diary2007

大藪春彦賞

 今晩は大藪春彦賞の選考会があるのだそうだ。
 で、編集者からのメール曰く、
「来年の賞の候補になるような作品を目指しましょう」
 て、このひと作家を乗せるのがうまい。(笑)
 はい、こんどの長編はハードボイルドでございます。
ちなみに、結果、賞は近藤史恵さんと福沢徹三さんに決まり。
大藪賞の受賞作はこんな感じ。
 第1回(1999年) 馳星周 『漂流街』
 第2回(2000年) 福井晴敏 『亡国のイージス』
 第3回(2001年) 五條瑛 『スリー・アゲーツ』
 第4回(2002年) 奥田英朗 『邪魔』
 第5回(2003年) 打海文三 『ハルビン・カフェ』
 第6回(2004年) 垣根涼介 『ワイルド・ソウル』、笹本稜平 『太平洋の薔薇』
 第7回(2005年) 雫井脩介 『犯人に告ぐ』
 第8回(2006年) ヒキタクニオ 『遠くて浅い海』
 第9回(2007年) 北重人 『蒼火』、柴田哲孝 『TENGU』
 第10回(2008年) 近藤史恵『サクリファイス』、福沢徹三『すじぼり』
 ためしに、既刊本を対象にした非公募の文学賞にどんなものがあるか調べてみたら大衆文学(笑)だけでも、こんなにありました。直木賞以外は一般の人はほとんど知らないと思うので、きわめて業界的なイベントですね。
 直木三十五賞 山本周五郎賞 吉川英治文学賞 吉川英治文学新人賞 新田次郎文学賞 柴田錬三郎賞 島清恋愛文学賞 日本冒険小説協会大賞 婦人公論文芸賞(2006年から中央公論文芸賞に変わる) 日本推理作家協会賞 大藪春彦賞 日本ミステリー文学大賞 本格ミステリ大賞  とか。

2007年を振り返る

1月
 正月に予科練だった叔父が亡くなる。
 この月はほとんどずっと『D列車でいこう』の原稿を書いていた。
2月
『D列車でいこう』の改稿。引越の準備。
3月
 6日に引越。捨てるものが多くて、捨てるために体力の限界ぎりぎりで準備や後始末をした感じだ。新居のベッドに眠れるようになったのは31日。
4月
 20年前にNECの退職金(に貯金を足して)で買ったオートバイ Honda GB250 Clubman のレストアが完成。
5月
『D列車でいこう』、徳間書店から発売。
 さっそくTBSラジオ「森本毅郎のスタンバイ」で紹介される。
6月
 徳間書店から第三作の執筆依頼。やった。
 短編「ショウルームの女」に手をつける。
 NHK BS「週刊ブックレビュー」で『D列車でいこう』が紹介され、amazon で瞬間風速売上50位代に躍進。
7月
 いよいよ歩くのが困難になり、けいゆう病院の整形外科の脊椎の専門医を訪ねる。
「本の雑誌」において、『D列車でいこう』2007上半期ベスト10となる。
「ショウルームの女」脱稿。掲載未定。
8月
 某社から長編書き下ろしの打診。
 椎間板ヘルニア手術のため、人生で初めての入院。
9月
 退院。楽しい入院生活だった。
 別の某社から長編書き下ろしの話。
10月
 さらに別の某社から長編書き下ろしの話。
11月
 3作目のプロットにOKがでて、本格的に執筆開始。
 さらに別の出版社から長編書き下ろしの打診。
『D列車でいこう』の映画化の話、動きはじめる。
「ショウルームの女」の掲載が決定。「問題小説」2月号。
12月
「問題小説」巻頭カラーグラビア撮影。
 またまた別の出版社から長編書き下ろしの打診。
 たくさんいただいた仕事の分量に呆然としながら、必死で執筆マシンに変身を遂げる努力の年の瀬を送る。
 
 というわけで、来年は、ブレークします。
(その前にやらなくてはならないことはたくさんあるんだけど)

年の瀬

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 この冬、ほとんど衣類を購入していない。
 お金もあまり無いし、今年はいいや、と思っていたのだけれど、uniqlo の広告を見て、「バーゲンだから服を買ったら?」という。
 洋服というのは、まあ、常に足りてはいる。買わないと着るものがない、ということはあまりない。だからこそ逆に背中を押されないと買おうという決心がつかないもの。
(なかには、やたら洋服を買ってしまう人もいるけど、まあ、僕の場合は)
 というわけで、年の瀬ムード満点の伊勢佐木町へ。
 買い物が終わって、外へ出ると、雨が降っている。
 10分ほどの雨宿りで、雨は上がり、冬の斜めの日差しで、町が輝いていた。
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 夕方5時から、フットサルチームの納会。
 ホームグラウンドが自宅すぐそばだけど、まだ体ができていないので、試合の部は参加せず、宴会部門だけ。こちらの居酒屋も自宅から2分ほどの場所。
 原稿がはかどらなかったので、深夜にあわてる。

干物の山

松阪のお宅から、今度は干物と豆類芋類をたくさん戴く。
 秋刀魚丸干し/秋刀魚の開き/小鯵の丸干し
 鯵の開き/鯵のみりん干し など、50尾以上。
 それから煮干しをたくさん。鰹の生節。
 大豆、黒豆、長芋、里芋、丸いとろろ芋(名前失念)、ギンナン。
 まだ先日のブリも冷凍庫にたくさんある。
 夏ならみんなに声をかけてバーベキューパーティをすればあっという間にはけるけれど。
 妻は、持病のため(塩分の高い)干物はダメなので、僕一人で当分おかずは干物だな。朝もパンはやめて、アジの開きと味噌汁の正しい日本の朝食にしよう。

ヒマ

 中学生くらいからあと、ヒマだったことがない。
 毎日毎日、やりたいことがたくさんあり、それをやりきらないうちに夜になり、睡眠時間を削ってもやりきらないが、しかたなく眠る。
 思えば、10歳くらいからあと、そうやって40年以上、生きているんだなあ。
「ヒマをつぶす」という言葉がピンと来ない。
 小学生の頃は、それでもヒマというのはあったと思うんだけどね。
 学校で習うことは教科書を自分で読んだ時点で全部わかったから、先生の話を聞いても同じことの繰り返しで授業中はおそろしくヒマで、終わるまで待つのが毎日苦痛だった。
(授業中に内職をするという知恵がまだなかったから)
 家に帰っても、世界が狭いし、自分の力でできることは限られているから、やりたいことが少なかったし、やりたいと思ってもできないことが多くて、その結果、それなりにヒマで、なんだかいつも本を読んでいた。
 ああ、これから先も、死ぬまでヒマになることはないのだろうなあ。
 そういう人生って、いいんだか悪いんだか。
 ヨットで遠出をすると、たいてい昼過ぎに目的の港に入り、あとやるべきことは、「近くの銭湯に行って、飯を食うだけ」ということになり、日が暮れるまでずっと外に座っている。
 こういうヒマは、ヒマをつぶしたいと思わない、ヒマ自体を楽しむヒマ。
 そういや、ヨットも最近乗ってないや。
 水中ウォーキング20分、水泳100mX2本。

IKEA

 朝起きるとまずやることは、wii fit と決まっている。
 初めて4日目で、順調に筋肉痛。
 妻が冬休みに入ったので、彼女なりにずっとやりたかったホームインプルーブメントのために、IKEAに行きたいと言い出した。
 恐妻組合のメンバーとしては、家のことに関する限り、協力しないわけにはいかない。
 なにしろ、彼女は何千万円も出して家を買ったわけで、それをできるだけ快適にしたいという熱意は、ただの同居人の僕とは比較にならないわけだ。
 というわけで、昼から、車で港北のIKEAに行く。
 本日のテーマの「TVボード」はデザインが気に入れば強度が足りない、強度を満たすものは、使い勝手が思い通りではない、という具合でIKEAでの購入は断念。
 昼食(美味しいパスタ平日なら295円!)をはさんで、結局、気に入ったダイニングの照明を見つけて買うことができ、それなりの成果があったというわけ。
 ついでに、車でしか行けないスーパーに立ち寄って帰宅したのは午後4時。
(面倒なので、早々に最低限のお正月の買い物もしてしまった)

下北沢で、おばんざい

 昼は仕事。
 夜に、下北沢で会食の予定なので、電車が混む前にさっさと下北沢へ移動。
 久しぶりのシモキタは、かなり再開発が進み始めている。
 雑然混沌無秩序がこの町の良さであり、エネルギーであったのに。
 無秩序が、いつか出て行くぞ、という役者たちやミュージシャンたちを吸収して、育てていたのに。
「消防自動車が入れない」という反対しにくい大義名分。
 消防自動車が入れないのは、何十年も前からのことであるのに、なんでいまさら。
 ピアニストのフジ子・ヘミングも先頭に立って反対運動をしているらしい。
 駅のそばのドトールも工事中になっていたので、向かいのマクドナルドでコーヒーMサイズを飲みながら、仕事。
 近くで、トンガッた若者を見て、シモキタならではの良さを感じる。
(黒い爪、黒のアイシャドウに赤のアクセント、という椎名林檎系の美しい女子)
 午後7時まえ、翻訳家のMさんと落ち合って、京料理のお店へ。
 シモキタとは思えぬ落ち着いたお店。
 料理も美味しいし、お酒も美味しい。

クリスマス

 昼間は、ふつうに仕事。
 午後8時過ぎから、野毛の萬里放題亭で夕食。
 ザーサイ、蒸し鶏、餃子、豆腐の炒め、白菜のクリーム煮、蟹玉。
 もちろん、紹興酒。 
 やっぱり、クリスマスは中華に限る。

執筆快調

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 本日も、妻が外食なので、こちらも執筆優先で夕食は大戸屋で「おひとりさま」。
 とにかく、食事を作るのをやめると、確実に執筆の調子が上がる。
 仕事は山ほどきているので、費用を節約するよりも生産性を上げて、たくさん書いて稼ぎの方を大きくする側に、方針転換だ。
 そんなこともあって、執筆の調子は上がってきている。
 現在180枚。
 直しが必要だが、まがりなりにも書けているところが他に100枚くらい。
 新規に書き加えていくところは、他にあと、150-200枚くらいかな。
 そんな中で、残りの部分には、つながってない隙間がたくさん残っていて、これは自分への「誘いの隙」みたいなもので、このスキマを利用して、物語ががしっと組上がったり、現時点では作者も予想もしないすごい展開になっていったりする。この先10日くらいが、書いていても面白いところ。
 正月もこのままずっと仕事していたいけど、まあ、年に一度のことなので、親と食事くらいはする予定。
 そうだ、年賀状、どうしようか。
(写真はコザで僕がイルミネーションを取りつけた開店準備中の案内所店舗)

W20+100mX2

 料理するとテンションが抜けるので、昼食は大戸屋。
 その足で、ランドマークのスターバックスへ移動して執筆。すごい、1時間に5枚も書けた!
 5時を過ぎたのでスポーツクラブのプールへ。
 この時間は、デイタイムの会員が出て、勤め人の人が来ていないので、プールに3人しか人がいなかった。
 ウォーキング20分+水泳100mを2本。
 少しだけ、体の柔軟性も改善してきたかな。(前屈で、なんとか床に指が着くところまで)
 米が切れてきているので、スーパーによって米とパンと牛乳を入手。
 4日ぶりに自宅での夕食。ブリの兜焼き、同じくアラ煮、モヤシとピーマンの炒め物、豆腐の味噌汁。
 夕食後、短編のゲラチェックを終わらせ、修正部分のみ、出版社にFAX。
 久々に、「FAX送付状」なんてのを書いたような気がする。