日: 2007年5月17日

墓参り

 夜来の雨が、一時は熱帯のスコールのように降った、
 そんな雨が上がって、日野までバイクで父の墓参りに行くことにした。
 本当のところは知らないけれど、自分の勝手な理解では、仏教の思想で遺骨自体に魂が宿っているわけではないので、理論上は、墓参りに意味はないのだと理解している。
 そもそも成仏しているのなら仏になっているわけだから、俗の世界にあった骨とは無縁の存在だよね。
 というわけで、墓参りに行くとしたら死者の魂の問題ではなく、残された人間の心の都合なのだ。
 で、ちょっと執筆に集中力が出ない期間が続いていたので、「新刊が出ました」と報告がてら(別に仏に報告するのに墓へ行く必要はないのだけど)、「おい大樹、真面目に小説を書かなくちゃだめじゃないか」と叱ってもらいたい気分だったのだ。
 共同墓地に着くと、年配の女性がひとりお参りに来ていた。
 人々が並べた花がおよそ30ほどあり、その女性が焚いた線香の香りが雨上がりの丘の頂上にある墓碑に漂う。
 僕は、いちばん隅っこに『D列車でいこう』を向こう向きに置いて手を合わせた。
「いい天気になりましたね」
 なんて、お隣さんと雑談をして墓地を後にする。
(『D列車でいこう』はもちろん回収して帰ったのはいうまでもない)
 あとはプールで30分ほど泳いでから夕食。
 しまった、エッセイの〆切だ。