リハビリ日記(5)

DAY9:9月7日(金)
 午前6時、平穏な目覚め。
 外はまだ台風模様。散歩がてら病棟の廊下を端から端まで歩く。道行く人が傘をあきらめ、レインコートだけで走っている。なんか気持ちよさそう。(笑)
 前日、妻が差し入れてくれたコーヒー(ステンレスボトルに入っているがもちろん冷めている)を飲む。違いがわかる病院の朝。ダバダー。
 口直しに給湯栓にいってティーバッグのウーロン茶(105円で20パック中国製)を入れる。毒が入っているかもしれないが味はよい。
 風力発電はもちろんまだ止まったまま。
 朝の検温、35.8度。やっと平熱にもどった。
 午前7時。向かいのクイーンズタワーのオフィスフロアは昨夜から照明の点いているところが何階かある。徹夜で仕事をしているのか、それとも単なる消し忘れか。
 毎日NHKFMの朝7時のニュースを聞いているが、台風のニュースは映像がないとつまらない。他のニュースはどこかへいってしまうし。
 テレビを見るのをやめてラジオのニュースだけで10日以上生活しているけれど、くだらないあら探しバッシング報道に接しないので、とても気分がいい。報道は事実関係を教えてくれればよい。テレビが怒りを煽ってくれなくても、こっちは冷静に怒る。テレビに感情をコントロールされたくない。毎日怒りを煽られたり自分たちのリーダーに失望させられたりして、自分で幸福な時間を壊されたくない。情報として伝えてくれれば、あとはこちらでいろいろ判断するさ。
 午前9時過ぎ、同室だったUさん(頸椎の手術)が退院していく。
 症状が出る前、健康なときは1年に365冊小説を読むのを目標にしていた、という今どき奇特な(笑)潜在的お客様なので、ならばと拙著『D列車でいこう』を前夜に差し上げたら、さっそく夜遅くまで読んでくれていたようだ。
 昼には風が強いけれどすっかり雨も上がって暑い日に。
 風車は回ったり(風が強すぎて)止まったり。
 午後2時、リハビリ。
 わずか15分ほどの指導なんだけど、帰りには身体の動きが軽くなっているからリハビリの方法論というのもたいしたものだなあ。できれば自分でちゃんと勉強してみたいと思う。
 となりの男性部屋にしきり屋さんで大声の話し好きの男性がいて、廊下を経由して一日中話し声がしている。同じ部屋だったらなかなかしんどいな。
 幸いこちらはルームメイトに恵まれていてありがたい。静かすぎずうるさくなく。
 ドクターが来たので、まだ見ていなかった手術後のレントゲンを見せてもらう。背骨のどこの部分を削ったかよくわかった。
 問題のビリルビンの値が高い件は、すでに解消して正常値にもどっているとのこと。よかった。ほんとビックリしたぜ。(よくなったらよくなったで、先生、はやく教えてくれ~)
 午後4時、シャワー。
 本日の予定イベントは以上。
 いろいろな人がメールをくれたりして、みんながみんな「ヒマでしょう」という。
 実は、日記を書いたり、ふだん読めない本を読んだり、小説のアイデアを考えたりしているうちに、すぐに夕食の時間になり、夕食が終わると瞬時に消灯になる。もっとたくさん本を読める、原稿が書ける、と楽しみにしていたのだけれど、思いの外、病院の一日は短い。
 生活上の雑事がないぶんだけ時間の余裕があるはずだけど、就寝時間が早すぎるからなあ。でも、睡眠中に肉体が回復していく(「寝る子は育つ」は医学的に正しい)わけなので、やっぱり寝るべきなんだよね。
(ちゃんと寝なかったから肉体が壊れたのかもしれない)
『資本開国論』(野口悠紀雄 ダイヤモンド社)読了。
 日本経済や政治について僕が感覚的に考えていることを、実に理路整然と「ほぼ」肯定してくれている。この本のおかげで、自分の感覚にデータの裏付けが取れた。

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