海員閣

 3日連続で夜の外出。ようするに人と会って食べて飲んでいる。
 本日は中華街の海員閣。
 まだ横浜に住んでいない頃、25年くらい前までは中華街に来るとわりとよく行ったものだ。
 30年ほど前には横浜中華街は今ほどポピュラーではなかった。インターネットどころか情報誌すらあまり発達していなかった。そのころ伝説のように「中華街で安くて美味しい店」といえばこの海員閣だとされていて、いつも客が外に行列していた。いまはわざと行列させて偉そうにしているラーメン屋などがたくさんあるから、「行列のできる店」というと(僕には)あまりいいイメージはないのだけれど、そのころは行列のできる飲食店はあまりなかったのだ。
 で、当時の海員閣。ふつうには美味しいのだけれど、中華街には安くて美味しい店は他にもたくさんあるので、実際はわざわざ特筆するほど安くて美味しいというわけでもなかった。なので、中華街についての自分なりの知識が増えるに連れて行列する観光客を尻目に行かなくなった。
 以来、今日、およそ25年ぶりに再び海員閣に入った。
 木曜日の午後6時半。なんと1階にはだれも客がいなかった。知らないあいだに評判が落ちて流行らなくなったのかと思った。そうなるとへそ曲がりな僕は懐かしさもあって入ってみたくなるものだし。
 行列こそできなかったが、僕らが入るのを合図にしたかのように、次々に人がやってきて、店はまもなくいっぱいになった。やはり、いまでも流行っていたのだ。
 ピータン、貝柱のスープ、酢豚。
 原則として中華街ではふつうの町の中華料理店にある、春巻とか麻婆豆腐とか酢豚とか青椒肉とか海老チリとかは注文しないことにしているのだけれど、なんとなく、ここの酢豚がいにしえの記憶にあったのだ。
 その酢豚、美味しかった。昔よりも味がよくなっている。
 貝柱のスープ、まるで鍋料理と見まごうほどに具がいっぱい入っている。これもお薦めだ。
 こういうふうに美味しいとかオススメとかインターネットで書いてしまうと混むからいやなんだけど、まあ、久しぶりの体験で日記に書きたい気持ちが勝った。もともと知られていなかったら、内緒にしておいたけど。自分が見つけた店のことを得意気にインターネットで紹介してしまう人の気が知れない、なあんて思いながらね。
 いっしょににいてうれしい人たちと美味しいものを食べて飲むのは幸福だ。
 明日からはゲラチェック。

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