆切がある、というのは、まだ駆け出しの阿川にとって、精神的にも肉体的にもなかなかシンドイことではあるのだけど、多分、小説を書くという行為に、慣れてしまったり楽ができてしまったりしてはいけないと思うので、これからも「慣れていなくて苦労する」状態を保ちつつ、がんばりたいと思っている。
 「第三企画室、出動す」は、こちら から