小説を書くことのできる幸せ

 新年二日目。
 さっそく黄金町に出勤してきて長編の改稿。
 小説家としてデビューして以来、休みたいと少しも思わない。
 むしろ正月だとか来なければいいと思う。
 遊びにせよ、美食や飲みにせよ、まず第一には「小説を書くじゃまになるなあ」と思い。
 それでも、すべては芸の肥やしであるし、人に助けられて生きているわけでもあるから、いろいろなこともしなくてはならない、と思い直す。
 一冊目が出て、次の注文を受けるまで、「仕事」と呼んでいいかどうかわからなかったけど、やっぱり書いていた。
 いまはなにしろ、注文はいただいていて、自分が素早く供給できないでいるわけなので、もう、少しでも早く仕事を仕上げたい。
 とにかく、この仕事ができることの幸せ、僕に「書いてくれ」と言ってくれる人がいる幸せを、毎日噛みしめている。