日: 2012年5月20日

地震

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 午前4時、かなり強い地震で目が覚める。
 こちらへ来て4週間になるが、有感地震は初めて。
 窓を開けると、近くの人同士、窓越しに話をしている。
 夜なのに、驚いたハトが飛び立っていく。
 すぐに地震と津波をイタリア語でなんていうのか辞書を引く。
 terremoto と maremoto.
 ラジオやテレビで言及されたときにすぐにわかるように。
 揺れは、その後、1回だけ弱い余震があっただけだが、津波が心配。
 津波が来たら水上都市ベネチアはひとたまりもない。
 津波によって、ベネチアの歴史が、今日、終わるかもしれない。
 だが、テレビをつけても、ラジオをつけても、特に地震情報はない。
 言葉ができないと情報弱者になる。
 福島原発事故の時に外国人がさっさと逃げたのは当然だ。
 それと同じだけ日本人も逃げるべきだと言っていたへんな日本人も多かったけど。
 情報が集められないので、歩いて本土へ避難し始めることも、頭の中では考えたが、「津波が来たら死のう」と腹をくくって、また眠りに就いた。
(言葉ができても、ふだん地震の無いベネチアでは、おそらく地震や津波での避難指示体制なんてできていないから、政府や自治体の避難命令などは出ないだろうし、そもそもろくな情報も提供されないだろう)
 午前8時、津波もなく、平和に目覚めた。
 冬支度が不十分で限られた物を着たきり雀になっている。
 月曜日の方が空いているけど予報では週明けは雨が降りそうなので運河向こうの BENETTON へ。
 30%引きのジャンパーとサマーセーターで、99.91ユーロ。
 これで、僕も macaroni だ。(注:英語またはフランス語)
「マカロニ」のイタリア語のスペルは maccheroni で上とは別の意味。
 説明してしまうと、英語のマカロニは「しゃれ男」「チャらい野郎」「スカした野郎」「イタ公」みたいな(イタリア男をバカにした)意味。
 映画「サタデー・ナイト・フィーバー」は、そんな「マカロニ野郎」のイタリア系アメリカ人が主人公。
 VENETO 州で生まれたらしい BENETTON はブランド物ではなくてリアルクローズなので、観光地であるベネチアでも店が空いていて買い物もしやすい。
 日本でお店に入らないのでよくわからないけど、多分日本の BENETTON より安いと思う。日本の GAP くらいの値段だから。
 毎朝パンを買いに行っている MAJER のオーナーは、元日本ベネトンの社長だったそうで、奥さんは日本人。
 その MAJER のいくつかの店ではおにぎりが売られている。買ったことないけど。(1.2ユーロ)
 どうやらイタリアにお菓子の修行に来た日本人が作っているらしいのだが、イタリアへ来ておにぎりを握らされている菓子職人って、ちょっとかわいそうな気がするなあ。
 同じ握るのでも寿司なら、世界中でつぶしが利くけど、おにぎりじゃなあ。
 でも「Onigiri」を掲げてニューヨークでおにぎり屋を始めて、ロッキー青木みたいなアメリカン・ドリームになったりして。
「寿司なんてもう古いんだぜ、アニメ? ちがう。これからはオニギリだ」
 なんて、いままで寿司ネタについて英語で蘊蓄を語っていた、ウォールストリートあたりのスノッブなガイジンがオニギリについて語り出し、世界中に新しいタイプの日本かぶれの「オニギリ野郎」が出現するかもしれない。
 もちろん、アボカドの入ったオニギリも登場する。
さて、
 混雑を承知でリアルト橋までやってきたもうひとつの目的は、ACTV のプリペイドカード( suica みたいな非接触ICカード)を作ること。
 こちらに来てから Vaporetto は1回6.5ユーロから7ユーロに値上げされた。
 5年間有効のカードの発行料が一般で40ユーロ(住所がある人で10ユーロ)するけど、以後、11ユーロをチャージすると10回乗れる。
 本土方面の路線バスにも乗れる。
 切符売り場のない乗り場(我が家の最寄りの S.STAE もそう)からも楽に乗れる。
 切符を買うのに並ばなくてよい。(時に混んでいると30分以上並ぶ)
 我が家はベネチアの地理的中心にあって、主な場所へはどこでも徒歩15分圏内なのだけど、10回で11ユーロなら、日頃の買い物にも気軽に使える。
 しかし、たかが交通カードのくせに、さすがイタリア、ひどく手続きが面倒で、二枚複写の用紙に記入して特定のチケットオフィスに提出する必要がある。こういう制度があるという告知もほとんどされていない。
 書類を出すとそれを見ながら係員がデータ入力をする。
「写真もってきたか?」と聞くから「ないよ」というと、パスポートの写真をウエブカメラで取り込んで写真入りのカードができあがる。
 僕の場合、係員がパスポートからうまく撮影できず、ガラス越しに直接、僕の顔を撮影して作った。
(だから最初から写真は要らないんだけど「写真持ってきたか」と必ず聞かれる)
 ズボンの予備は十分にないので、帰宅後はすぐに洗濯して外に干し、いつものように仕事。
 午後3時20分。また地震。
 午後3時50分。雨が降り始める。