日: 2008年1月14日

ずっと昔の成人式

 今日は成人の日だ。
 33年前、この日、僕は成人式には行かなかった。
 二十歳にもなってそういう風に群れるのがなんだか恥ずかしかった。世間の大人が祝ってくれんでも、こっちは勝手に大人になったるわい、とも思っていたと思う。(まあ親には感謝していたつもりだけれど)
 当時、大学の教養課程にいて、将来何になるのかまるでわかっていなかった。
 なりたいものはたくさんあったのだけれど、大人になるというのは、そういう「夢」を捨てて、なにかをあきらめることなのだと、漠然と思っていた。
「大人になっても夢を持っていたい」と今日テレビに映った新成人がインタビューに答えて話していたのを聞いて、ふとそんなことを思い出した。
「大人になっても夢を……」という言葉の裏には、「大人になったら夢を捨てるものなのだ」という意味がある。
 こんな言葉が出るということは、そのとき、僕の目に大人がみなそうしているように映っていたということだし、いまも、僕ら大人が新成人からそう見えている、ということだ。
 それはちょっとマズイなと53歳の僕はいま思う。
 世界は「大人だからできること」だらけだ。
 なんで、大人になったら夢がなくなるのだとあのとき思ったのだろう。子供にできることよりも大人ができることはずっと多い。そのことを大人はちゃんと子供に伝えていないらしい。