アメリカで自動車の売上が前年比30%も減ったなんてことは、世界史の上で一度もない。
つまり、いまは産業革命以来、最大級の不況であり、その影響はこれからますます大きくなるだろう。
実際、11月には、前年比40%減にまでなってしまった。GMは半減し、放っておけば半年後には確実に倒産する状態になっている。
いま生きている人が、「だれも一度も経験したことのない不況」になっている。
まだ黒字であるうちに人員削減を発表しているトヨタやキヤノンはさすがの先見性だといえる。
大きく長くなるであろう不況に向かって、人員削減であらかじめ自分を小さくしておくことは企業にとって必須だ。そうしなければトヨタだってキヤノンだってつぶれるかもしれないのだ。
こういうときに人員削減をする企業を「けしからん」となじっても始まらない。どこまでの会社が倒産するかまったく予断を許さないような不況の中で、トヨタもキヤノンもみな一斉に自分自身サバイバル状態なのだ。
全産業横断的に不況の嵐に突入するとき、職を失った人を救うことができるのは政府だけだ。だれも雇い手はいなくなるのだから。
大切なことがある。
弱者を守るために政府が対策をとるということは、弱者でない国民の負担を増やす必要があるということだ。
政府のお財布は国民の財布である。
このような大不況の中で、給料が20%減らされたくらいの人は弱者には入らない。職がある限り、弱者を守ってあげる側の人間であることを自覚しなくてはならない。
給料がちょっと減ったぐらいで弱者面して、政府を糾弾したり、大企業をなじったりしても何も解決にならない。(でも、新聞やテレビはそういう態度をとるだろうけどね)
未曾有の危機にあるのだ。だれか偉い人が答を知っていて、その人が現れればみんなが救われるなんてシナリオは成り立たない。みんなで答を見つけなければならない時代に入るのだ。
失業率が20%になったとき、職のある人が20%の収入源を受け入れれば、雇用は確保できる。
こういうときに生き残るのは「貧乏に強いライフスタイル」を身につけている人だと思う。