長編脱稿

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 午前8時40分。
 出かけていく妻が部屋に戻ってきて、「うちが出したゴミが路上に散乱している」と。
 しかたなくベッドから出て妻を送り出して、下まで降りて路上のゴミ拾い。
 どうやら道路を掘り返す作業者の仕業のよう。
 寝る前には脱稿の興奮状態で元気だったが、ぐったり疲れている。
 目覚ましの時刻には早いけど、そのまま起きてしまうことに。
 ぎりぎり6時間休んだから、ま、いっか。
 まもなく道路を掘り返す強烈な騒音が始まり、どうせ寝てなんていられなかった。
 この騒音では家にもいられないので、ちょうど書き上げた後でとても運がよかった。
 サン・ジャコモ広場の wifi は今日も電波が見つからない。
 カフェもまだ開かないので、サン・ポーロ広場まで出て、そこのベンチで原稿を送る。
 ついに長編、脱稿、本年2冊目になるはず。
(まだ第1稿なので、紆余曲折の始まりだけど)
 雨がぱらついてきたので、いそいで帰宅して洗濯物を取り込む。
 あまり食欲がないので、朝食は昼過ぎになった。
 今日は、だらだら、心を休ませながら暮らそう。
 学校から帰ってきた妻が、証明写真が必要だというので、傘を差してサンタルチア駅へ。
 家のプリンターでも写真印刷ぐらいできるのだけど、サイズを聞いたら「4枚プリントの大きさ」と言われてわからないので、それじゃしょうがない。
 日本と同じ、デジタル式の写真ブース。
 4ユーロで証明写真4枚と少し大きなの(他のサイズの組み合わせもある)がセットで出て来る。
「お、言語が選べるじゃん」
 と英語のボタンを押すが、英語なのは最初だけで、おかしいなあ、あとのインストラクションはイタリア語。
 で、出てきた写真はハートのついた絵葉書に顔写真が1枚。(プリクラの絵葉書版だ)
 おっと、ここのメッセージが英語のバージョンを選んでしまったらしい。
 だって、説明のいちばん最初に「言語を選べ」って書いてあるんだよ。で、ユニオンジャックのマークの付いたボタンを押したんだけどなあ。
 しかたなく、もう4ユーロを入れて、二度目に、やっとちゃんとした証明写真ができた。
 ブロマイドは「ベネチア滞在記念」ということにする。
 Vaporetto でサン・マルコへ向かい、大きな荒物屋へ買い物に行ったのだが、15分前の午後7時15分で閉まっていた。とか、そういう長閑な事件を経過。
 イタリアでは最初から用事が一度で済むと思ってはいないので、もはや、たいしたガッカリ感はない。またくればいい、と受け止めるだけ。
 このあたりの心のありようの変化は自分でも驚く。
(まあ、寝て起きて食べて書く、というあまり他人と関わらない生活だから、てのが大きいと思う)
 帰り道のサンポーロ広場のビアレストランで、夕食。
 フリットラ・ミスタとドイツビール。うまい。
 なんだか、今日はサン・ポーロで始まりサン・ポーロで終わった一日だった。