月別: 2010年4月

いすみ鉄道に行ってきた

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 千葉県に、いすみ鉄道という鉄道がある。
 ここで自腹で700万円支払って運転士になりたい人を募集している。
 3年前に書いた拙著『D列車でいこう』(徳間書店)と同じアイデアだ。
 いすみ鉄道の経営陣が『D列車でいこう』を読んだかどうかは知らないけれど、どちらにしても小説に書いてあることが現実に起こっているわけだ。
 というわけで、いすみ鉄道を訪ねてみた。
 4月30日、連休中といえば連休中ともいえる平日。
 午前7時過ぎに横浜を GB250 で出発。
 午前9時、アクアライン経由でいすみ鉄道大多喜駅に到着。
 この駅はちょうど上下線がすれちがう場所になっているので、線路も2本とホームも2つ。
 それに操車場にもう1トラック。
 ボランティアの人が咲かせているらしい草花とか、なんとなく一所懸命な空気をまとった田舎の駅だ。
 列車はワンマンで運行されているので、改札はなく、ホームへは自由に出入りできるのだけど、「撮影などの目的でホームへ出入りする場合は入場券をかってください」と書かれている。
 経営の苦しい鉄道に少しでも協力しようということで、さっそく入場券(170円)を買って駅構内に入った。
 運よく、間もなく両方向から列車が入って来て、ゆっくり時間をかけてすれ違っていく姿を見ることができた。
 ポイントは手動らしく、列車が通過するのに合わせて、駅舎から作業着を着た人が出てきて、線路に立って操作していた。
 卓上カレンダー(300円)を買い、メッセージカード(1枚100円)に『D列車でいこう』の宣伝を書いた。
 ゆっくり時間を過ごしても時刻はまだ午前10時。
 駅前に食堂のようなところがあって、「閉門」という札がかかっているけど、人がいて入口は開いている。
 午前11時オープンなのだそうだけど、無理を言って「かき揚げそば」(530円)を食べさせてもらった。
 今度はゆっくり時間をとって、列車にも乗ってみよう。
 午後12時30分、横浜に帰着。
 天気はよかったけど、けっこう空気は冷たくて、身体が冷えた。
 首都高の交通量の多いところもあったけれど、まったく渋滞には出会わなかった。
 いったん自宅に寄ったあと、仕事場へ出る。
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連載小説「第三企画室、出動す」一周年

 昨年の5月11日から始まった「第三企画室、出動す」が連載1周年を迎えた。
 小説の連載は阿川大樹として初めてで、しかも、周期が週刊というヘビーな(当社比)連載ができるだろうか、と不安もあったけれど、編集担当者のサポートのおかげで、一年間で第52話まで迎えることができたのは感慨深い。
 すでに分量でいえば400字詰め原稿用紙換算で700枚になっている。
 その間、日経ビジネスオンラインという経済記事中心のメディアで、異色であるフィクションコンテンツであるにもかかわらず、読者のみなさんから愛想を尽かされることもなく、むしろ、固い支持をいただいてた。
 根が理科系なので数字があると分析してしまうわけだけど、第52話は掲載日のアクセス順位が2位、本日金曜現在の週刊ランキングでも8位と、著者も驚く検討ぶり。
 掲載日である火曜日の順位だけでなく、水曜日木曜日金曜日になっても20位以内に残っているということは、たとえ他の記事を先に読んでも、「第三企画室」は、あとからでも忘れず読んでくださっているということで、著者としては本当にうれしい限りだ。
 さらにいえば、午前0時掲載のコンテンツが、午前2時や午前9時台にアクセス3位以内になることが多い。午前0時の掲載を待って真っ先に読んでくださる読者や、オフィスに出勤してすぐに読んでくださる読者もまたたくさんいる、ということだ。
 
 本当ににありがとうございます。
 作者としては、少なくとも読者のみなさんのお仕事の妨げにならず、望むらくは、なにかしらの糧になってくれればと願うばかりだ。
 毎週小説の〆切がある、というのは、まだ駆け出しの阿川にとって、精神的にも肉体的にもなかなかシンドイことではあるのだけど、多分、小説を書くという行為に、慣れてしまったり楽ができてしまったりしてはいけないと思うので、これからも「慣れていなくて苦労する」状態を保ちつつ、がんばりたいと思っている。
 「第三企画室、出動す」は、こちら から

黄金町卓球部

 午後8時、黄金町卓球部に初めて参加。
 先日40年ぶりに買った卓球のラケットのデビューだ。
 恥ずかしい過去(笑)を告白すると、中学校の時には3年間卓球部だった。
 卒業後は何年かに一度「温泉卓球」をするだけで、ほとんど卓球などやったことがない。
 でも、美人卓球部長に誘われて(笑)すっかりその気になり、始める前からラケットを買ってしまったり。(けっこう高かった)
 遊びだからラケットなんてどうでもいい、というのではなく、遊びだからこそマイラケットを買うのだ。
 そうすると、どんなラケットにしようかと考えるところから楽しみが始まる。
 すぐには買わずに何度も用品店に足を運ぶ。
 買ってからは自分でラバーを貼る楽しみがある。
 貼り上がったラケットを眺めてニヤニヤしたり、そっと素振りをしてみる楽しみがある。
「部活」に実際に参加する前に、すでに散々楽しんでいる。
 こういうのがお得な金の使い方なのだ。そういうことを50年かけて学んでいる。
 最初のうち、距離感がおかしくて空振り連発!
 どうなるかと思ったが1時間が過ぎる頃にはドライブをかけて打てるようになってきた。
 でもまだ、いまいちスィートスポットに当たっていない感じ。
(あとでラバーに残った打球痕をみると、ラケットの中心より少し先端よりで打っていたようだ)
 当分はやる度に進歩しそうで、つまりは当分すごく楽しいということが確定しているわけである。
 人間にとって、めきめき自分の進歩を感じることほど楽しいことはない。
 汗びっしょり。こんなに汗をかいたのは久しぶり。
 終わった後は、もちろんビール。
 卓球は1時間で500円、その後はビールと中華で1500円。(笑)

連休返上、決定

 自作の読み込みのため、久々に黄金スタジオに泊まった。
 午前9時起床。朝食はパンと牛乳(210円)
 午後1時、T社編集が文庫のゲラをもって来訪。
 書き換えるべき部分などについて意見交換。
 文庫発売にあたってキャンペーンを打ってくれることになった。。
 社を挙げて重点商品として広告宣伝プロモーションをしてくれる、という話で大変ありがたい。
(そのために初版部数が多くなることも直近の収入が増えるということなので、もちろんありがたい)
 そのかわりに5月連休返上が確定した。(笑)
 僕自身、休みより仕事をしたいのが本音でもある。
 だって中学生の頃に小説家になろうと思って、長い長い回り道の末、40年かけて、やっと小説家になったのだ。
 まだやっとデビュー5年目の駆け出しだ。
 ここで頑張らずにどこで頑張るっていうのだ。
 言ってみれば人生最大の山場にさしかかっているわけで。

名言?

 午後、スタジオに歌人・日野やや子さんが来て、対談の収録。
 2時間たっぷりしゃべったので、文字起こしから文章にするのは大変だろうなあ。
 掲載になったら、みなさんにもお知らせします。
本日の自分の名言(笑):
「それほどいい女じゃなくても、裸で目の前にいれば100人中95人の男が勃起するだろう。泣くという行為も、同じように生理的な、人間の本能に根ざしたことだから、〈泣ける小説〉を書くのは、単に技術の問題であり、まったく難しいことじゃない。小説というのはその先にある」
(実際の言葉そのものではないけど論旨をまとめれば)
 明日は文庫化の打合せなので、改稿の議論に備えて自作を読み始める。

『電子書籍の衝撃』(佐々木俊尚)

 先日、帰りの電車で『電子書籍の衝撃』(佐々木俊尚)を読了。
 新書の方も買ってあるけれど、全文を iPod touch のブックリーダーで電子書籍として読んでみた。
 主として電車の中などで読んだのだけど、文庫本などよりも明らかに読みやすい。kindle のような電子インクだったらもっと読みやすいだろう。
 メモなどの書き込みができないのが唯一の欠点(kindleはできる)だけど、タイトルさえ揃えば、これからはできるだけ電子書籍で読みたいと思った。
 著者の書いている論旨は、従来から僕が考えていることとほとんど同じだったので、新しい発見はないけれど、自分の考えが裏書きされたことと、説明のためのケーススタディなど、自分が人に話すときに役立つことがたくさんあった。良書です。
 6月には二箇所で講演・講義をするので、使わせてもらいます。
 もしかしたら電子書籍の時代はあっという間に来ますね。

仕事もしている日曜日

 午前8時半、起床。
 暖かいので、近所の公園まで運動をしに出る。
 いつもは平日なので、日曜の朝の人手にびっくり。
 月に一度の朝市が出ていたので、妻を呼びに戻り、一緒に野菜を買う。
 自宅に戻って10分であわてて朝食を摂り、午前11時、マンション管理組合の仕事。
 午後、スタジオに出勤。
 オートバイで出勤途中、少し遠回りしてヨットハーバーに立ち寄る。
 暖かくて風もあり、絶好のセーリング日和だ。(僕には関係ないが)
 知り合いと軽く雑談して黄金町へ。
 今日は小説を書かず、片っ端から事務的なことなどを片づけていく。

都内にて誕生会

 オフィスの鍵がない。
 昨夜、新宿に向かう前に部屋を出たところで「ウコンの力」(の類似品)を飲んだ。そのときに鍵を締めたまま身につけなかったのだ。
 というわけで、早起きして黄金町へ。
 自分の部屋の外、かつ、建物の中、に鍵があるわけなので、まず、事務局に建物の鍵を借りに行き、無事、自分の鍵を回収。
 その足で、某国際機関の東京事務所長をしている妻の友人の誕生日会のため新宿へ。
 タワーマンションのパーティールームでの楽しい時間。
 参加者が多彩でそれぞれにひとかどの人たちなので、自己紹介を聞くこと自体が楽しい。いい仕事をする人は話もうまい……かも。
 正午過ぎから午後5時まで、たっぷり濃密な5時間。
 
 食べ過ぎて家に帰ってからの夕食は軽く。

久しぶりに日本料理

 ゆるゆるにスタート。
 久しぶりに黄金町のスタジオに出るなあ。
 滞在時間が長いからここで仕事始めて4月15日でちょうど一年だけど、ほとんど自分の家のような感じ。
 午後8時、渋谷某所にて連載「第三企画室」関係者の顔合わせ。
 日経BPの編集担当が変わったので。
 イラストレーターの木内達朗さんとも久しぶりに会う。
 沖縄で飲み過ぎていたので、あまり酒は飲まなかったけど、久々に美味しい日本料理をご馳走になりました。

沖縄経済の闇

 過去数年、毎年1ー3回コザを訪れて定点観測している。
 一時、少し持ち直してきた商店街はこの2年ほどで、また空きが目立つようになっている。
 代わりにいくつかの店舗に、老人向けの施設やデイサービス、そのほか、明らかに行政から金がでているテナントが8店舗以上になっている。
 お客さんから金をもらう商売ができずに、行政から金をもらう店舗ばかり増えている。
 米軍基地問題よりも、こっちの問題の方が根が深い。米軍基地がなくなって各種補助金がなくなったら、沖縄では死人がいっぱいでる。
 米軍基地返還はイデオロギーであってはいけない。
 基地をなくすときには、同時に、自立した経済をつくらなくてはならない。そちらの方が、基地全面返還などよりよっぽど難しい問題だ。
 多額の補助金で経済が根付かず、逆に「シャブ漬け」で補助金依存のメンタリティが蔓延している。この空気を変えるには少なくとも一世代以上かかるだろう。
(難しすぎて政治家はだれも本当には手が着けられない。ほとんどの政治家は経済の素人であることだし)
 折しも、コザ(沖縄市)では、市長選の真っただ中。僕の聞いた範囲では現職の東門みつこ市長は評判が悪い。
 はたして結果はどう出るだろう。