月別: 2008年11月

葬儀

 午前七時前に起床。午前八時過ぎに家を出る。
 久里浜行き横須賀線で原稿書き。空いているし頭の働く時間なのではかどる。
 午前9時半から告別式、荼毘、初七日と、一連の葬儀が終わったのが午後四時。
 横浜駅までもどると、みなとみらい線東横線が人身事故で運休。朝も元住吉でポイント故障で遅れていたし。
 ならば、と横浜駅から徒歩で帰宅。
 なんだか疲れて、仕事をする気にならない。

ゴスペル

 午後7時から、衣笠のホールで叔母の通夜。
 たまにしか遭わない人と会うのはいつも葬式。これも故人が引き合わせてくれている、ということなんだろう。
 日蓮宗の葬儀に初めて出た。
 南無妙法蓮華経と繰り返しみ列席者全員で唱えるところがゴスペルだった。
 お清めの席が一杯だったので、辞去して駅前の笑笑で夕食を兼ねて。
 ホッピー。その他、食べ物も結構美味しい。

仕事?

 文藝春秋の仕事。
 まあ、ギャラをもらえるから仕事といっていいのかな。 

人に会いに行く日

 どうにも眠くなって午前4時にはベッドに入ってしまったので、午前10時に目覚ましをかけておいた。
 午前9時過ぎ、叔母の家から自宅にもどった母からの電話で起こされる。
 ふつうなら怒りまくるところだけど、妹を失ったところだから優しくしようと思ってしばらく話を聞く。
 片や姉妹の死に直面して徹夜して興奮状態、片や寝ぼけた頭で相づちを打つ息子というチグハグな会話。
 妻の方の母親も入院中だし、病気の友人も何人もいるし、妻も持病があるし、周囲は病人だらけだけれど、昔は人生50年といって、僕なんかもうとっくに死んでいたわけだから、50過ぎた人間が病気なのは当たり前なのだ。
 去年、手術をしていなかったら僕だって今ごろ歩けなかったわけだし、日本人の半分くらいはようするに医療技術のおかげで生きているのだ。
 すっかり目が醒めてしまったので、お茶漬けを食べて仕事開始。
 小説というのは、完結していても、いじっているといくらでも直すところが出てくるので、自分でやめないと終わらない。
 午後1時すぎ、手放す決心をして編集者にメールする。
 原稿用紙620枚。90枚削って20枚書き足した感じかな。
 マクドナルドの携帯クーポンでエビフィレオセット(450円)を食べ、ブレンズコーヒーで人と会い、さらにバイクに乗って横須賀へ。
 汐入の叔母の家へ、なんでバイクで行こうと思ったのか、はじめのうちよくわからなかった。
 高速を使わなければ電車賃よりもガソリン代の方が安いし……なんて感じだったのだけれど、やがてその理由がわかった。
 叔母の家には何度もバイクで行っている。
 21年前に新車でこのバイクを買った直後にも行った。
 あの家に行こうと思うとき、僕にとってバイクがいちばん自然になっていたのだ。辿り着いた家の前にバイクを駐めたとき、ずっと前に同じ場所に駐めたときに感じたバイクの重さ思い出した。
 亡くなった人は生きている人間に、いろいろなことを考えさせてくれる。
 実は、叔母が救急車で入院した日、数時間前にずっと一緒に住んでいた姑さんが救急車で別の病院に運ばれていた。姑さんが先に亡くなり、一日おいて、叔母が亡くなったので、ある日、この家からは二度にわたって救急車で家族が出ていき、ふたりとも別の姿で帰ってきて、いま、二人の亡骸と一緒に、妻と母を一度になくした夫(息子)がいる。母と祖母を一度に亡くした子供(孫)がいる。
 そんなこともあるのだな。人が天命を選べない以上、できることは受け入れることだけ。
 帰り道は空いていて、気温が下がったせいで夏場に比べてエンジンの調子もいい。
 敢えて本牧を通り、中国菜館「清心(しんしん)」で夕食。
 台湾人の夫婦(たぶん)がやっている小さな「町の中華料理屋さん」だけど、料理は本格的で中華街よりも安くて美味しい。五目ソバ(750円)。

柿と絵本

 朝から、改稿の続き。
 と、三重の知人から柿が40数個届く。
 午後1時半から絵本の打合せ。
 家から至近のスターバックスまで遥々ご足労いただいたので、お土産、というより、食べるのを助けてもらうという感じで、柿を8個、持って帰ってもらう。助かった。
 終了して帰宅すると、母方の叔母の訃報。
 明日、見舞いに行こうと思っていたけど、間に合わなかった。
 母はショックを受けているようだが、そちらの家に泊まるということで、ひとり暮らしの家にいるより、とりあえず安心だ。
 引き続き、夜半まで改稿。

学歴・収入・オバマ・マケイン

CNNによる出口調査の結果を見てみました。
http://edition.cnn.com/ELECTION/2008/results/polls/#USP00p1
 黒人の95%がオバマに投票しています。
 期日前投票に行列した(場所によっては6時間待ち)で投票したのもこの人たちでした。
 その他の有色人種もオバマ。
 でも、白人が75%を占めていて、55%がマケインです。
 年収150万円以下では圧倒的にオバマです。
 でも、高年収でもオバマとマケインは拮抗しています。
 オバマは選挙活動資金が豊富で、多くは10ドル単位の個人献金です。政治資金が豊富=金持ちのための政治、という構造が今回のアメリカではまったく成り立たなかったことが顕著な歴史上の事件だと思います。
 学歴では、大学院卒業と高校にいってない層でオバマが強い。
 高学歴高収入と、最下層でオバマ支持、中間層はマケインとオバマは拮抗してます。
 よく言われる民主党支持層がこれほど顕著に出ているのも象徴的です。
 見方を変えると、白人でも高学歴や高収入の人はオバマ。そういう人は、東部各州やカリフォルニアに集中しています。
 共和党の強い、あまり高学歴でない中部南部白人層(カントリーミュージックを聴く人たち)がマケイン。
 高齢者はマケイン。
 初めて投票した人の69%はオバマ。
 日本も、選挙に行かないクセに被害者意識が強くて格差に文句を言う人が、もっと主体的に政治にかかわれば社会は変わると思うのに。

改稿作業

 ひきこもりにて、改稿作業。
 以上。

一の酉

 午前十時過ぎ、起床。
 第三稿の追い込みで朝型が崩れてきた。
 通し読みで懸案事項にしていたところをすべて落ち着かせ、残るはシーンを加えるかどうか。実は、まだ迷っている。そういうときはまた頭から読んでいく。
 日が暮れてきてから家を出て、歌舞伎町へ向かう。小説の舞台だ。
 今年の花園神社は三の酉まであるが、今日はその初日。
 古い友だちを呼び出して、境内の屋台で酒を飲むつもり。
 時間調整はいつもの TOPS BEER BAR。
 午後7時までに入ると、ビールが400円。黒ビール。
 救急車が市役所通りを曲がっていく。
 小説にも火事のシーンがある。自分で書いたシーンを思い出して緊張する。
 出がけに寝ぐせを直すのに、いつもは絶対に使わないヘアトニックを使ってしまったらやたら匂う。整髪料の匂いがするなんて「オヤジ臭」だ。やだなあ。ちょっとめげる。
 明日朝の予想最低気温は11度。ちょっと寒くなりそうだ。
 一の酉は、ずいぶん空いていた。
 屋台で二時間ほど飲み、ゴールデン街へ立ち寄って終電で帰宅。

書く人であることの喜び

 今日は、『告白』(湊かなえ 双葉社)を読みました。
 第一章が小説推理新人賞の受賞作品。
 短編の賞を獲っても単行本デビューに結びつかないのがふつうなのですが、異例中の異例で、受賞作を含む連作短編でデビュー。
 ということで、読みました。
 元々短編であることもあって、濃密でいい小説。
 昨日の東野圭吾が、筋立てで楽しませる小説だとすると、湊かなえはシチュエーションそのものの構築で楽しませる。
 折も折、松尾芭蕉の有名な句の素敵な英訳に出会いました。
  How still it is here–
  Stinging into the stones,
  The locusts’ trill.
 (奥の細道 ドナルド・キーン訳 講談社インターナショナル)
 湊さんも、東野さんも、キーンさんも、それぞれすごいです。
 こうして文字で表現しているいいものに出会うと、自分も末席ながらそういう役割の一員であることを、うれしく、また誇りに思います。
 元気がでるし、やる気が出る。
 読書って楽しいな。

『流星の絆』(東野圭吾)

 第三稿を仕上げる前の気分転換というかお勉強というか踏ん切りに『流星の絆』(東野圭吾 講談社)を読みました。
 480ページを一日で読むような読み方をしたのは久しぶりだったけど、楽しかった。仕事として読んだのだけどそれでも楽しかった。
 本を読むのは楽しいと思えたことは、うれしい経験でもあった。
 僕の小説は犯人捜しではなくて、どちらかといえば迫り来るピンチと局面打開の物語なのですが、こんどは犯人捜しも書いてみたいと思いました。
 明日、もう一冊、別の人のを読んで、自分の作品にもどろうと思います。