月別: 2012年5月

こつこつ

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 夜中、雨音がしていたが、朝には上がった。
 自宅、Al Prosecco、Museo、広場の順に移動して仕事。
 長編はまだ4日ほどかかるので、エッセイの仕事を先に片づける。
 お腹がすいたので、帰宅して、スープ仕立てのカッペリーニ。ラビオリを浮かべて、ワンタンメン風に。
 エッセイを書き終わったところで、 Da Filo でネットにつないで編集者に送信。
 帰宅後は、ここ数日に新しく書いたところをプリントアウトを元に推敲。
 夕食後、テレビでローマの陸上競技をみたら、ウサイン・ボルトが世界記録を出した。
(と思ったのだけど、どうやら今季世界最高記録だったらしい)
 その後、また仕事に戻る。

地震の情報収集

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 テレビで地震の被害が大きく報じられるようになった。
 まだ、生き埋めになった人たちの救出作業は続いているようだ。
 災害救助犬の姿もたびたび報じられている。
 どうやって復旧させるか、というテレビ討論も始まった。
 義援金を自動的に寄付する電話番号が画面に出る。
 SMSや電話をすることで、自動的に2ユーロが義援金になる。
 日本でも、昔、ダイヤルQ2で同じようなことをやっていたね。
 テレビでは言葉の問題もあって断片的にしかわからないので Tabacchi で新聞を買う。
 どれを買うのがよいかわからないので、一番表紙が地味だった Il Gazzettino (1ユーロ)
 無料で屋根がなくて wifi が通じるけど時々座れない広場。
 無料で屋根があって wifi が通じないけどほとんど座れる Museo.
 無料で屋根があって wifi が通じなくて寒いけど必ず座れる(笑)自宅。
 これでは雨が降るとネットから断絶してしまう。
 スケジュールを入れての編集者との skype 会議が天候に左右されては具合が悪い。
 というわけで、いままでの仕事場に加えて、今日は有料で屋根があって wifi が通じる仕事場の開拓。
 広場に面した Al prosecco へ。
 コーヒー、2ユーロ。ここはもちろん広場で使っている VeniceConnected が使える。
 午前11時くらいから開いているから、日本時間夕方6時からの会議なら使える。
 午後、次第に混んで夕方になると、席が確保しにくい。休む日もある。
 広場から一本入った Osteria Da Filo へ。
 コーヒー、1ユーロ。
 店の専用 wifi が使える。
 開くのが遅い。午前0時までやっている。
 でも、夜になると若者が集まって騒ぐのでものすごくうるさい。(笑)
 広場にほど近い MAJER は、
 コーヒー、0.8ユーロ。広場の VeniceConnected が使える。
 テーブルが3つしかない。人通りが多くて落ち着かない。
 地震後の情報流通のため、31日まで VeniceConnected は通信インフラとして、一般に無料開放されている。(こちらは契約しているので関係ないのだけど)
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また地震

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 MAJERで、 Bastone (「杖」という意味=フランスパンのバゲット)を買う。
 それでサンドイッチにしたら顎が疲れた。(笑)
 午前9時、地震。
 短いけれど強烈な揺れ。
 家に被害はなし。
 窓を開けると、近隣の人が窓と窓の向かい合わせで、話をしている。
 イタリア語なので参加できないけど、お互いに目と目で安否確認。
 テレビを点けるが、何も変わらず通常放送。
 20分後、パドバ近郊の農家が映る。
「水遣りのホースがこんなにずれちまってさあ」なんてどこか長閑な実況中継。
(でも、そのころ、バドバ大学は崩れていた)
 FM放送では話題になっている。
 被害が出ているらしいが、放送に緊張感はない。
 ほぼ一日中、家で仕事。
 着々とラストに近づいている。
 編集者に日本時間4日夜までに原稿を送ると連絡。
 夕食は、メルルーサのコットレッタ。
 英国で言えばフィッシュ&チップスのフィッシュ。
 夜9時、やっとテレビのニュース番組で地震の被害状況が詳細に報じられていた。
(だからといって僕が詳細に理解できてはいない)

ベネチアの路地と社会システム

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(どんな小さな路地にも設置されている街路灯)
 月曜日。紙ゴミの日。
ベネチアのゴミの分類;
 普通ゴミ(鉄もここに含まれる!)
 ガラスゴミ(PET、プラスチック、ガラス、アルミ)
 紙ゴミ(新聞雑誌などだけでなく鼻をかんだ紙も含めすべての紙はこの分類)
 普通ゴミの回収は月曜から土曜の朝。
 ガラスゴミは火木土の朝
 紙ゴミは月曜の朝。(他の日もあるかも)
 その他、道は作業員が頻繁に清掃している。
(でも、それ以上に頻繁に犬が糞をしていく)
 夜のうちに家の前にゴミを出しておくと、地域によるけど、うちの場合、午前8時過ぎに回収していく。
 このあたりの公共サービスはなかなか充実している。
 ベネチアは路地の街だが、どんな狭くて短い行き止まりのような路地でも、必ず公共の街灯がついていて夜は明るい。
 意外にもベネチアには夜暗い路地はひとつもないのだ。
 街灯にはすべて管理番号がつけられている。
 ベネチアに限定すれば治安はものすごくいい。
 深夜1時に、若い女性一人がミニスカートで歩いているのも普通。
 そのかわり、まともに税金を払っている人は、なんだかんだ収入の4割ほどの税負担。
 その代わり医療費も無料。もちろん出産経費も。
 イタリアは高負担高福祉の社会だ。
 とにかく食べ物が安いので、住むところさえあれば、収入が少なくても生活は楽だ。
 電気代が高いので、蛍光灯型電球がとても普及している。シャンデリアにも!
 問題は、払うべき税金を払っていない人が多いこと。
 聞くところによれば、国民の半分以上が税金を払っていないという。
 ベネチアは観光客からできるだけたくさん金を取ろうという姿勢がはっきりしている。
 ホテルに泊まると宿泊税一日ひとり3ユーロ。
 水上バスは市民は1回1.5ユーロ、旅行者は7ユーロ。
 1週間以上滞在するには住民登録が必要で、そのための費用がなんと約150ユーロ!
(でも、ユーロ圏の移動が自由でパスポートチェックがないので、多くの場合、1週間以上滞在していると行政が把握するのは事実上困難)
 ちなみに、日本では増税論議が盛んだが、各種控除などで日本人の8割は所得税が10%以下。
 消費税が5%。
(年金や健康保険を別に取られているとはいえ)これで税金が高い、増税はケシカランといっているのはとても不思議な気がする。
 増税は無駄をなくしてから、というのは正論に聞こえるけど、僕は間違っていると思う。
 無駄をなくす能力が政治家や官僚にあるならそもそも財政危機になったりしない。
 能力とやる気のない人たちに、できないことを期待するのは非現実的だから、無駄をなくすのを待っていたりしたら間に合わない。
 必死で小説書いているより、生活保護を受けた方が収入が多い、という程度には日本の福祉は充実している。
 税金ぐらいもっと払おうよ。
 て、比較の仕方が変かな?
 今日も、夕方、散歩。
 いよいよ脱稿が近い。
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日曜日

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(散歩道にある八百屋)
 日曜日。
 朝食を MAJER に食べに行ってみる。
 といっても家とあまり変わらず、食べるのはブリオッシュ。飲み物がカプチーノ(1.2ユーロ)になるだけ。(二人で4.4ユーロ)
 店の前のテーブルで広場の wifi が拾えるので、PCでメールのチェック。
 午前9時にはひっきりなしにお客さんが来て、そこで食べたり、持ち帰ったり。
 9時半になると、さっと人が引いて、店の人がフロアを掃除し始める。
 引き続き、執筆、追い込み中。
 気分を変えて、使っていなかった第二ベッドルームを仕事部屋にしてみる。
 光がたくさんはいる部屋で気持ちがいい。
 寒く感じたところで、外へ出ていつもの Museo で、午後6時まで。
 朝食に出ている間に洗濯しておいたシーツを外に干したら、取り込んだとき、太陽の匂いがした。
 執筆好調。
 終わりが見えてくるといつもそうだけど、終わらせてしまうのが惜しくなる。(笑)
 本日も、午後7時過ぎから、お散歩コースへ。36分。
(午後9時過ぎまで明るい)

絶賛、追い込み中

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 昨日は、少ししか書かず、夜半から、大団円までの構成を、白紙にペン書きで考えてみた。
 小説は終盤になって、伏線の回収モード。
 決まっている部分を書き進めながら、頭の半分以上は別の部分をどうまとめるかを考えている。
 ちょっと不思議な状態。
 決まっている部分を書くのは、それほど創作的なことではなく、頭の中で決まっていることを手を動かして文字にしているだけの肉体労働。
 それをしながら、創作頭が回転して別の場面を考えている。
 そうして、書いている場面と頭の中の場面がリンクしたりする。
 本日も、自宅、サン・ジャコモ広場、自然史博物館を移動しながら、書き上げた部分を見直しつつ、大団円の展開をぼんやり探る。
 本日も午後7時を過ぎてから、散歩40分。
 身体を動かした方が頭も働く。
 歩いているうちに、無意識の中で物語ができて、それが別の時間に絞り出されてくる感じがする。
 コーヒーの豆(粉)がなくなったので、生協に買いに行ったら LAVAZZA(4.06ユーロ) がないではないか。
 というわけで、試しに Segafredo (2.99ユーロ)を買ってみる。
 LAVAZZA よりも酸味がなくて苦みが強い。
 これはこれ、ですね。
 5.65ユーロで鮭の大きな切り身を買う。
 というわけで、夕食は鮭のグリル。
 美味しかったけど、部屋中が生臭くなった。(うう)
 食後もまた仕事。
 日本から持ってきている小型のプリンタ HP Officejet 100 Mobile Printer がけっこう優秀。

囮捜査

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 今日も、起きて真っ先に MAJER へパンを買いに行くという生活。
 
 キッチンに蟻がいる。駆除してもしばらくするといる。
 ふと足下を見る。
 げっ、床に行列ができている。
 スプレーで退治する。
 しかし、原因を突き止めないと根本解決にならない。
 しばらくして一匹も居なくなったはずの配膳台に3匹を発見。
 囮{おとり}捜査に入る。
 わかりました、彼らのターゲットは先人の置き土産であるシトロンのシロップ。
 ビンの周りを水で洗って、一件落着。
 午後、客人があるらしいので、部屋に掃除機をかけ、シャワーを浴びたらもう昼になり、食事を作ったらもうすでに午後1時。
 まだ、原稿、一文字も書いてない。
 いつもの Museo に出勤して仕事だ。
 そろそろプリントアウトも必要な時期なので、文房具屋でA4の用紙を500枚購入。(3.5ユーロ)
 身体を動かすため、涼しくなってから新しい散歩道の開拓へ。
 ベネチアの西側と南側を大回りしてサルーテ教会へ行くコース。8900歩。
 サルーテからは、Vaporetto で帰宅。
 午後8時半の閉店間際に、BILLA と COOP をハシゴして食材の買い出し。
 水の在庫確保に精神的に追われている感じがあるので、1.5Lの6本パックでまとめ買い。
 夕食は、グリルされたアーティチョークの酢漬け、水牛のモッツァレラ・チーズとトマト、夏野菜のスパゲッティ。
 水牛のモッツァレラ・チーズが200gで3.5ユーロというのがすごくうれしいなあ。
(ここのところ、ユーロが99円代に突入しているのもうれしい)

ボクワ、ガイジン

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 午前7時半、広場へネットを繋ぎに。
 午前8時、MAJER が開くのに合わせて、朝食のブリオッシュ(クリームやジャムが入ったクロワッサン)を買いに入る。
 店で飲食する人と、持ち帰りの人を一人で捌いていた店員さんに、Porta via ? (お持ち帰りですか?)と聞かれ、Porto via. と一人称で答えるべき所、ついオーム返しに Porta via. と二人称のまま答えてしまった。
 店員さんが持ち帰ってどうする!(笑)
 質問の意味がわかった、というのは大きな進歩なんだけど。
 映画なんかで「言葉がよくできない人」というのを表現するのに、動詞の活用とか名詞や形容詞の男性女性の間違いを使ったりする。典型的な「言葉の変なガイジン」をやってしまった。
 ベネチアでは実は英語だけで暮らせる。
 難しいことを早口で言わない限り、売っている物を買うだけなら英語の通じない店はほぼないと言っていい。
(観光地のベネチアだからというのでもなく、チェコでもそうらしいので、是非はともかく、これがある意味世界のデフォルトみたい。日本で英語が通じなさすぎるのはどうかと思う。スウェーデンに行ったとき、人口数十人の寒村で出会った住人にでも英語がカタコトでなく普通に通じてびっくりした)
 でも、俺は外国人だ、英語で話して何が悪い、みたいに生活するのはなんだかイヤなのだ。
 無理に「クリーム入った二個欲しいアルヨ」みたいな言葉を使うとバカに見えるだけかもしれないけど、それでもね。
 バールでオンブラ(「影」という意味だけどベネチアでワインをそう呼ぶ)を飲みながら役人の悪口を言えて始めて大人の仲間入りができるわけで、子供で居続けるより、早く大人になりたいからね。
 食べ物のことを考えるのがいやになってしまって、サンジャコモ広場の Al Bagolo で夕食。ふたりで42ユーロ。期待していなかったけど美味しかった。

仕事場拡張計画

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(遠近法?)
 水曜日、午前10時、サンジャコモ広場ではベンチの改修が行われている。
 火曜と月曜は、植え込みに花を植えていた。先週は植え込みの柵を作っていた。その前の週は植え込みの柵の撤去と整地をしていた。全部同じ職人が二人でやっている。
 溶接と植栽と大工仕事、多能工だけど、どの作業も遅い。(笑)
 日本なら全部を3日でやるだろう。
 ここはイタリアだから日本でどうであろうと関係ないけど。
 ネットにつないでいると雨が降ってきた。
 執筆が終盤を迎えてきて、後回しにしてきた細かな事実関係の調べものを、脱稿までにはきちんとしなくてはならない。
 雨が降ったら調べものができない広場のベンチ、というのでは困るので、屋根付きの広場のカフェを仕事場に加えなくては。
 編集者とスカイプで打合せをする場所も必要になるかもしれないし。
 というわけで、同じ wifi の使えるカフェのテーブルにあるメニューを確認。
 プロセッコ、4ユーロ。コーヒー、2ユーロ。
 本日より脱稿までは有効活用することにしよう。
 メールで新刊の表紙イラストが届く。
 いつもの Museo で仕事。日陰が心地よい気温。
 うちに帰って仕事の続きを始めたらやはり寒くなって心も沈んできたので、午後5時半、散歩に出る。
 1時間ほど歩いて、Gardini まで。
 Vaporetto の駅に換算して13駅分の距離だ。(といってもたいしたことはない)
 Arsenale 近くには客船に混じって豪華ヨット(英語本来の意味の Yacht =個人所有の豪華な遊び船のことで帆で走るかどうかは呼称に無関係)がフランスやニュージーランドから来て舫われていた。
 ちなみに、僕が横浜で乗っているのは、日本語でヨットですが、英語では Sail Boat で全然豪華じゃありません。英語でヨットというのは、ようするにギリシャのオナシスさんとかモナコ王室さんとかがお持ちのような船のこと。
 帰りはベネチア版 suica を使って Vaporetto で40分。
 それにしても、家の中は寒いのに外を歩くと暑い。
 外では半袖ポロシャツ、家ではフリースの上にさらにジャケット。
 というわけで、あいかわらず、執筆の最大の障害は家の寒さ。
 天気予報によれば、明日は気温が上がるようだけど。
 午前0時過ぎ、部屋が寒いので窓を開けると、外は暖かい。
 締め切ってしまうと、壁で空気が冷やされて室温が下がってしまうのだ。
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メキシコの大富豪のモーターヨット Mayan Queen (船籍はケイマン)

小説の神様が降りてくる

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 朝食前、ずっと前の方に書いたエピソードが頭の中で伏線になる。
 これで、物語は(まだ書いてないけど頭の中で)完成。
 僕の場合、伏線を最初から伏線として埋め込むことは希で、無意味と思われるディテイルを埋め込んでおくと、そのうちいくつかが突然「こうすればあれが伏線になる!」と閃いて、あたかも最初から計画的に伏線を埋め込んだみたいに美しくつながることになる。
 たとえ話でいえば、序盤で「酔っ払った主人公が月を見上げていたら足下の石に躓く」というどうでもよさそうな、ただ酔っぱらい具合を表現するための細かなことを書いておく。
 そうすると、その石があとから重要な役割をすることになることがある。
 その石は犯人がトラックで逃走するときに荷台から落ちたもので、その地域にはない種類の石だった、となれば、無関係に生きていた犯人と主人公が、石と靴の先でつながり、躓いたことが物語の上で重要な意味を持つことになる。
 躓くシーンを書いているときは、そんなことは考えてもいないのだけど、書いてから二ヶ月後、終わりに近づいたころ、急に「主人公が躓いた石」が大きな意味を持つことになったりするわけだ。
 そうやって伏線がつながる(というか、「ただのディテイル」が「伏線」として新しい意味を持ちはじめる)のは、歯を磨いているときだったり、外を歩いているときだったり、書いているときとは限らない。
 24時間小説のことを考えているので、いつでもそういうことが起きる可能性がある。
(夢の中で思いつくこともあるので、比喩的表現でなく、ほんとに24時間)
 分量だけで小説ができあがるわけではないので、書き進めながらも、昨日までは、この小説はできあがるのかなあ、と思いながら書いていたけど。(笑)
 いつか必ず閃く、という根拠の無い自信があり、それは不思議に揺らぐことがない。
 原稿用紙何百枚書いても、今朝のような閃きがなければ、書いたものが全部無駄になってしまうのだけど、でも、今まで必ず閃いてきたし、これからも閃くはずなのだ。
 さて、あとは頭の中にあるものを読者が読める形にする、という肉体労働。
 いえ、それまでもほとんどは肉体労働なんだけど。