手術後2日目 DAY3:9月1日
寝たきり3日目ともなると食欲がない。
暗くなるという以外に朝昼晩のめりはりもない。
10時前、回診。
傷口OK。
ガーゼ交換。ベッドと背中に挟まれたガーゼが傷口を押して痛かったのがよくなった。
体温37.1度、冷や汗が出る。アイスノンをもらってまた体を拭いてもらう。とっくに開き直っているので見られても触られても平気。でもナースが先に友だちだったらいやかも。小はあいかわらず管から、大はがまん。浣腸は平気になったけどウンコ見られるのはまだイヤだなあ。でもあと1.5日、我慢できるかなあ。
リハビリの先生がベッドまで来て人間トレーニングマシンになってくれて筋トレ。
体幹の筋力が落ちてベッドの上で姿勢を変えるのが少し難しくなってきた。わずか3日間でこれだ。当然、足にもきているはずだが、歩いていないのでわからない。
とにかく寝込んだり監禁されたりしたら、あっと言う間に体力が低下することがわかる。これが実感できただけでも入院したかいがあったというもの。
1週間人質として監禁されていた場合、強硬突入しても,拘禁が強ければ、人質は体力を失っていて自力で逃げるのは困難になる。突入プランを立てる時.人質がどのような状態にあるかによって戦略は大きく変えなくてはならない。なんてことがわかったわけだ。
(入院で病院と自分の身体の変化を取材して得られるものは、こうして多岐にわたる)
午後背中から入れていた痛み止め(エピ)がなくなったので、キズがかなり痛む。またボルタレンを入れてもらえば痛くなくなると思うが、取材の為、もう少し我慢してみる。
食欲は急速に減退してきている。体を拭いてもらっていても自分で結構匂う。
人間ただ3日間寝ているだけで体が壊れていくのがわかる。壊れきる前に病が治らないとき、人はきっと病院で死ぬのだ。
僕の場合は内科的には健康な状態からの外科手術だから問題がないけれど、内科的な重篤な疾患で病院から出るのは、思いの外むずかしいぞ。ある線を越えて長引く病をもっていて「出る」というはっきりした意志のもてない人(まさかと思うが世の中には意外にいる)は死が待つ蟻地獄にはまってしまう。
午後3時、『喜屋武マリーの青春』を読んでいるうちにまた汗が出てくる。コザ騒動のシーン。この本、沖縄戦後史の良書だ。
今日は土曜日なので周囲に見舞客が多い。
タ食、いよいよもって食欲がない。便通が原因だと思う。明日1日我慢して栄養摂取に問題を残すのは本末転倒なので、ついに下剤をもらうことにした。
