午後4時過ぎ、遅いランチを食べた帰りのことだ。
途中に通りかかった路地の奥。
風俗店の外に女性が一人で立っていた。
あたりは風俗店の密集地。
女性が通り過ぎることはありえるが、風俗店の外に立っているのは、いくつかの特殊なケースに限られる。
〈彼女は、中から出てくる人間を待っている〉
〈出てくるのはおそらく男で、いまなにがしかの料金を払っているのではないか〉
仮説を立てた推理作家は一旦通り過ぎ、電話をかける振りをして立ち止まる。
さっきの女性が、推理作家を追い越していく。
思った通り、若い男性と一緒だ。
推理作家は50mほど間を空けて尾行をはじめる。
前に某業界風の男性がやはり同じルートをたどっている。
〈もしかしたら彼はガードについているのかもしれない〉
商店街へ出たところで、急に腕を組む。言葉を交わしながら、少し進んで今度は手を繋ぐ。
それ以降、一見したところ、仲のよいカップルに見える。
カップルは、商店街をまたいで次の通りを左に曲がる。
〈やっぱり〉
100mほど先に、ラブホテルがある。
その前まで来て、その男女は女性がリードするかたちでホテルに入った。
業界風の男はそのままホテルの前を通り過ぎ、推理作家は手頃な路地を曲がってその場から離れた。
恋人同士なら、昼下がり、風俗店から出てそのすぐ近くのラブホテルには入らない。
Diary
今朝、四時からの日本テレビ「Oha!4 NEWS LIVE」の中で黄金町が紹介された。
その中で僕が仕事場のスタジオでインタビュー受けているところも放送されたのだ。
そんな時間に誰も見ている人なんていないだろうと思っていたら、起き抜けにメールが2通。
馬車道と野毛の飲み屋のママでした。
夜の仕事をしている人が寝る前に見てくれたらしい。
僕はそのメールを読んでから、録画で見た。(笑)
オートバイでスタジオに。
ランチに「黄金ラーメン」でワンタン麺(今週のサービスで500円)を食べた帰り、やはり同じ放送に出ていた「マイノリティーズコーヒー」に立ち寄って、ひさびさに美味しいコーヒー(480円)をたっぷり飲んで(ここは味がいいだけじゃなくて量が多いのがうれしい)ちょっと歓談。
同番組は、来週の金曜も黄金町特集です。
(僕はもう出ないと思うけど)
来る20日には、日本テレビ「メレンゲの気持ち」にも黄金町が登場。
僕の所も撮影して行きましたが、放送の中で登場するかどうかは不明。
千葉県にある「いすみ鉄道」が自腹で700万円の研修費を払って運転士になりたい人を募集している。
3年前に「D列車でいこう」(徳間書店)に書いたことが現実に起きてきている。
いすみ鉄道の記事(毎日新聞)
『D列車でいこう』(徳間書店)のお求めは こちらから
確定申告の書類提出に横浜中税務署へ。
郵送でいいのだけど、近くにパスポートを受け取りに行くついでがあったので。
相談コーナーへは立ち入らなかったけれど、提出は入口そばの一階で、ほとんど待ち時間なし。
最近、黄金町の仕事場と家の往復しかしていないので、いつもと違う場所に行くと、歩いてみたくなる。
というわけで、山下町から黄金町まで、氷雨の中を歩く。
途中、そば処「味奈登庵」山下店で、かけそばと茄子天(400円)。
立ち食いそばなのに、生麺から茹でて、天ぷらも揚げたて熱々。そばの量も多い。
立ち食い蕎麦としてはトップランクだと思う。
伊勢佐木町を通り抜けるときにUNIQLOも覗いてみたけど、この季節、そそられるものが全くなかった。
こつこつ長編の直し。
夕食は【オバチャン弁当】(500円)
サバの塩焼き/小松菜とさつま揚げの煮付け/煮〆(椎茸、里芋、人参)/卵焼き/アサリの炊き込みご飯/豚汁/香の物
バラエティ豊富で味もよし。しかも、台所から直送で温かい。
店で食べたら1000円から1500円くらいはする品質。
ううむ。圧倒的クオリティだ。
今日は食事に恵まれた。
いつのまにか雨は雪に変わり、道路はシャーベット状。
午前1時半まで仕事をして、そのまま仕事場に泊まる。
午前8時、寝袋で目覚める。
食欲が出てきた10時にLCAMPへ行ってみるが、松本遠征中ということでお休み。
LCAMPは、LPACという「カフェのある風景」を創るアーチスト(二人組)の店なので、時々、色々なイベントなどに出かけていってしまうのだ。
仕方なく、コンビニのパンで朝食。
夕方、大学時代の演劇の仲間で京都でギャラリーの仕事をしている友人が来訪。
黄金町エリアを案内する。
昼食兼夕食は中華一番本店でチャーハンと餃子(850円)
午後10時過ぎまで仕事して帰宅。
午前10時 またしても管理組合の集まり。
区分所有法勉強会。
ビルの各種施設(バックヤード)の見学会。
地下の耐震構造がなかなか壮観。
今期からマンションの管理組合の理事を引き受けた。
やってみると思ったよりも仕事が多いが、これも取材(ネタの仕込み)だと思えば、小説家にとってはすべてが「芸の肥やし」だったりもする。
まあ、肥料ばっかりやって実りを刈り取ることを怠るわけにはいかないのだけれど。(笑)
スタジオへ出勤すると、「試聴室その2」で、Nire さんのリハーサルが始まっていた。
リハの後は、僕のスタジオが楽屋代わりに。(笑)
で、午後7時、Nire さんのカッコいいライブ、スタート。
ボサノバが基本なのだけど、声も伸びるし、オリジナリティもあるし。
終了後は、「聚香園」で打ち上げ。
のち、スタジオに戻って仕事。
そのまま仕事場に泊まる。
午前9時、マンションの理事会。
今期の初回ということもあり、延々、6時間。
ふう、疲れた。
仕事の時間が潰れていくのがなかなかつらい。
夕刻、家を出て新宿へ向かう。
午後6時、京王プラザホテルにて、「夢の遊眠社」の前身である東大劇研の同窓会。(ほぼ野田秀樹以前のメンバー)
12年ぶり。20人ほど。
二次会は分派活動(笑)で、元女優とか、大学の宗教の先生とかと、ゴールデン街へ。
終電で帰宅。
突然気温20度を超える暖かい天気。
しばらくできなかった運動のため、近所の公園へ。ちょうど昼休みの時間になったら、近所のオフィスの人たちが8人ほど出てきて、キャッチボール。
昔の日本の原風景を見るようで、なんだかうれしくなった。
シャワーを浴びて、編集者と話をして、でもってあとは、黄金スタジオへ出て、こつこつと。
夜、ちょっとリラックス時間を作った。
午前10時から12時過ぎまで、理事会の仕事。
あざみ野市民ギャラリーへ。
施設の下見。展示室とレクチャールーム。
帰り際に企画書提出。
これで、いったん小説以外のタスクのひとつが片づいた。
あざみ野の松屋で牛めし(320円)たべたけど、日ノ出町と同じ味だった。(笑)
あざみ野から板東橋まで横浜市営地下鉄ブルーライン一本で戻ってこれるので、けっこう近いかも。
よし、今日こそ、確定申告終わらせるぞ。
というわけで、午後10時過ぎ、国税庁のサイトで入力が終わり、提出書類のpdf をダウンロードして終了。
あとはプリントアウトして税務署に送るだけ。
長編小説を書くのに比べたら確定申告なんかちょろいのだけど、終わったときの達成感は似たようなもの。
だから確定申告ってお得な仕事かも。(て、そういう問題か)
これでいよいよ長編に集中できるようになった。それが実はうれしかったりして。
ちょっと気分がすっきりしたので、野毛「華」へ立ち寄って帰る。
午前中、理事の仕事など。
スタジオへ出る途中、野毛にあるフレンチレストラン obscur でランチ。
なかなか上品なインテリアで心地よい空間になっている。
実は、店の壁では黄金スタジオで僕の隣にアトリエを持っている吉田幸世さんの個展「LEGS」 が開催されているのだ。
1000円の日替わりメニューは売り切れで、週替わりランチB「白身魚のポアレ、ゴルゴンゾーラソース」(1200円)。
料理の味はたいしたことはない。メインディっシュは塩辛いし、スープもデザートも愛がない感じ。
むしろ、吉田さんの油絵が幸福感を演出している。
毎日黄金町にいると、生活感にまみれているので、きれいな空間で食事をするのは、とっても久しぶりで、これはこれでやはり代え難いものがある。
青山で仕事をしていたバブルの頃は、毎日こんなランチだったなあ、とふと思う。
収入も今の10倍以上あったし。美人秘書(?)もいたし。(笑)
結局、野毛のフレンチといえば、やっぱり「イグレック」だなあ、と思う。こっちはぜんぜんお洒落でもきれいでもない空間だけれど。味は格別。
昨日掲載の「第三企画室、出動す」、当日アクセス第一位だったようです。
読者の皆様、ありがとうございました。