昨夜は、ちょっとくだらない調べ物をしているうちに寝そびれてしまい、やっとベッドに入って起きたのは午後2時。
3週間の入院生活でせっかく身につけた朝型生活だったのに。
そこに到達するのにたくさんの入院費だって払ったのに。て、入院は夜型生活矯正が目的だったのか(笑)
午後いっぱいを自動録画したニュースのチェックなどで過ごす。そうなのだ。我が家では、ソニーの「スゴ録」が稼働し始めて、キーワードを入れておくと、該当する番組を自動的に録画してくれる。なので、NHKの定時ニュースの他、CNNとかABCとかアメリカのニュースをチェック。
これで、ニュースを見るためだけにスカパーを契約する必要性がかなり減った。(現在、基本料金だけ払ってですべてのチャンネル解約中)
そのほか、予想外に役立つドキュメンタリーなどを見るチャンスに恵まれる。
結果的にテレビの視聴時間が少し増えた。もともとニュース以外にあまりテレビを見ないから。
ただし、この2ヶ月ほど、入力過剰で情報収集に興味がいって、その分だけアウトプット、つまり、執筆の調子がひどく悪い。ここらで意識して、入力を遮断する必要がある。
さて、夕方のテーマは、猪肉の調理。
ご飯を炊いて、冷凍してあった油揚げで味噌汁をつくり、キャベツとピーマンのオイスターソース炒めをつくったところで、猪肉のロースの部分を刺身用の柳刃包丁で薄くスライスしていく。
結局、シンプルに粗挽きブラックペッパーをふって焼いて、レモン果汁と塩とで食べることにした。
食べてみると思ったほどの臭みはなく、味はコクのある豚肉という感じ。なかなか美味しゅうございました。あとモモ肉があるのだが、そっちのほうが匂いがきついかもしれない。とりあえず冷凍して、それはまた後日。
夜半から近くのツタヤへ行き、CDを1枚返して借りて、午前2時までやっている併設のスターバックスでノートパソコンを開いて仕事。
まだ腰が本調子ではないので、このスタバの椅子でパソコン仕事は1時間くらいが限度みたいだ。
執筆マシンの Sharp MURAMASA PC-MM2-5NE の標準バッテリーが弱ってきて、1時間半ほどしか使えなくなっている。昨夜の調べ物というのは、実は、このバッテリーの中味のセルだけを取り替えてくれるサービスについてだったのだ。
ふだんは3倍容量のバッテリーを使っていて、そちらも弱っているのだけれど、まだ4時間ほどは使える状態なので、当座は間に合っている。(以前は7時間ほど使えていたが、さすがに3年使っていると弱ってくる)
この標準バッテリー、純正品を買うと15000円ほどするところ、業者に中味だけを替えてもらうと8000円ほどで済む上に、純正品発売後の技術進歩が反映され改良されたセルに交換されるので、性能も上がるらしいのだが。
まだ、ヨットには復帰できない。
ヨットは海況によってハードさがちがうので、余裕のないぎりぎりでは乗れないし、まだ身体を捻ることができないのが問題。
(乗船中は、進行方向に対して真横を向いて座り、顔だけ進行方向に向けるので、身体を捻る姿勢を続けることになるので、背骨を捻ることが禁忌の状態ではなかなかむずかしい)
パシフィコで開催中の「横浜ライフデザインフェア2007」へ、歩行訓練を兼ねて。
いわゆるシニア世代、団塊の世代の退職後に向けたイベントなのだけれど、狙いが絞り込まれていなくてイベントとしてあまり成立していないように感じた。
そもそも団塊の世代と従来のシニアはライフスタイルがかなりちがう。
近くでの買い物も含め、万歩計は3000歩だった。
たったこれだけで、まだかなり疲れる。
夜、山で射止めたというイノシシの肉が届く。
さあて、どうやって食えばいいのやら。
職人が来て、家の内装のドアを直していった。
あとは、ほとんど在宅。
仕事の勘が鈍ってしまっている。まずいな。
牛乳とパンを買いに近くのコンビニに出かけ、帰りにTSUTAYAでCDを借りてきた。
双六でいうと「1回休み」みたいな感じのだらけた一日。
疲れをとるってことも大事だよね。と、自分にいいわけをする。
午後5時半、有楽町ビックカメラ。
HDMIケーブル1.5m(3780円)。居間のビデオの配線を変えるため。
午後6時、帝国ホテル。
江戸川乱歩賞授賞式&パーティ。
始まった頃はスーツを着た人が多くて、途中から肩を出したドレスの銀座のおねえさま方が増え、さらにはなんだか職業不詳の人が増えてスーツの人が減る。2時間の間に会場にいる人の構成比が何度も変化する不思議な会である。
昨年は推理作家協会に入会したて、ということもあって、ほとんどのパーティに参加したのだけれど、今年は、体調もよくなかったこともあり、ちょっと休みがち。
江戸川乱歩賞パーティだけは、推理作家協会の他のパーティとちがって、会費が無料でしかも帝国ホテル、ということもあり、病み上がりの社会復帰訓練がてら参加。
(ちなみに、その他のパーティは会費1万円で、新橋第一ホテルとか、飯田橋ホテルエドモントなど)
ひさしぶりに(最近学業が忙しくてあまりいっしょに飲んでいない)菅谷充さんを発見。
知り合いの編集者がいつもより少なかったりしたこともあって、ローストビーフ、寿司、スモークサーモン、蕎麦、デザート、など、お腹一杯食べたりして。(笑)
(ふつうは、挨拶や名刺交換で忙しくて、あまり食べるヒマがない)
先日ご馳走になったK書店の某氏に会ったら、「すすんでいますか?」
K書店の仕事ではなくて、その前の別の出版社向け長編のこと。それらが終わったら注文をくれる含みの質問で、たいへんありがたいのだけれど、まだ自分の創作ペースがちゃんと確立していないので、返事がしにくい。(ああ、まだプロになりきれていないなあ)
コルセットをして2時間立っていたらさすがに疲れて会場の後方のテーブルに座って雑談をしていたら、近くにいたK文社のU氏いわく「サントリーミステリー大賞トリオですね」。
そうなのだ。高嶋哲夫(サントリーミステリー大賞)、新井政彦(日本ミステリー大賞新人賞)、とわたくし阿川大樹は、第16回サントリーミステリー大賞の最終選考に残ったときの同期(笑)。
ひとつの賞の候補者3人が全員、のちにデビューして、この種のパーティで顔を揃える、というのはけっこう珍しいのだけど、ときどきこうした同窓会(同期会)のようなことになるわけだ。
最初に「大賞」になった高嶋さんがもちろんいちばん実績を上げている。
ちょうど話していたときに、高嶋さんの『M8』の文庫増刷(3刷)のニュースが入る。
というわけで、「サンミストリオ」は有楽町の街に出て、某洋風居酒屋へ移動。
午後10時くらいまで、いろいろな話。この3人が揃うとあまり景気のいい話にならないことが多いのだけれど、「3刷決定」というおめでたいことがあったので、ここでの二次会は高嶋哲夫さんの奢りになった。
ごちそうさまでした。
「これからは、増刷になった人の奢り、というルールにしましょうか」
などと、けっこう本気に言い合ってわかれる。
ちなみに、帝国ホテルの会場で、吉田伸子さんが、僕の顔を覚えてくれていたのが、けっこううれしかったな。
昼過ぎに家を出て、打合せ、中華の夕食。
9時間の外出。退院後最長外出時間。本日も進歩。
思えば子供の頃って、自分の進歩をいつも自覚していて、なんでも楽しかったような気がする。大人になると、停滞した能力とか沈滞した日常とか、そういうのを感じる機会が増えてくる。
停滞を安定といいかえて、それをガマンするのが人生だったり仕事の中心部分になってしまったり。
辛い時期がなかったわけじゃないけど、自分は面白い仕事ばっかりやっていたような気がするし、今になって日々進歩する肉体を実感したり、人生って楽しいよね。
新しいことを始めると、それが未経験だからこそ、進歩のスピードが早くて毎日が楽しいわけだ。
人生、毎日、伸び盛り!
楽しくないのなら、楽しく生きるために、今の人生にこだわらずに、いつだって新しい人生に踏み出していけばいいじゃないか、というのが『覇権の標的』や『D列車でいこう』にある基本的な考え方。
昼時、家を出て駅に向かう途中、横断歩道を渡っていたらクラクションが鳴る。
ふと見ると赤い車の中で笑っているのは、病友のSちゃん。運転しているのはお母さんだ。そういえば、今日、彼女は退院のはず。退院の時間から少し経っているが、近くでしばらく過ごしていたらしい。
入院仲間なので、お互いに寝間着姿しか見たことがなかったわけだけれど、助手席のSちゃんは、すっかり「街の人」になっている。信号が変わるまで、しばし、路上から窓越しに立ち話。退院おめでとう。
みなとみらいから、退院後初めて、電車に乗る。横浜駅まで。
高島屋で妻とランチ。肉を食べて元気をつけようと三田屋で「横浜ステーキランチ」1950円。この店は「文明開化」がテーマみたいだ。前菜の自家製ハムがとてもおいしかった。
昼なのにピアノの生演奏があるんだけど、いわゆるサロンピアニストで音楽を舐めている。どんなポピュラーで易しい曲だって、多くの人に知られているということは「名曲」なのだから、その魅力を引き出す演奏をしようとすればいいのに。
演奏が終わって、BGMが流れてきたら、ほっとして安らかな気持ちになった。(音楽心のない演奏を聴くのはストレスなのだ)
高島屋で少しの用事を済ませて、初ヨドバシカメラ(笑)。ベイシェラトン1階のショウルームに立ち寄り、次は東急ハンズに向かったのだが、家を出て3時間経過しているので、外出に慣れない身体はヘロヘロに疲れていて、スターバックスで休憩。
東急ハンズで眼鏡を新調しようと思っていたのだけれど、あてにしていたフレームが思ったのとちょっとちがったのと、疲れて根気がなくなっていたので、新調は延期。
他に家庭のものをいろいろ物色しているうちに疲労がピークになったのでベッド売り場で寝心地を試す振りをして(笑)、3分ほど大の字になって休む。
「おお、なかなかいいね、このベッド」
などと声を出して演技するのをもちろん忘れてはいない。(笑)
立って身体を支える筋肉全部が弱っているので、横になると一気に疲労が回復する。
午後6時に近づいていたので、近くの「白木屋」へ。
1時間ほど、軽くビールとツマミを摂って、タクシーで帰宅。
ふう~、都合7時間近くの外出をなんとかこなした。
こういうひとつひとつの冒険(笑)と達成感がまたけっこう楽しいわけだ。
健康なときは当たり前のことが、病気をするとチャレンジする楽しみを産んでくれる。楽な方が人生楽しいってわけじゃない。昨日よりも今日は進歩している、という喜び。
さあて、そろそろ仕事したくなってきたぞ。
近隣の「みなとみらいスポーツパーク」で僕が所属している「FC-JIVE」の活動があったので、自主トレがてら歩いて行った。歩いて5分なんだけど、その距離を歩くことができなくて、手術前は自転車で行っていた。もちろん今日は歩いていっても全然平気。
しかし、遅い午後の日差しが強烈。久しぶりの汗。
ベンチに座って水を飲んでいたんだけど、芝生へ出て歩いてみる。筋力が落ちているので、アスファルトと芝生(といっても人工芝だけど)の感覚のちがいが大きくわかる。ぜんぜん足に優しいわけ。
踏みしめて足の裏の感触を楽しみながら、ふと転がっていたボールに足で触れてみる。腰を捻ることは禁忌なので、身体を正面に向けたまま、歩くスピードのままトーキックで目の前50cmか1mへボールを弱く蹴り出してみる。
つまり、歩く速度でのドリブル。
たったそれだけでもボールを蹴るインパクトが背骨に伝わるのがわかる。この調子では、まだまだしばらく球は蹴れません。
アスファルトを歩くよりも身体にいいので、仲間たちの試合を見ながらコートの周りを、ゆっくり歩いたり早足にしてみたり3周ほど。
まだ当分プレーはできないけど、芝生の感触くらいは楽しもうと。
終了後、散歩の仕上げに、先週まで入院していた病棟へ。
看護師長さんに入院レポートを印刷してわたす約束をしていたのと、知り合った病気仲間がまだいるうちにもう一度顔を出したかったのだ。
退院を控えてみんなけっこう元気そうでよかった。
近くを散歩して足の筋力を回復させようと思っているのだけれど、目的がないとめげるので、スーパーまで買い物に行ってみた。(好物のトマトもなかったし)
歩いて行くには途中何度も休憩しなくてはならなかったスーパーまで、いまは、スイスイと行くことができる。
残念なのは、入院している間にトマトは3割くらい高くなっていたこと。
入院中に届いていた小さな家具を設置するホームインプルーブメント。
家の雑事は腰に負担のかかる姿勢が必要になるので、まだまだ要注意だ。
カミさんが仕事で外泊だったので、ちょうど京都から見舞いに来てくれた友人と退院初日から野毛でワインを飲んでの幕開けとなった娑婆の暮らし。
二日目は、比較的おとなしく。(笑)
近くへ出て、まずマクドナルドでフィレオフィッシュ。
病院食は意外なことにとてもおいしかったけれど、外へ出たときに食べたいものは、フランス料理でも高級中華でもなく、カレーや牛丼やマックや立ち食い蕎麦だった。
刑務所から出てきて最初に立ち食い蕎麦を食ったら涙が出るほどウマイだろうな、と思う。
あと、デオデオの店内で電気製品の価格調査(笑)をして、スポーツオーソリティで靴や水泳着をみてまわり、ツタヤのレンタルCD棚を見て回る。
都合、2時間ほど歩き回った。
いやあ、ぜんぜん足が痛くならない。当たり前のことがすごいうれしい。
まあ、たった2時間のウィンドウショッピングで筋肉痛だけど。
DAY16:9月14日(金)
病院最後の朝は午前5時半、起床。
デイルームで朝のカプチーノの準備をしていたら看護師さんが来て、診察券を返してくれて、退院後のために処方された薬と、処方されていて使わなかった座薬をくれる。
座薬は手術直後に1度しか使わなかったけれど、8回分処方されていたらしく、袋には「7個在中」とかいてある。冷所保存。使わなくても処方されてしまうとナースステーションに保管してあっても患者の所有物なので、退院時には引き渡しを受けるんだ。なるほど。
こういう作業の分担が夜勤の看護師さんというのが不思議な気がする。でもこれもきっと業務フローをみて考え「改善」を重ねた結果決めた合理性のあることなんだろうな。
「食事が終わったら先生が傷のチェックに来ますから、あとは会計をして帰ってください」
と、早々に引導を渡される。
退院後の薬、この分だと、まったく使わなくて済む可能性もある。
病室にもどってカプチーノで最後のダバダ~。
8時半、I医師が来て傷のチェック。問題なし。
「ではまた外来で……」
と、ルパン3世にちょっと似ているI医師が病室を去っていく。その後ろ姿にこちらは頭を垂れる。おかげさまで、痛みがほとんんどなくなりました。
ナースが来て、バーコードが着いている腕の認識票(腕輪)をカット。自由の証(笑)である。記念にもらっておく。
スノボガールのSちゃん(来週退院予定)がやってきて、廊下で記念撮影。イェイっ!
なんとなく後ろ髪を引かれながら同室の人、すれちがう人、ナースステーションに挨拶をして、病棟を出た。
ほとんど辛い思いをせず、おかげさまで、とってもたのしい入院生活でした。みんなありがとう。
