ついにうちの夫婦も結婚25周年。
思えばあっという間だったなあ。
新婚旅行に行った奥湯河原の「加満田」に25年ぶりになる銀婚旅行。
文人の泊まる宿として有名です。
部屋は「若竹」といい、10畳に8畳の次の間。小さいけど温泉のお風呂も。
25年前は「川蝉」でした。
25年の間に女将は孫嫁に代替わり。
現在の「るりこ女将」は18年目で、湯河原の「おかみの会」の会長。
前の女将が亡くなった時の葬儀委員長は水上勉氏だったそうです。
新婚旅行の時のアルバムをもっていったのですが、25年間で庭の木々は大きく伸び、地球温暖化のせいなのか紅葉は遅くなりました。
25年前の僕はエンジニアでしたが、いまは文人の末席にいます。(笑)
食べてしまえば跡形もなくなくなってしまう料理をこれほど美しく作る日本という国って、すごいと思います。
25年ぶりの老舗旅館は25年分そのまま古くなっています。
建物も生き物。
柱も建具も25年分、木が痩せてきています。
部屋のちょっとした調度も、いま作り替えれば何百万円もかかってしまうそうです。
古くなっても捨てられない、捨てない。
朽ちてゆくのを見つめていく。
そんなありようが、旅館というサービス業として理解されなくなったときに、このすばらしい旅館はもしかしたらなくなってしまうかもしれない。長くつづけて欲しい。
25年前の写真を、女将と番頭さん(ご主人?)に見せて、昔話をしました。
帰り際、以前に泊まった「川蝉」をみせてくださり、「祝・銀婚式」と書かれたのしのついた輪島塗の夫婦箸を戴きました。
25年前は、恥ずかしくて新婚旅行だといいませんでした。いまは、恥ずかしくて小説家だとは言えずに帰ってきました。(笑)
photos with Canon EOS20D / EF24mm f2.8