プロフェッショナルの試金石

 家に籠もって連載の原稿。
 午後、三重県の知り合いから大量の「サンマの一夜干し」が届く。
 原稿のほうは、全体のイメージが固まっていないままの現在の段階で、3日で1本書けている。まったく無理はしていないので、いまのままでも2日に短縮することはできそう。これなら回っていきそうな感触にはなってきた。慣れれば1日1本に近いペースで行けるような気もする。そうすれば小説の連載を同時に2本もちながら、並行して書き下ろしの長編を動かしていくこともできるような気がする。
 単行本に換算すると、年に4冊くらいのペースだ。
 継続的に執筆の依頼をもらえる、という根本的な前提が必要であり、経済状態が厳しい中、版元では「出版点数を絞れ」「売れない本は出すな」というかけ声が飛び交い、知っているだけでも編集部にいた人が営業へ異動になっていたりするので、いろいろな意味で楽観はできない。
 いままで連載を引き受けるのはかなり恐くて、いろいろ話をもらっても積極的には進めてこなかった。僕自身の能力としては、案ずるより産むが易し、か。
 連載のように、〆切さえあれば間に合わすようにやる、そういうテンションが出てくるであるともいえる。あとはそういうスケジュールの中に、どうやって取材や仕込みの時間を組み込んでいくか、という課題がある。
 このあたりは自分で見つけていくしかないのだろうと思うけれど、機会があったら先輩の作家にも聞いてみたいところだ。
 と、自分の力を計りながら、あるいは、計るために仕事をしている、今日の阿川大樹であった。

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