封切り初日に行こうと思っていて、事情で先延ばしになっていたのを、先ほど見てきました。
キューバ革命の立役者「エルネスト・チェ・ゲバラ」のドキュメンタリータッチの物語。
ゲバラに対する十分な知識がないこともあって、よくわからないところや、視覚的にカストロとゲバラが区別できなくなってしまうところがあったりで、部分的に頭の混乱が起きたけど、すごく面白い映画でした。
ゲバラをヒーローとして描いているということは、キューバ革命を全面的に肯定している映画であるわけで、それをアメリカが作っているところが、アメリカの懐の深さですね。ふだん、目一杯ふところが浅く見える(笑)アメリカですが、こういう映画を作る国でもあるんだ。
だって、アメリカこそがキューバの敵であり、ゲバラが南米で活動していたときの、本当の敵だったわけだから。
冷戦時代も遠くなりにけり、ということなのかもしれないけれど。
僕の一番ストレートな気持ちは「キューバ革命やゲバラについてもっと勉強してからもう一度みたい」ってこと。
少なくとも、この映画を観ていると、キューバ革命がなぜ成功したのか、という理由の一つがはっきり見えてきます。(と、シロウトの僕は思った)
よく左翼の一部の薄っぺらな人で、相手を論破できないときに、学歴や出自を持ち出して、裕福な家庭で育った人間には、または、高学歴の人間には、弱いものの痛みはわからない、なんて議論にならない、根拠にならない、反則中の反則の話、禁句中の禁句を持ち出して、議論の相手を唖然とさせる人がいるのですが、そんなときにギャフンといわせるいい表現が見つかりました。
「じゃあ、君は、裕福な家庭で育って自分自身医者だったチェ・ゲバラは人々の痛みがわかっていなかったとでもいうのか」
今度からそういってみよう。
(て、まったくレベルの低い話でスミマセン)
革命っていうのは、先鋭化した活動家がいくらいてもダメで、ノンポリを自分の味方にすることによってはじめて成功するはずのものだ。
だからこそ「あんたにはわからない」なんて言葉は、活動家としては絶対に吐いてはいけないセリフだからね。
革命というのは活動家が「人民の前衛」に立つだけじゃなくて、前衛の後ろにたくさんの人民がいないと成り立たない。「あんたは僕の後ろにこなくていい」と自分の方から人民を分断してしまう革命家はだめである、ということが、この映画を観ればわかるはず。
活動家のみなさん、ぜひ、ゲバラに学んでください。
最近、プラクティカルな議論ばかりで、思想的な議論をしていないので、右翼でも左翼でもいいから、久しぶりに、ちゃんと議論のできる人と話をしたいなあ、なんてことも思った夜でした。