20年のあいだ

 ここのところ、たっぷり8時間睡眠を摂っている。
 3時間でも生きていけるけど、8時間寝ると「休んだぁ」という実感がある。
 まあ、そういう時期もないとね。
 夕方家を出る。と、駅に向かう途中でサイフを忘れていたことに気づく。出がけに家の鍵が見つからず、30分以上探していたので、それで気を取られてお金のことを忘れていた。下車駅ではおそらく6時過ぎるし、ATMがあるかどうかもわからなかったので、途中のファミリーマートで現金を降ろす。手数料105円。
 午後6時、向河原駅到着。
 少し時間があるので、ドトールでコーヒー。やっと覚醒した感じ。(笑)
 6時30分、「NEC玉川クラブ」に到着。
 システムLSI推進開発本部デバイス技術部OB会。(意味不明でゴメン)
 大学を出て最初に就職した日本電気(NEC)で、研修後、府中にあるコンピュータ技術本部第二技術部というところに配属になった。ところが3ヶ月ほどして、この「システムLSI……」という組織ができて、そこに転勤になった。
 この組織は、社内のかなり広いいろいろな部署から人が集められてできた新しい部署だったので、いまとなっては、当時の仲間たちにはちょっとしら不思議な連帯感が形成されていて、ある種の産みの苦しみを共同体験した同士という感じがあるのだ。
 その組織も5年ほど前に廃止されてなくなったらしく、有志による幹事団が関係者200名に声をかけ、100名ほどが集まったというわけ。
 僕がNECを退職したのは1987年の3月。だから、ほとんどの人には20年ぶりに会うことになる。
「本、読んだよ」と声をかけてくれる人もあれば、「今、何してるの」という人もあり、後者にはもちろん『覇権の標的』の紹介が裏面に書かれた名刺を渡して宣伝。終了前に5分ほどスピーチ。
 9時に終了したあとは、すでに閉店している近くの中華料理屋をむりやり開けてもらって二次会。旧交を温めて家路についた。
 ちなみに、『覇権の標的』に登場する旭製作所の半導体工場はNEC相模原工場に似ています。
 旭製作所の置かれたシチュエーションは日立製作所。
 物語に登場するSAは、日立製作所のSHマイコン。主人公がこの会社在籍中に苦労して開発しているチップのユーザーであるゼータ・グラフィクスはセガ・エンタープライゼス。その会社が発売する予定のゲーム機「ドリームプレス」はセガの「ドリームキャスト」に似ています。「サターン(土星)」じゃなくて「ジュピター(木星)」なんてゲーム機があったり。
 ICM こと International Computer Machinary は IBM こと International Business Machines 似ているし、会長の名前も実在の人物に少し似ていますね。
 その他、「これはだれのこと?」と楽しめる「隠し味」がけっこう入っています。もちろん似ているだけで、物語はフィクションです。
 NECで8年働いて、やめるとき退職金でバイクを買おうと思ったら、39万円のオートバイも買えないほどの退職金だったので、貯金を足して買ったのが GB250 Clubman というバイク。
 20年後の今もマンションの地下に保管してあります。4000キロしか走っていない。こんど小田原のメカニックに預けて再び乗れるようにメンテナンスしてもらいます。

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