Diary

ポメラ pomera DM20 使用記(2)

(この記事は、発売前のサンプルを使用しての記述です。製品版は異なる可能性があります)
【編集中のファイルのPCでの編集】
 文章を編集中にそのまま電源を切って、USBでパソコンにつなぎ、そのファイルをつないだままで直接編集してみた。
 接続を切り、改めて、電源を入れると、pomeraの画面にはパソコンで編集した結果が反映されていた。
 DM10ではやってみたことがなかったけれど、ちょっと感動。
【ドライブは3つある】
 USBでPCにつなぐと、3つのドライブが存在する。
 ひとつは、内蔵の89MB
 2つめは、不明の16MB
 3つめは、microSD
 真ん中のドライブはなんだろう。

ポメラ pomera DM20 使用記(1)

(この記事は、発売前のサンプルを使用しての記述です。製品版は異なる可能性があります)
【一般的なレスポンス】
 新しい pomera DM20 エディターとしてのレスポンスはなかなかのもの。
 どんなにスペック表が華やかでも、基本性能が劣っていては道具としてだめなのだけど、合格です。
 原稿用紙15枚ほどのファイルで、画面スクロールが「きびきび速い」とまではいえない。まあ、十分許容範囲。
 ファイルの末尾に書きついでいくのなら、もちろん問題なし。
【コピー&ペースト】
 気づいたこととしては、クリップボードの容量があまり大きくないようで、15000字くらいのテキストをコピーしようとすると「できません」と言われてしまう。
 このあたり、ちょっと微妙。
 ファイルサイズいっぱいまではコピーできると、自由でありがたいのだけれど。
(まあ、これが致命的かというとそうではないけど、道具の限界をユーザーが定量的に意識しなくてはならないのは、ちょっと残念だ)
【文字サイズの変更】
 文字サイズを変更できる幅が大きくなったのもいい。
 12x12ドットでは、老眼の僕にはちょっと厳しい。20x20ドットくらいが通常使用の限界かな。

長編にもどる

 連載原稿の修正。
 東京工芸大学での公開講座講義資料の仕上げ。
 夕方から、やっと長編原稿に戻る。
 ちょうどいいタイミングで編集者から電話が入る。
 前回は、彼から電話が入った夜に「小説の神様」が降りてきたのだった。「神を呼ぶ編集者」と呼ぼう。
 まだまだ分量的に残っているけれど、だいぶ終わりが見えてきている。
 充実しているから心は折れないけど、体には無理がかかっている。
 腰が痛くてロキソニンか湿布のどちらかまたは両方が毎日欠かせないし、胃の働きが悪くて重い感じのする毎日。
 目は、ブルーベリーのサプリメントをとりながら、時々目薬を差す。まあ、年だしね。(笑)
 あと三日というなら突っ走ってしまうのだけど、あと2週間はかかると思うと、ペース配分が難しい。
 マラソンでいえば、30km手前、といったところか。どこからラストスパートするか。
 必ず完走できて、かつ、できるだけ早く。
 小説家の暮らしは、アスリートのそれにかなり似ている。
 負荷をかけすぎると体や心を壊す。負荷をかけなければいいものはできない。常に壊れるぎりぎりで最高のパフォーマンスを出すようにする。
 そんなわけで、小説の執筆に pomera を全面的に使って試す余裕はなく、日記を pomera で書いてみる程度。
 しかし、入力に対する反応も、キーボードの感触もいい感じだし、新型 pomera はなかなかの出来映えだと感じる。
 遅いランチは聚香園で肉団子黒あえの定食。(680円)
 翌午前1時すぎ、帰宅の途につく。

新製品発表: KINGJIM pomera DM20 ポメラ

 午後一番、赤坂ガーデンシティで、キングジム「ポメラ新製品発表会」。
 初代機ポメラDM10は、当初予定の年間3万台に対して、9万台売れたという。
 ライターや小説家などの同業者にも、pomera を使っている人はかなりいる。もちろん、我が家にも一台。
 さて、その pomera だが、まず、スペックから見た感想を書いておく。
 12月11日発売の新型 pomera DM20 は、旧型の不満をほぼ全面的に解消している。
「ネットに繋げるようにしろ」「バックライト液晶にしろ」という人もいただろうけど、そういう電池食いの仕様は無視して、電池で長時間動くテキスト専用マシン、というコンセプトを守って、正常進化したことをまず喜びたい。
 技術的トレードオフを考えない、なんでも欲しがる「お客様の声」を上手に無視するのは、実は企業にとってはけっこう難しいことなのだ。
 おおぜいの人の意見を聞くと、スペックはどんどん大きくなり、その結果、基本機能よりもカタログの比較表にたくさん丸がつくことが優先される、という本末転倒がよく起こる。
 そうならない「ブレないコンセプト」が立派だ。
 1ファイル8000文字だった制限が28000文字まで拡張され、これは原稿用紙で70枚以上に相当する。
 実用上、ほぼ無制限といっていい。
 職業小説家は1冊の本として、最終的にこの10倍くらいの長さの文章を書くわけだけれど、全体を1つのファイルにして書き継いでいくことはしない。阿川の場合、原稿用紙換算で50-60枚よりも大きなファイルにはしない。
 28000文字だと、400字の70倍だけど、小説は改行が多いので、原稿用紙換算では80枚以上になると思われ、短編ならば、多くの場合、この範囲で一気に書けてしまう。
 一見地味だけれど、フォルダが使えるようになったのは大きい。
 書くためには、資料もあるし、分割して書いていく本文をまとめて仕舞っておくフォルダがあるとないとでは大違い。
 ましてや、連載と書き下ろし、など、複数の小説を同時期に書き継いでいくとすると、フォルダは必須。
 しかし、なにより重要なのは、ポメラでフォルダが使えると、「パソコンで書いて、ポメラへ持ち出して書き継いで、またパソコンにもどす」という一連の執筆の流れで、フォルダ構造をそのままコピーして持ち出し、また、そのまま書き戻しができるということ。
 フォルダが使えないと、これをやるにはパソコン側でもフォルダを使わないようにしなければならない。従来の機種では、その意味で作業中のファイルの持ち出しが、意外に面倒だった。
 結局、面倒のないノートPCを持って出て行く、ということが多かった。
 フォルダをサポートすることによって、利便性、可搬性が確保されたといえる。
 これはサブのツールではなく、プロの執筆システムの本流に「普通に」組み込む事のできる道具になったということだ。
 その他、細かなところで、初代機で「いまひとつ」だったところが、ことごとく改善されている。
 地味だけど、確実に「本当に必要としている人」に報いる進化だ。
 出先での、メールやウエブアクセスは、相当程度に携帯で済む。
 欲しいのはまず最初に文章を書くためのマシンだ。
 PCの他に長時間使える執筆マシンがあれば、パソコンを持って出る必要はぐっと減らせる。
 PCを持って出て、それでネットに使う機会は、携帯があればそれほど多くない。
 なぜなら、wi-fi をオンにするとバッテリーの持続時間が短くなるし、携帯電話をつないでPCでインターネットをつかうと、通信費が高くなる。
 かけがえのない執筆マシンのバッテリーをメールやウエブブラウジングで消費したくない。
 電池がもったいないのだ。
 外出先ではほとんど携帯で用が足りるし、足らせたい。
 もし iPhone を持っている人なら、なおさらそれで済んでしまうだろう。
 実際、外へ出る時間が長いときは、電車の中や、あいた時間に仕事をしたいがために、ノートパソコンを持って出ることがほとんどなのだけれど、必要十分に進化した新型 pomera DM20 があれば、PCを持って出る機会を減らすことができるだろう。
 逆に、長時間にわたって、外にいるとわかっているときには、PCのバッテリの心配から、pomera 「も」持って出る、という機会が増えそうだ。
 発表会の会場からサンプル機を持ち帰ることができたので、実際の使い勝手について、気づいたことについては、あらためて、また書きたいと思う。
 いや、ほんとうに「正常進化」してくれてほっとしましたよ。
検索でいらした方々へ:
 小説家・阿川大樹のブログ内の pomera 関連エントリーは、ほかに、これだけあります。

Google Books から日本は除外。またガラパゴス化

 google 書籍電子化が、日本を除外することになってしまった。
 日本文芸家協会は反対をしていたみたいだけど、僕は賛成だった。
 google で電子化してくれて、売れたら63%印税をくれる、という条件だ。
 拒否したければ、拒否できる。
 ただし、期限までに拒否しなければ、了解したとみなす。
 最後の一行は、たしかに、一方的なやり方だけど、悪い条件じゃない。
 本来、出版社が横断的にやるべきことを、google がやってくれている。
 本が売れないなら、電子書籍にして絶版なしにしたほうが、みんな幸せで絶対に儲かる。なのに、反対する出版人がいる。
 わけがわからない。
 すでに絶版になっている本も、読めるようになる。
 読者も著者も、みんなハッピーな話だ。
 
 こうやって日本はまたガラパゴス化の道を歩み、構造不況の出版界は新しいビジネスチャンスをみすみす失ってしまった。

座りんぼう

「立ちん坊」といえば、街角に立っている娼婦のことである。
 阿川のスタジオの前の大岡川を渡ってすぐの若葉町あたりには、日によってかなりの「立ちん坊」がいるのだけど、先日、見かけたのは座りんぼう。
「オニイサン、一万円。オマンコもできるよ」
 地べたにしゃがんだまま、こっちまで聞こえる大きな声で道行く人に話しかけている。
 周囲に聞こえる大声で誘われたら恥ずかしくて「客」になりにくいよなあ。
 一万円払って彼女と何かしたいかなあ。
 あんな大きな声で商売して、警察に捕まらないのかなあ。
 まあ、人それぞれってことですね。
 川のこっち側も、野毛に向かっていくと小規模なホテル街があって、そのあたりのごく狭い一角に、女装の男娼が立っている。
 黒いゴシック系ロングドレスで太っている人。
 華奢で、必ず黒いストッキングを履いている人。
 この二人はよくいるんだけど、このあいだは、毛糸の帽子を被った「普段着のシャンソン歌手」風の長身の人。
 そういえば、ホモセクシュアルと言えばフランスは本場だし。
 まあ、人それぞれってことですね。

「野田秀樹」(白水社)

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「野田秀樹」(内田洋一 白水社)が届く。
 僕の所にも取材が来て、僕の話した「夢の遊眠社」創立の頃のことが実名入りで書かれている。
 時間ができたらゆっくり読もう。
 小説を書くようになって、執筆資料本以外になかなか本が読めない。
 下は、本に載っていた旗揚げ公演のチラシ。音楽に僕の名前が本名で載っている。
chirashi.jpg
 
 昼食は、サービス券が3枚溜まっていたので、吉野家の牛丼(並)をタダで食べることができた。
 なんかうれしい。(笑)
 しかも、今日のは牛肉の盛りもよくて、味も濃いめで美味しかったような気がする。
 無理せず、午前0時過ぎに仕事を切り上げる。

鳩山総理大臣の所信表明演説

 鳩山総理大臣所信表明演説の最後の一文。
「ぜひとも一緒に、新しい日本をつくっていこうではありませんか。」
 これが民主主義の基本ですね。
 政治家が、こういう当たり前のことを言うことが実に少ない。
 民主党政権について、政策については賛成できかねることがたくさんあるけれど、とりあえず、この一点で、鳩山所信表明を評価しておきたいと思います。
 僕の知る限り、合衆国大統領は、つねに we を主語にして語ります。
 具体的なことは別途法案として編み上げていくべきことですが、政治には、まず第一に理想が必要。
 理想が現実からどんなに遠くても、理想は高くなくてはいけないし、その距離があるからこそ、どういう筋道をつくっていくかが重要になる。理想があってこそ。順序というものを考えることができる。
 日本をつくるのは、政治家でも官僚でもなく、国民であるのに、一緒に作るという政治家が少なく、自分が国を作るときちんと意識している国民も少ない、という日本の民主主義。
 少しでもよくなるといいですね。

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本日のオヤジギャグ

「北朝鮮が唄う戦闘機つかってるってね」
「よく知ってるな、初音ミグだろ」