35年前の原宿を思い出す

 午後1時、某出版社にて打合せ開始。
 後ろの時間をオープンエンドでとってあったのだけれど、順調にすすんで、午後3時に終わる。
 外は春。散歩がしたくなる。
 キャットストリート。なんとなくこれから伸びよう、という若者が集まっている場所で、僕はここが好き。
 原宿側へたどってみたら、あれ、かつてのフレンチクォーターのところ(シェイキーズのところといってもいい)に出るんだったっけ。原宿をよく歩いたのは、まだ竹下通りに人が集まるよりも前、トンガったファッションの人たちが歩いていた頃だ。35年くらいかそれ以上前。
 バギーパンツというのが流行って、他のどこにもいないけれど、原宿にはバギーパンツの男性がたくさんいた。マンションメーカーが頭角を現し、原宿がファッションの発信地になり始めた頃。
 いまはないけど表参道の交差点にレオンという喫茶店があり、時間帯によってはそこにモデルやカメラマンやスタイリストといった人たちが顔合わせをしていたり。スタイリストという職業が確立しはじめてまもなくのころだ。
 高校生はほとんどいない。中学生なんて絶対いない。
 僕は高校生で、渋谷から高田馬場への通学の途中で、その町にいるときには、どこか精一杯背伸びをしていた。
 授業が終わってから3時過ぎにいることが多かったけれど、生まれて初めて学校をサボったときにもそこに行って、そのときそれで大人になったような気がしたものだ。
 どの店にも寄らず、原宿の駅前の交差点を左折。
 山手線の線路の代々木体育館側の道を渋谷ファイアストリートへ向けて歩く。
 並木の緑がとても美しく、カメラを持っていないことが悔やまれるけれど、この道を一番歩いた頃にはカメラなんて持ってなかったんだと思い直した。
 渋谷駅までもどり、楽器屋にも寄らず(!)横浜へもどる。
 ゆったりとした空気の余韻が残っていて、みなとみらいの駅を降りてから横浜美術館へ行って、「木下孝則展」を見る。美しいものをみる幸福。
 TSUTAYAで多和田えみ「∞infinity∞」を買って帰宅。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です